TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
「まったくあなたときたら、毎回意外なところに突然現れるのね」
華佗が深刻な表情で現れた
「まさか今回の騒ぎにも太平要術が絡んでいるなんていうんじゃないでしょうね」
曹操は冗談ぽく言うが
「残念だが…そのまさかだ」
「えっ!!」
まさかのことに驚く曹操
「華佗さん…それってどういうことなんですか?」
「うむ…俺の調べた所では、于吉は言葉巧みにさる高官に取り入りそのツテを頼って」
「張譲と手を組んだ」
「あっ!もしかして張譲が董卓さんを隠れ蓑にして悪政を布いたのは、あえて民を苦しめ怨嗟の声を上げさせるため」
「そうか!そうすれば太平要術に凄まじい量の妖力をため込むことが出来る」
太平要術の恐ろしさを知っている者が理解していると
「ちょっと待って!一体何の話をしているの?」
何も知らない孫策はどういうことなのかと聞く
「民の怨嗟の声を妖力に変える妖術書に、それを携暗躍する妖術使い」
孫策たちはほかの者から説明を聞いて
「貴方たちがそうまで真剣な顔をしてなかったら、おとぎ話と笑い飛ばしていたところだわ」
その話を信じた
「しかしどうも信じられないな。そんな書があるなんて」
「ありますよ。そのせいで」
勇作はそういって包帯を外す
「俺の目がこうなったんですから」
赫眼の右眼を見せる
「なっ!!」
「何!その眼は!?」
桃香達以外の群雄はその眼を見て驚愕した
「太平要術の妖力で呪われてしまったんだよ」
「呪い」
「黄巾の乱で怪我したと噂が流れていたが……それが」
「そうです。これで信じましたか?」
「わかった!信じる!」
「どうも」
そういって包帯を右眼に巻く勇作
「しかし…于吉なる妖術使いは、なぜそれほどまで妖力を溜めこもうとしているのだ?」
「どうやら奴の目的は秦の始皇帝の遺産を復活させることにあるらしい」
「始皇帝の遺産?」
「何がすごいお宝でもありますの」
袁紹は目を輝かやせるが
「そんな良いものではない」
はっきりとそう言う華佗
「広大な大陸を統一した秦の始皇帝は晩年強い猜疑心に囚われ、配下の誰も信用しなくなった。そして己一人の命に従い決して裏切ることのない兵士を作ろうとした」
「兵士を…作る?」
「それは一見…土で人を模ったようにしか見えないが、妖力を注ぎ込まれるとよく訓練された兵のように動き戦う。命令には絶対服従の上、抑力に優れ、痛みを全く感じぬ上にいくら傷を負っても怯むことなく敵に向かっていくという」
「なんて恐ろしい」
「幸いにもそれは実際に使われることなく、存在自体が闇から闇に葬られた。一説では死後の始皇帝を守るため、共に陵墓に埋められたという」
「(テレビで特集やっていたけど…あれが)」
「私も書物で読んだことがあります」
呂蒙は自分が知っていることを言う
「その兵士…兵馬に見せた怪しき物という意味で兵馬俑と呼ばれているとのこと。それを生み出すのに手を貸した徐福という法師が書き残した物に記されており、妖術を扱うものの間では、それなりに知られていることとか」
「何でも兵馬俑を動かすには強い力を持つ妖術使いを100人集めても賄えないほどの大量の妖力が必要らしい。だから兵馬俑の事を知ってはいても誰も本気でそれを探し、復活させようと企む者はいなかった………だが」
「太平要術があれば…それが出来る」
「宦官は兵権を握れない。だからそうやって意のままになる兵力を得ようとしたのね」
「しかし結果としてことは破れ、張譲は都を捨てて逃げだす羽目になったのだから…そう深刻な顔をすることもあるまい」
「何っ!!張譲は宮中にいないのか!?」
公孫瓚に言葉に華佗は驚く
「我々が、洛陽に入った時には既に…」
「張譲が本当に逃げ出したのならよいが……」
「どういうこと?」
「もし用済みとして于吉に消されたのなら…すでにすべての準備が整っているということです」
するとその時
「孫策様!!一大事です!!」
「どうした?甘寧?」
「正体不明の軍勢が、突如押し寄せ函谷関が破られました!!」
「何…」
その知らせに、驚愕する群雄
「現在、函谷関を抜き洛陽に向かって進軍してくる敵の数は約15万に迫る勢いのこと」
勇作達は地図を見ながら緊急の軍議をしていた
「それに対してこちらは弱兵の袁紹軍を合わせても3万に届くかどうか…」
荀彧の言葉にムッとなる袁紹
「敵はこちらの5倍ですか」
「なお敵の中心には怪しげな祭壇のようなものを据え付けた巨大な櫓があるらしいんですが…おそらくこれに于吉が乗っているものと思われます」
「それはたぶん七星壇のことだろう」
「七星壇?なんじゃそれは?」
「七星壇は妖力を広く届けるための祭壇で、多分それを使って太平要術の妖力を多くの兵馬俑に送り込んでいるのだろう」
「しかし難攻不落と言われてた函谷関が、なぜこうもあっさりと…」
「聞けば函谷関は大改修の最中で、ほとんど城塞として体をなしていなかったとか…。于吉が、張譲をそそのかし…この日のためにやらせたのでしょう」
「函谷関が抜かれれば洛陽は、西からの攻撃には裸同然」
「しかもこの場所は、守りがたく攻めやすい場所。洛陽にこもって戦うのは愚の骨頂かと」
「となると…ここは討って出るべきね」
「けど、まともに当たったら勝ち目はないわ」
「あの~兵馬俑でしたっけ…それって太平要術の妖力でうごかしているんですよね。だったら太平要術を封印しちゃえばいいんじゃ」
「たしかに兵馬俑は妖力がなくなればただの木偶人形だが」
「それじゃあ」
「あのね…あなた相変わらず帽子置き場にするくらいしか頭の使い道を知らないようだからちゃんと説明してあげるけど」
荀彧はあきれながらも劉備に説明する
「太平要術を持つ于吉は数万の兵馬俑に囲まれた中にいるのよ。こんな状況でどうやって太平要術を封印するって言うの?」
「それは…その」
「黄巾の乱の時とは違って、今回太平要術を手にしているのは于吉自身。そうなると奴を倒さない限り、太平要術の封印は叶わないだろう」
「だったら鈴々が于吉の奴をぶっ飛ばすから…その後、華佗のおじちゃんが太平なんとかを封印すればいいのだ」
「おじちゃんではない!威勢がいいのは結構だが、奴ほどの妖力使いにもなれば普通の剣や槍では、その身に傷をつけることすらかなわんぞ」
「ん~それは厄介だな」
「だっから俺なら于吉を倒せるんじゃ」
「そうですよ!ご主人様なら」
「残念だが…それは無理だ」
「なぜです!!」
「黄巾の乱での勇作の活躍を見れば確かに于吉を倒せるかもしれない。しかし下手をすれば命を落としかねない事態になるんだぞ」
「ど、どういうことですか?」
「勇作が太平要術の呪いに掛かっているのは知っているな」
「はい」
「その呪いは太平要術が近くにあると勇作に強い悪影響を及ぼすんだ」
「悪影響」
「変化がない様子を見れば、今は大丈夫だと思うが…もし太平要術がある所に行けば」
「…そうか」
「ご主人様!」
「は、はい」
突然、愛紗が勇作に近づき
「于吉は私が倒しますので、決して近づかないように!!」
「わ、分かったから……ちょっと近いよ」
「!!…し、失礼しました」
元の場所に戻る愛紗
「じゃあ、ほかに方法がないんですか?」
桃香が華佗に聞く
「そうだな…竜の爪でもあれば何とかなるが」
「竜の爪?」
「それって…」
桃香達は勇作を見る
「……どうしたの?」
「さっきも言ったが、勇作は無理だぞ」
「そ…そうでした」
「それで華佗さん。竜の爪って」
朱里が華佗に聞く
「これは妖術に携わる者の間ではよく知られていることなのだが……時が満ち、卵から孵った龍が雷とともに天に昇らんとする時、一本の爪を落としていく」
「(あっ!!)」
華佗の話を聞き、朱里はある出来事を思い出す
「(龍の卵。雷)」
それは前に楽進達を賊退治をした村での出来事を(この小説では、第七十六席でのことを)
「地に落ちた爪は、一本の剣となり…それを高貴な血筋に連なる者が手にし、強き思いを込めて振るうと…あらゆる悪しき力を討ち破り敵を貫くという」
「高貴な血筋に」
「連なる者…」
愛紗と星はある人物に視線をむける
「ただ実際に竜の爪なる宝剣を目にした者はなく…それが本当にあるかどうかも定かではないのだが」
「な~んだ。ただのお話か…」
桃香ががっかりしていると
「え?」
勇作と愛紗と星と朱里と鈴々が自分を見ていることに気付く
「え?ええ?え!?」
そしてとある場所
「ええっ!!今日の舞台!中止になっちゃたの?」
「陳琳さん…どうして?」
張三姉妹が洛陽にやって来ていた
「曹操主催で大規模な祝勝会をするっていうから、巡業先から慌てて飛んで来たのに…」
「はっきりした理由は教えてもらえなかったんですけど、なんかとんでもないことが起きたらしく祝勝会どころじゃないって」
「もお~せっかくの大舞台楽しみにしてたのに~」
残念そうにベットに倒れる張角であった