TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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遅れてしまいすいません

では、どうぞ


第百二十八席 群雄、于吉を討たんとするのこと(序章②)

「ほお~これは壮大ですね」

 

同じころ、于吉は水晶を使ってその様子を見ていた

 

「そうだろう」

 

偽劉備も同じように見ていた

 

「これでは、私がやる前に片付いてしまいますね」

 

「不満か」

 

「いえ…手間が省けるならそれに越したことはありません」

 

「そうか」

 

「しかし、よく思いつきましたね。5万の兵馬俑を合体させ、それを張譲に与えるなんて」

 

「奴は実験体に過ぎん。だが機会を与えないとな」

 

「やさしいですね」

 

「どうも」

 

「じっくり拝見させましょう」

 

笑みを浮かべながら再び水晶に映っている映像を見る于吉であった

 

「(せいぜい役に立ってもらうぞ…張譲。そして于吉よ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は戻り

 

「一体なんだよあれは?」

 

「華佗のおじちゃん…何なのだあれは?」

 

「おじちゃんではない!だがあれはもしや」

 

「もしや?」

 

「兵馬俑が合体した姿かもしれない」

 

「兵馬俑が合体した姿ですって?」

 

「ああ…しかし、あんな姿は見たことがない。あれを生み出すには相当の兵馬俑と妖力が必要なはず」

 

「しかし…現にこうして現れているではないか」

 

「確かにそうだが……そうだとすれば一体だれがあれを?」

 

すると巨大兵馬俑が動きを止めた

 

「止まった?」

 

「連合ども!!」

 

兵馬俑がしゃべる

 

「こ、この声は?」

 

賈駆はその声を知っていた

 

「僕に跪け!」

 

「まさか張譲!」

 

「え?」

 

「何!?」

 

「間違いない!あの声は張譲よ!」

 

「(ピーカーみたいに高い声を期待してたんだけど、そんな訳ないか)」

 

少しガッカリする勇作

 

「張譲だと!」

 

「于吉に消されたはずでは」

 

「そんなことはどうでもいいですわよ」

 

「誰かあれを何とかできませんの?」

 

袁紹がそういうが

 

「……」

 

誰も言わない。いや言える状況ではなかった

 

「倒す方法はある」

 

華佗が言う

 

「あるの!?」

 

「あれを倒すにはあの中にいる張譲を直接叩くしかない!」

 

「なら…そうすれば」

 

「だが…」

 

「なんじゃ?何かあるのか」

 

「あの巨体だ!探し出すのは困難だ!仮に見つけたとしても、あの巨体をどうにかしないとならない」

 

「この後の戦を考えると」

 

「じゃあ、どうすれば?」

 

「華琳さま!私が!!」

 

夏侯惇が手を上げる

 

「やめなさい!」

 

「なぜです!?」

 

「貴方もわかるでしょう!」

 

「しかし華琳さま」

 

「あれは貴方がどうにか出来る相手ではないわ」

 

「そうかもしれませんが…このまま何もしないよりは」

 

「朱里!何かいい策はないのか?あれば鈴々が何とかするのだ」

 

「すいません鈴々ちゃん。何も思いつきません」

 

「そんな……お兄ちゃん」

 

鈴々は勇作に声を掛けるが

 

「……」

 

「お兄ちゃん?」

 

勇作は何かを考えていた

 

「(できなくもないが……しかし)」

 

「お兄ちゃん」

 

「(そうすればまた俺は人を殺すことに)」

 

「お兄ちゃん」

 

「(くそ!わかっているはずなのに!)」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「うお!」

 

「どうしたのだ?さっきから呼んでいるのに…」

 

「ごめん」

 

鈴々に謝る勇作

 

「(せめて見聞色がつかえればな……)」

 

すると

 

「(あれ?)」

 

何かの気配を感じる

 

「まさか…」

 

目を閉じ、集中する

 

「……」

 

「ご主人様?」

 

「(……やっぱりだ!気配を感じる)」

 

「ご主人様」

 

「(なんでだ?使えなかったのに?)」

 

「ご主人様!!」

 

「あ!ごめん!」

 

「一体どうしたんですか?」

 

「ああ、もしかしたら何とかなるかもしれない」

 

「え?」

 

「どうするのだ?」

 

「それをするには…李典さん」

 

「な!なんや?」

 

「作ってほしいものがある」

 

「作ってほしいもの?」

 

「ああ、それにはあいつを少し足止めしてほしいんだけど」

 

「足止め?」

 

「けど…誰がそれをするの?」

 

「そ…それは」

 

勇作はそこまで考えていなかった

 

「……待って!」

 

声がする方に視線を向けると

 

「その役目…ボクがやる」

 

賈駆が声を上げる

 

「賈駆……あなた」

 

「これがどんだけ危険なことかわからないの?」

 

「わかりますよ!けどほかに方法はある!?」

 

「詠ちゃん!」

 

董卓が心配そうに話しかける

 

「駄目だよ…詠ちゃん。そんな危険な」

 

「…月」

 

「行かないで…私を一人にしないで」

 

「…けど、ほかに方法がないの!!」

 

「嫌だ!詠ちゃんがやるなら…私も!」

 

「それは駄目!月はもう死んだことになっているの。ここで出たら」

 

「けど」

 

「ボクを信じて!必ず戻ってくるから」

 

「………」

 

「お願い」

 

「わかった。必ず生きて戻って来て!」

 

「ありがとう」

 

「高杉さん。詠ちゃんをお願いします」

 

「…心配するな」

 

勇作は肩に羽織っているコートを着る

 

「あいつは何とかする」

 

「けど…どうやってあれを」

 

「それは……」

 

勇作は説明する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ふふふ……これであいつらを叩き潰せる)」

 

「張譲!!」

 

声がした方に視線を向けると

 

「……」

 

馬に乗った賈駆がいた

 

「貴様は!」

 

「この先には行かせないわよ!」

 

両手を横に上げる

 

「ぷははは!!行かせないだと」

 

張譲は笑う

 

「貴様一人に何が出来る。董卓を守れず僕に従っていた弱者に!!」

 

「くっ!」

 

「貴様は何もできない!一生弱者のままだ」

 

「……あなたの言う通りよ!」

 

「何?」

 

「ボクは月を守れなかった。その上、民たちを傷けてしまった。ボクは弱いままだ……けど!」

 

「……」

 

「ボクは二度と貴方に負けない!今度こそ絶対に守って見せる」

 

「貴様に何が出来る!僕と君とでは圧倒的に力の差が違う」

 

「それはどうかしら?」

 

「なんだと?」

 

「だったら試したら、ボクを殺せるか!!」

 

「お望みどうり殺してやる!!」

 

巨大な手が賈駆に迫ってくる

 

「死なないわよ」

 

賈駆は城の方に馬を走らせる

 

「逃げられると思ったのか!」

 

手が迫る

 

「(逃げ切れるわよ!……だって)」

 

城に視線を白旗が降ってあった

 

「(時間を稼ぐことが出来たんだから)」

 

 

 

 

 

 

 

すこし時間を戻し

 

「けど…どうやってあれを」

 

「それは……俺が倒す」

 

「は?」

 

「だからあれは俺が倒すの」

 

「あんた馬鹿?倒せるわけないでしょう。あんなの」

 

「俺には出来る…その為に李典さんの力を借りるんだ」

 

「ウチの力を」

 

「あんた…これ作れるか」

 

勇作は紙に書かれた物を渡す。それはパチンコ(おもちゃ)だった。そして説明する

 

「……どう?」

 

「これやったら、すぐに作れるで」

 

「そうか…なら頼む」

 

 

 

 

 

 

 

そして今

 

「準備よし!」

 

李典によって作られた巨大パチンコ。勇作が玉となって巨大兵馬俑に向けられていた

 

「ご主人様…大丈夫ですか?」

 

桃香が心配する

 

「心配するな……お願い」

 

「わかったのだ」

 

鈴々がY字型の棹の上両端に付けられた発射台を引っ張る。鋼の螺旋がどんどん引っ張られる

 

「(よし…このまま)」

 

作戦とは、勇作がパチンコの弾となって兵馬俑に向かって飛んでいくものだった

 

「準備出来たのだ」

 

「よし……よ~~~~~~い」

 

「……」

 

愛紗が狙いを定め

 

「放せ!!」

 

鈴々は手を放す

 

ブゥウウウウ!!

 

ものすごい勢いで飛んでいく勇作

 

「(うおおお!逆バンジーみたいだ!!)」

 

だんだんと近づく

 

「(よし)」

 

勇作は応龍を抜き覇気を込める。刀は黒く変色する

 

 

 

 

「これで最後だ!死ね!」

 

巨大な拳が賈駆に迫る

 

「私は死なない!」

 

「ありがとう!行くぞ!!」

 

勇作の体が青く光る

 

「(貴様のせいで、多くの人が傷つき、涙が流れ、怨嗟の声が上がった…その罪、今ここで断罪する)」

 

横に一閃

 

「TESTAMENT!」

 

ドガアァアアアアアン!!

 

巨大兵馬俑が上半身と下半身に分かれた

 

「えぇぇぇぇぇえええ!!」

 

曹操陣営はその光景に驚く

 

「な…なんだと!」

 

張譲も驚く

 

「よし!」

 

続けて縦に一閃

 

ドガアァアアアアアン!!

 

右半身と左半身が分かれる

 

「えええぇぇぇぇ!!」

 

孫策陣営も驚く

 

「……」

 

勇作は落ちてきた岩にジャンプして上に昇る

 

「……」

 

そして兵馬俑の目線ぐらいまで上がる

 

「貴様は天の御使い!!」

 

張譲は勇作の存在に気付く

 

「貴様がやったのか!!」

 

「だとしたら?」

 

「おのれ!!」

 

張譲は兵馬俑の右腕を振りかぶる

 

「(やっぱり右半身にいるか……少しだけと気配だけだけど見聞色が使える……でもなんでだろう?)」

 

「死ねぇええ!!」

 

右拳が迫る

 

「MAGNUM STRIKE!!」

 

六爪流になり技を放つ

 

ドガアァアアアアアン!!!

 

張譲の拳と勇作の技が激突する

 

 

パラパラパラ

 

だが張譲の拳……いや

 

「な……ん…だ……と……」

 

拳と右腕までもが粉々に砕けた

 

「……」

 

勇作は張譲にいる場所に飛ぶ

 

「ま、待て!僕の負けだ!降参する!助けてくれ!」

 

「助かりたいか?」

 

「お願いだ…助けて…」

 

「ふ~ん…安心しろ。殺しはしないよ」

 

「ほ、本当か?」

 

「ただ」

 

勇作は右手を翳す

 

「俺はね……」

 

「俺は……それはどういう…」

 

「お前はもうゲームオーバーだよ」

 

「な、なに?」

 

「はあっ!!」

 

ドン!!

 

「ぐはっ!!」

 

内部にいる張譲は口から血を吐きながら外に出た

 

「なん……で……?」

 

何が起こったのか理解できないまま意識を失う張譲であった

 

 

「……武装色……"流桜〟……」

 

 

勇作の勝利


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