TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第十六席 勇作と関羽、化け物を退治せんとするのこと

董卓の屋敷。

 

眼鏡をかけた董卓軍軍師〈賈駆〉は手に書簡を抱え、執務室に入った。

 

「ん? 月(ゆえ)? 月? どこにいるの?」

 

室内の中を見回すが、仕事をしているはずの賈駆の幼なじみでもあり、この辺りの太守でもある〈董卓〉が居なかった。

 

「あの子ったら、また性懲りもなく抜け出したのね。ったく、この忙しい時に~#」

 

怒りながら賈駆は執務室から出て、廊下を歩いていると、

 

「あっ、華雄将軍!」

 

「何だ、賈駆ではないか。浮かぬ顔でどうした?」

 

廊下の突き当たりで会ったのは銀髪を短く切り揃えた董卓軍の猛将〈華雄〉だった。

 

「月が、董卓様がまた居なくなってしまわれて」

 

「と言うと、また例のアレか? お忍びで下々の暮らしぶりを見て回るという」

 

「ええ」

 

「やれやれ、仕事を放り出して、フラフラ出歩くとは困った太守様だな」

 

「領民と直に触れ合って、その声を聞くのは決して悪い事ではないっ!」

 

「なら、別に良いではないか」

 

「そうはいかないわっ! ここの所、地方の賊の征伐に人手を取られて、逆にこの辺りの治安が悪くなっていると言うのにっ! それに物の値段が上がって、民の間に不満が募ってるし! 山の方では人食い熊が出るとか何とかっ!」

問題が多すぎて、賈駆は頭をワシャワシャと掻きまくる。この状況で太守がいないのだから、焦るのも無理がないとは言えるのだが

 

「賈駆、そんなに心配ばかりしていると早死にするぞ?」

 

「華雄将軍。貴女は悩みが無い分、長生きしそうねぇ~」

 

「まっ! 体は鍛えているからなっ!」

と、ちゃっかり笑顔で返すのだった

 

「はぁ」

 

皮肉で言ったのに気付かない華雄にため息をする賈駆であった。

 

 

 

 

 

一方、勇作達は村に向かって歩き続けている途中であった。そこでトントンからある噂話を聞いていた。それは・・・・・・・・・今から向かう村に化け物が出ると言うものである。

 

「えぇ?化け物?」

 

「はい。ある日、村の庄屋様の門に白羽の矢が打ち込まれ、それに結び付けられた文に『今宵、村の外れのお堂に食べ物を供えよ、でなければ、村に災いが降り懸かるであろう』と書いてあったとか、最初は質の悪いイタズラと思い、そのままにしていたらしいのですが、朝になってみると山から運んで来たのか門前に大きな岩が忽然と置かれていて」

 

「ほう」

 

星が興味深そうに相槌をした。

 

「これは、とても人の力で持ち上がる物ではない、化け物の仕業に違いないと」

 

「「んっ!」」

 

関羽と鈴々の顔が少し強張る。

 

「それで、慌ててその夜。御堂に食べ物を供えたら、それからは七日に一度の割合で催促の矢文が打ち込まれるようになったとか」

 

「なんと、奇怪な」

 

「ですけど、これは町で聞いた噂、本当かどうか確かめたくて」

 

「なるほど・・・・」

 

と勇作が納得していると、星がとある疑問を抱く。

 

「しかし、トントン殿。なぜ、そのような事を?ただの娘が思い付きでする事とは思えぬが」

 

「(確かに・・・)」

 

「え!?あ、いや・・・それは、その・・・」

 

確かに、村娘が興味本位でやることとは思えない。指摘されてしまい、トントンが慌てていると・・・・・・鈴々が突然声を上げて何かを指差す。

 

「なんなのだあれは!?」

 

指が差された先には既に目的の村があったのだが、注目すべきは・・・・・・・・・庄屋の屋敷の門前にデンと置かれた巨大な岩。近くで見てもかなり大きく、それなりに大きい門をあっさりと越えてしまっている。

 

「きっと、これが化け物が置いて行った岩なんですね」

 

「「うっ!」」

話に出た岩と知り関羽と鈴々が驚く。こんな大きい岩を運ぶなど・・・どう考えても人間業とはないと、一行は改めて実感した。

 

 

 

 

庄屋の家。

 

一行は庄屋の元を訪ね、改めて話を聞くことにした。

 

「庄屋様、それでは化け物が出るというのは本当だったのですね」

 

客間に通された勇作達は庄屋に化け物について話していた。

 

「はい、困り果ててお役人様に訴えってみたのですが、化け物が出たなどと怪しい事を言って、御上(役所)の手を煩らさんなっと逆にお叱りを受ける始末」

 

〈バァン〉

 

「そんな酷い事を!」

 

「「「!?」」」

 

思わず立ち上がるトントンにポカンとする一同。我に返ったトントンが座ったのを見て、庄屋は改めて話を続ける。

 

「オッホン! それで村の力自慢の若者や旅の剣客らに頼んで、化け物を退治して貰おうとしたのですが、いずれも這う這うの体で逃げ帰って来て」

 

「そ、そんなに恐ろしい化け物なのですか?」

 

顔を引きつらせながら関羽は聞いた。

 

「しかと、姿を見た者はおりませんが、ある者は身の丈が三十で紅く光る目をしていたと言い、またある者は鋭い牙と爪を生やしていたと言い、全身毛むくじゃらで恐ろしい唸り声をあげていたと言う者もおり」

 

「「うぅ~」」

 

化け物の容姿について色々な例をあげる庄屋の話を聞き関羽と鈴々の顔は青ざめた。

 

「いったい、この村はこの先どうなってしまうのか・・・・・・・・・」

 

「こういう時こそ、我らの出番だな!」

 

「「えぇ!?」」

 

「どうした? お主達から言うと思っていたが」

突然の星の申し出に驚く愛紗と鈴々、星はというと、逆に驚く二人を見てキョトンとしていた。更にトントンは星の申し出を受け入れている。

 

「お願い出来ますか?」

 

「しかし、相手は正体不明の化け物」

 

「この方達は、恐ろしい山賊をあっという間に倒してしまうほどお強くて。ですからきっと、化け物相手でも自信がお有りなのでしょう」

 

「ほう!ならば是非!」

 

トントンの話を聞き、庄屋は関羽達の方へ向く。

 

「い、いや、そんな勝手に決められても・・・!」

 

「そ、そうなのだ! 鈴々にも都合があるのだ」

 

「そうだ! た、高杉殿はどう思いますか?」

 

「そ、そうなのだ! お兄ちゃんはどうするのだ」

 

「俺は引き受けてもいいと思うよ」

 

「高杉殿!?」

 

「お兄ちゃん!?」

 

必死で断る関羽と鈴々は頼みの綱の勇作に聞くもあっさり失われた

 

「駄目なのですか・・・・・・(ウルウル)」

 

「う・・・!だ、駄目・・・・・・ではないが・・・・・・」

 

「お願いします・・・村の方々が困っているんです・・・(ウルウル)」

 

「っ・・・」

 

「お願いします・・・・・・(ウルウル)」

 

ウルウルとした視線を送るトントン。

 

「そう言うことならば」

 

「良かった、引き受けて下さるのですね♪」

 

「いや、その・・・・・・・・」

 

口を滑らせた関羽。すると星が

 

「いやなら、行かなくていいぞ!そのかわり、勇作殿と二人で退治しますからなー」

と言いなら、勇作の腕に抱き着いた

 

「星、お前、わざとやっているだろう!?(うっ・・・・腕にまた・・・む・・・胸が・・///)」

 

「おや、驚かないのですか?」

 

「いい加減慣れました・・」

 

「勇作殿の驚く姿を楽しみにしていたのですが・・・それは残念」

 

「そんなもの楽しみにしないいでください(うっ・・・また殺気が・・・)」

 

「みなさん、ありがとうごさいますっ!」

 

「はぁ」

 

「うぅ~」

 

「ふっ」

 

引き受ける事になった関羽と鈴々の顔が青ざめているのを見た星は不適な笑みをした。

 

「(星の奴、絶対何かする気だな)」

 

それを横で見た勇作は思ったのであった

 

 

 

 

その日の夜・・・一同は大量の食べ物を積んだ荷車を引く村人や庄屋と一緒に御堂へと向かっていた。松明を片手に進む山道は薄暗く、辺りを警戒しながら進んでいく。

 

「二人共、少し震えておるが、もしかして怖いのか?」

 

その道中、星が関羽と鈴々に話し掛けた。

 

「こ、怖くなんかないのだっ!」

 

「その通り! こ、この震えはその、武者震いだっ!」

 

「(少々無理があるぞ)」

と心の中で勇作は思った

 

「ほう、そうか?」

 

「な、何だ!? 何か文句あるのかっ!」

 

「いや、別に・・・うむっ!」

 

「「ひぃい!?」」

 

突然星が立ち止まり、愛紗も鈴々も軽くだが悲鳴を上げる。

 

「どうしたっ! 何か出たのかっ!?」

 

「いや、せっかく月が綺麗だったのに雲が出て来たなと思ってな」

 

「何だ、そんなことか」

 

大した問題ではなかったようなので、再び先へ進む一同。と・・・

 

「はっ!」

再び歩き続けた所で、また星が止まった。

 

「「ひぃい!」」

 

「今度は、何だっ!?」

 

「昨日、茶店で団子を食べた時にお主、私より一個多く食べていなかったか?」

 

「まあ、確かそうだったかもしれんが今、そんな事を思い出さなくても」

 

「ふっ」

 

星は再び歩き出した。

 

「お主、わざとやっているだろう#」

 

「(確かに・・・なんか、可愛そうになってきたな・・・)」

と勇作は思い

 

「あの・・・怖かったら手でも繋ぎましょうか・・・」

と言うと、勇作の右腕に愛紗、左腕に鈴々が抱き着いた

 

「何で、抱き着くんだよ!?」

 

「勇作殿が言ったでは、ありませんか?」

 

「抱き着くまでとは・・・」

 

「だめなの・・・(ウルウル)」

と鈴々が今にも泣きそうな瞳で見つめる

 

「いや、別にいいけど・・・」

 

「やったーなのだ!」

と強く抱き着いた

 

「何かお兄ちゃんに抱き着くと全然怖くないのだ・・・」

 

「それは良かった・・・・・あの、関羽殿・・・」

 

「はい?・・・」

 

「強く抱きしめないでください・・・」

 

「何故です?」

 

「そ、それは・・・(む、胸が当たっているですけど・・・///)」

 

「だめですか?」

 

「いや、良いです・・・(やばい、星より、大きいかも・・・・・・///・・・けど、これは、これで、良いかも・・・・・・///)」

と思ってしまう勇作であった

 

「・・・・・・・・・・」

それを見ていた星は、ムッとした顔になっていた

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