TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第十七席 勇作、呂布と出会うのこと

勇作達は御堂に到着

 

食べ物を御堂の中に運び終わった庄屋は勇作達の方へ向く。

 

「それでは、お頼み申し上げますぞ」

 

「う、うん」

 

「化け物退治、頑張って下さいね」

 

「ど、ドーンっと任せるのだっ!」

 

そう言う関羽と鈴々だったが顔は引きつっていた。トントンと庄屋達は村へ帰って行き、勇作達はお堂の中へ入った。

 

「これはまた、いかにも何か出そうだな」

 

御堂の中を見渡す星。中は薄暗く、仏像がロウソクの明かりに照らされ、不気味な雰囲気を出していた。勇作達は円になるようにその場に座った。

 

若干、声を震わせながら答える関羽。その手は隣にいる勇作の服の袖を掴んでいた。因みに反対側の鈴々は腕に抱き着いていた。

 

「そういえば、あれもこんな月が無い夜だったな」

 

「「・・・」」

 

いきなり話をし始めた星に関羽と鈴々の体が強張る。

 

「日のある内に、山を越えるため歩き続けたのだが、道を間違えたのか、行けども行けども人里に出ず、これはもう野宿をするしかないと思った頃、何処からか春先にしては生暖かい風が吹いて来て」

 

「「っ!」」

 

〈ぎゅっ〉

 

「どれほど眠ってしまたのか、カリカリっと何かを引っ掻く音で私はハッと目を覚ました。最初は天井裏でネズミがたててる音だと思ったが、よく耳を澄ましてみると、どうやらそれは真新しい棺から聞こえて来るらしい」

 

「「ん!」」

 

〈ぎゅう〉

 

「(痛いっ!)」

 

雰囲気を出しながら、しゃべる星の話を聞く内に勇作の腕を掴む関羽と鈴々の手に段々と力が入る。

 

「嫌な予感を覚えつつ、それでも何故か、まるで吸い寄せられるかのように私は棺の蓋に手を掛けて、恐る恐る中を開けて見ると・・・」

 

「「ん!」」

 

「うわぁあああ!!」

 

「「ぎゃあああ!」」

 

〈ぎゅう~~~〉

 

「「あぅ~」」

 

〈ドサッ〉

 

星のいきなりの大声に驚いた関羽と鈴々。勇作に強く抱き着き、気絶してしまった。

 

「やり過ぎだよ、星」

 

「これは失敬」

 

「気絶しちゃったよ、二人共。大丈夫かな?」

 

気絶した関羽と鈴々を気遣う勇作。すると星が抱き着いてきた

 

「せ、星!?(・・・・む、胸が・・・・・)」

突然のことに勇作は驚いていた

 

「これで、二人きりになりましたなー」

 

「そ、そうですね・・・」

 

「それはそうと・・・」

 

「ん?」

 

「此処に来るまで、愛紗に抱き着かれて、うれしそうにしていましたな・・・」

 

「い、いや・・・」

 

「そんなにうれしかったのですかな・・・」

 

「そ、それは・・・」

 

「ま、良いですよ。化け物が来るまで、いろいろとやりましょう・・・」

と星は勇作の顔に近づいてきた

 

「いろいろって!?(や、やばい!このままじゃ、理性が飛びそうなことに・・・ど、どうすれば・・・)」

と思っていると

 

「ん?」

 

「どうしました?」

 

「外に誰かいます・・・」

 

「!?」

と驚いていたが

 

「・・・来ましたね」

 

「はい」

 

「早く二人を起こそう」

 

「それでしたら、私にお任せください」

 

「またやり過ぎるなよ」

 

「ふっ、どうですかな?」

 

「(また何かする顔だな、あれは)」

 

勇作に不適な笑みをした星はロウソクを一本だけ手に取り、倒れている関羽と鈴々に近づいた。

 

「愛紗!鈴々!」

 

「「んっ?」」

 

「めぇ~をぉ~さぁ~まぁ~せぇ~」

 

「「いやぁああ!!」」

 

目を覚ました二人が見たのは手にしたロウソクを顔の下から照らした星の顔で、二人は驚き外へ出てしまった。そのまま走っている内に、二人は「何か」にぶつかった。尻もちをついた二人が顔をあげると・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

赤く眼を光らせている二つの影が、二人を睨みつけていた。

 

「ば、化け物ぉ・・・!!」

 

「なのだぁ・・・!!」

 

本当に出てきたと思いこんだ二人は、その場に倒れてしまう

 

「やっと、お出ましか」

 

「・・・・・・」

 

御堂から星と勇作が出てきたのと同時に、雲が晴れる。月明かりに照らされ現れたのは・・・・・・・・・白い虎の毛皮を被った愛紗程の背丈で手に方天戟(三日月状の刃が片側に付いた槍の一種)を手に持ち立っている少女だった。

 

「正体を現したな!」

 

「(誰なんだ?)」

 

「そこに倒れている二人と違って、私はそんな物で驚かされたりせぬぞ」

 

「(彼女、只者ではないな・・・)」

 

「はぁ!」

 

「星ぃ!」

 

勇作が咄嗟に制止するが、星は〈龍牙〉を手に虎の少女に向かって走って行った。

 

「はぁ!」

 

〈ガァキィン〉

 

「っ!? 何だ? この重い一撃は」

 

星の攻撃を虎の少女は横の一振りだけで防ぐ。後ろに飛ばされた星は、苦痛な顔をし、再び虎の少女へ向かって行く。

 

「ふっ!」

 

〈ガァキィン〉

 

「・・・」

 

〈ガァキィン〉

 

「くっ!」

 

鍔ぜり合いとなり、虎の少女の力が圧倒的に強く星は押される。

 

「(こいつ、強い! だが)」

 

星は諦めず、攻撃するが全て防がれる。

 

〈ガァキィン〉

 

「(しまった!?)」

 

虎の少女の一撃で、星の〈龍牙〉は飛ばされてしまった。

 

「(やられるっ!)」

 

「・・・」

 

星にとどめの攻撃がされる瞬間。

 

〈ガァキィン〉

 

「星! 大丈夫か!」

 

「勇作殿!」

 

勇作が二人の間に入り、〈応龍〉を抜き虎の少女の一撃を防いだ。

 

「勇作殿、この者」

 

「ああ、かなり強いな」

 

「・・・」

 

割って入って来た勇作に警戒する虎の少女。

 

「星! 一旦、退却するぞっ!」

 

「何故ですか!? 勇作殿!! 私と勇作殿なら奴を倒せるかも知れぬのに!!」

 

「今、闘ったら関羽殿と鈴々を巻き込んでしまうだから一旦、退くぞ!」

 

「っ・・・・・・・・・承知した!」

 

「行くぞ! ハァァ!」

 

〈ドカァン〉

 

「・・・・・・・・・・!?」

 

〈ブゥン〉

 

一瞬悩む星だが、勇作の案が正しいと判断した。勇作は覇気を纏わせた〈応龍〉の一撃を地面に放ち、目眩ましの砂煙を起こした。虎の少女はいきなりの砂煙に一瞬だけ怯むが、すぐに砂煙を槍で振り払った。

 

「・・・・・・・・・・・・?」

 

振り払ったその場には、勇作と星の姿も倒れていた関羽と鈴々は無く、虎の少女は辺りをきょろきょろと見回した後、御堂にあった貢ぎ物を持って暗い林の中へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

昨夜、戻って来た勇作達は庄屋の家に泊まらせてもらい、トントンと一緒に朝食を食べていた。

 

「何!? 化け物ではない?」

 

「ああ、紛れも無くあれは人間だ」

 

「己~謀りおって~# しかし、そうと分かればもう怖くない!」

 

「やはり、そうと分かるまでは怖かったのだな」

 

化け物の正体が人間と分かり憤る愛紗に、ふと星がツッコミを入れる。

 

「い、いや! そ、それは!」

 

「と、とにかく! 化け物で無いのなら、次に会った時は必ず成敗してくれる!」

 

「こてんぱんにしてやるのだ!」

 

「確かに奴は化け物では無い。だが、強さは化け物並だ。」

 

「化け物並」

 

リベンジに燃える関羽と鈴々に言った星の言葉にトントンは復唱するように呟いた。そんな中、勇作は黙ったまま手の平にある昨夜、退却する際に拾った犬の木彫りを見ていた。

 

「(誰なんだろう?)」

 

 

 

 

 

その昼間。勇作達は虎の少女の消息を掴むため御堂の近辺を捜索していた。

 

「しかし、ここまでついて来なくてもトントン殿は村で待っていれば、良いのに」

 

関羽は一緒に手掛かりを探すトントンに言った。

 

「相手が化け物ではないのなら、こんな事をする理由があるのかも、それだったら話を聞いて」

 

要するに説得を試みようと言い終わる前に、星が声を上げる。

 

「あった!」

 

星が近くの茂みから奥へと続いている足跡を発見した。

 

「これが奴の足跡だ」

 

「あちらの方へ続いてるようだな」

 

「行ってみるのだ!」

 

勇作達は足跡を辿って、奥へと進んだ。広い場所に出た勇作達は辺りを見回した。

 

「おい、アレ!」

 

関羽が指差す先には住家にするには最適な洞窟があり、その前では焚火の跡が残っていた。

 

「うむ。おそらく、アレが奴の住家だ」

 

もっと詳しく調べようと、先へ進もうとしたその時!!

 

「(・・・来る!?)」

 

「どうしまし・・・〈ガァキィン〉っ!?」

 

後ろの林の中から虎の少女が関羽に襲い掛かって来たのを勇作が防いだ。

 

「早く後ろに隠れるのだ!」

 

「は、はい!」

 

鈴々に言われて、トントンを後ろに下がった。

 

「気をつけろ、奴だ!」

 

気を引き締めて言う星に関羽と鈴々の手に力が入る。

 

「昨日、勝手に気絶した二人」

 

虎の少女が関羽と鈴々を見て言った。

 

「さ、昨夜は不覚を取ったが、今度はそうはいかぬぞ!///」

 

「鈴々の強さ、思い知らしてやるのだ!///」

 

さりげなく昨晩気絶したことを突っ込まれ、若干顔が赤い愛紗と鈴々。

 

「貴様、化け物で無ければ名があろう?」

 

星の問いに答えながら、被っていた虎の毛皮を脱いで、素顔を見せた。

 

「呂布、奉先」

 

「(なっ!?呂布だと!?)」

 

名前を聞いて、勇作は驚いた。呂布は、名前を言った後に攻撃を仕掛けて来た。

 

〈ガッキィン〉

 

「くっ」

 

呂布の攻撃を正面から受けた関羽は顔をしかめる。

 

「うりゃあぁ~!」

 

〈ガッキィン〉

 

「・・・・・・・・・」

 

そこへ鈴々が横から攻撃を仕掛けるが、あっさりと防がれてしまった。

 

「こんなの初めてなのだ」

 

「な、何だ!? コイツは!」

 

呂布の強さに驚く関羽と鈴々。

 

「だから言ったであろう。強さは化け物並みだと・・・・・・・・・はぁっ!」

 

「はぁっ!」

 

〈ガキィィン〉

 

「・・・・・・・・・・」

 

「うりゃあぁ~!」

 

〈ガキィィン〉

 

関羽と星の攻撃に続くように鈴々が上からの攻撃を呂布は画戟を振り回し弾き返した。

 

「お前達、弱い」

 

「俺を忘れているよ!」

 

「お前、昨日逃げた奴」

 

「戦略的撤退って言うんだよ」

と言い、呂布に向かって、覇気を放った

 

「っ!?」

呂布の目の色が変わった

 

「お前、強い」

 

「それは、どうも・・・」

と言うと、勇作は目を瞑った

 

「?」

呂布は勇作のやったことに『?』を浮かべた

 

「何で、目を瞑るの・・・」

 

「別に・・・来いよ」

 

「・・・・・行く」

と攻撃を放つが

 

「・・・(ヒラ)」

と簡単に躱した

 

「!?」

躱されたことに呂布は驚いていた

 

「避けられた・・・」

 

「・・・驚いた?」

 

「・・・コク」

 

「じゃあ、行くよ!」

 

〈ガキィィン〉

 

「・・・・・・・・・っ!」

 

勇作の一撃が呂布を初めて後ろに押した。

 

「・・・・・・・・ふっ!」

 

「はぁっ!」

 

〈ガキィィン〉

 

「・・・・・・・・っ!」

 

「はっ!」

 

〈ドゴォン〉

 

「・・・・・・・・・すごい」

 

「お兄ちゃん、強いのだ~」

 

「これほどまでとは・・・」

 

勇作と呂布の激しい攻防に関羽、鈴々、星は驚いていた。

 

「・・・・・・・・・・っ!」

 

〈ブゥン〉

 

「ふっ!」

 

〈ガキィィン〉

 

「ワンっ!」

 

「・・・・・・・・・っ!」

 

「なっ!」

 

勇作が避けた呂布の一撃は勇作の後ろにあった木を斬った。その斬った木は洞窟から出て来た呂布と同じスカーフを首に巻いた犬へ倒れて行く。

 

「危ないっ!!」

 

そこへ後ろに下がっていたトントンが駆け寄り犬を守るように抱きしめた。

 

「・・・・・・・・・・・っ!」

 

「くそ、間に合わない!」

 

〈ドゴォン〉

 

斬り倒された木がトントンと犬を下敷きにしたと思われたが、

 

「くっ」

 

「うぅ~」

 

間一髪、関羽と鈴々が食い止めていた。

 

「だめよ、くすぐったいわ♪」

 

トントンと彼女の顔を舐めている犬にも何処にも怪我は無かった。関羽と鈴々は木を退けて、勇作達の方へ歩いて来る。

 

「お前達、良い奴。良い奴とは戦えない」

 

呂布はそう言いながら、武器を降ろした。

 

「そうか。呂布」

 

「・・・・・・・・・・・?」

 

「訳を話してくれないか? 君が村人に貢ぎ物を差し出させていた訳を」

 

「・・・・・・・・・・・わかった」

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