TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
近くの小川。勇作達は岩に腰掛け、倒れていた女性も連れである少女と一緒に岩に座っている
「先程は、お恥ずかしい所をお見せしました」
「驚いておへそが飛び出しそうになったのだ」
「それを言うなら目が飛び出しそうになっただよ」
突っ込みを入れる勇作
「我が名は郭嘉、字は奉孝こちらは、共に旅をしている…」
「程昱と申します」
「(えっ!!郭嘉に程昱!この二人が!)」
程昱は、頭に乗せている人形の小さい手を動かす
『俺は宝慧。皆よろしくな』
「よろしくなのだ!」
「おぉ……」
「どうしたのです?宝慧」
「あ…いや、人形の俺に普通に挨拶を返して来たんで、ちょうとびっくりしてしまって」
「人形が喋るなんてスゴいのだ~」
「(やはり、さっきのはツッコミ待ち立ったのか……)」
「実は、私とこの風は、軍師として召し抱えて貰おうと、曹操様の所へ赴く途中だったのです」
「ほう、曹操殿の所に……」
「私と風は、孫子を始め、数多の兵書を読み、古今の軍略を学び、いずれは志ある人物に軍師として仕え、世の乱れを正したい!…と思っていたのですが、主を求める旅の最中に、曹操様の噂を聞いて治世の能臣、乱世の姦雄と言われるあの方こそ、真に今の世に必要な人物と思い定め」
「いや、なんか漢字が違うような」
「と、まあこの稟ちゃんは曹操さんの熱狂的な信奉者なのです」
「あ、いや、別に信奉者というわけでは……」
「でも好きなのとは違いないんでしょう?」
「まだお会いした事はないので、好きというか、憧れというか……」
「できることなら軍師として曹操さんのお側に仕え、その身を捧げたいと思っている」
「そ、その身を捧げるとは大胆な……で、でももし本当にそうなったら……」
「あの~郭嘉さん」
「い、いけません!私は軍師としてお仕えするのであって決してその様な事は……た、確かに見も心も捧げるとは申しましたがそれはそういう意味では、うふ、あ、あぁ~!そんな強引に、で、でもその乱暴な指使いが私を狂わせるぅあぁ~~!」
「相当過激な妄想をしているようですね……」
「止めなくていいんですか?放っておくとその内誰か偉い人に怒られそうな気がするんですけど……」
「これ、もう手遅れだろう」
「だ、駄目ぇそこは~~」
ブシャァァッ!と彼女の鼻から真っ赤な血液が吹き出てきた。その光景に一同驚く
「(こ…これがあの血だまりに答えか)」
鼻血を披露した郭嘉は鼻に紙を捩じ込んだ
「うほほ、またまたお恥ずかしい所を」
「いえ、お蔭で先ほどの血だまりの謎が解けました」
「それはさておき、それほどの熱意があれば、人材好きのあの曹操殿の事。貴方達の願い、きっと聞き入れて下さるだろう」
「そうだな」
「そう仰られる所を見ると、もしや曹操様をご存知なので?」
「ご存知処か、愛紗は曹操殿に股間のしっとり艶々をまさぐられた程の仲でな」
「おい星っ!」
「こ、こ、股間の…しっとり艶々…………」
郭嘉は、更に妄想を膨らませる
「ぶはぁぁぁぁぁぁ!!」
「あらあら、稟ちゃん、トントンしましょうね~トントントントン」
プシュッと少量しか出なかった
「なにしろこうして曹操さんのお知り合いと出会えたのも好都合。もし宜しければ、曹操さんにご紹介頂けると有難いのですが」
「まあ、どうせ通り道なので、それは構いませんが…どうであろう?劉備殿、ご主人様」
「そういう事でしたら、私は別に」
「俺も良いぞそれで」
『お〜それじゃよろしく頼む~』
「おお~~」
鈴々はパチパチと拍手した
「(郭嘉って若くして亡くなったことは知っているけど、まさかこれが原因じゃないだろうな!もしそうなら…泣けるぞ)」
「ところで?」
「ん?」
「先ほどこの方をご主人様と言っていましたが…いったいどちら様で」
「そうであったな…この方は我らの主である」
「高杉勇作です」
「高杉勇作」
「もしかして、貴方が噂の天の御使いなのですか?」
「まあ、そうです」
「おお!まさかこんな所で御使い殿に会えるとは」
「……」
「どうしました?風」
「御使いっていうから、どんな人物かと思ったら…普通の人だなって思っているでしょう。程昱殿」
「!!」
「風?」
「(何で、風が宝慧を使って言おうとしている事を)」
「はは…ごめん!宝慧の言葉を取ってしまって」
さらに驚く程昱であった
しばらくして勇作たちは、目的の町へと辿り着いた
「賑やかな町ですね〜」
「きっと曹操さんの政がうまくいっているんでしょう」
「(確かに……賑やかだけど………)」
「??どうしました?主」
「いや(悪い声も聞こえるな…)」
「俺はこのまま曹操の所に行くつもりだが、一緒に行くか?」
「そうですね」
「あ!は、腹が減っては戦はできぬと言うし、まずは腹ごしらえをしようと……!」
『ヘっ、腹ごしらえとか何とか言って、今になって腰が引けてんじゃねぇのか?』
「これ宝慧。そういった事は図星なだけに言わずに黙っておくのですよ〜」
顔が真っ赤に染まる郭嘉
「それでは、とりあえず我らは腹ごしらえするとしよう」
「……」
「お兄ちゃん?」
「俺も曹操の所に行くよ!」
「何でなのだ?」
「いや…あの時の御礼と約束を果たしに」
「そうですか」
「皆は先に食べてて」
「わかりました」
「では、また」
勇作と華陀は曹操のいる宮廷へと向かった
勇作と華陀が抜け、一行は近くの料理店へと向かった。その料理店は大変評判の良い店で、かなりの人気を誇っていた
「おっ、料理が来たぞ」
「うわ〜、美味しそ~~」
「いっただっきま~~すなのだ」
円形の台に並べられる豪華な中華料理を頬張る鈴々。他の一同も食を進める
「この麻婆豆腐美味しいですね」
「この肉も美味しいのだ」
「これは、羊の肉ですね」
「このメンマは中々」
『俺にも俺にも、一口』
「宝慧はその飴で我慢するのです」
鈴々はガツガツと目の前の料理を平らげていく
「おいおい、また腹が痛くなっても知らんぞ?」
「そしたらまた華陀のおじちゃんにチクッ!ピキューン!ハッ!てしてもらうから大丈夫なのだ」
「おじちゃんって」
「華陀さん、これを聞いたら落ち込みますね」
一方その頃、宮廷では
「へぇっくしょん!!」
「うおっ!!」
謁見の間へと連れられた華陀と勇作は、目の前で玉座に腰かけている曹操と対面している
「あ、すまん。とにかくそういう訳なんだ」
ズズッと啜り、鼻をかむ華陀
「驚いたわ。太平要術がそんな危険な書だったなんて……分かったわ華陀。太平要術を探すのはやめましょう」
「分かってくれて何よりだ」
「それより、久しぶりね」
「どうも」
「貴方の噂は聞いているわ。御使いさん」
「御使いさんってそんな大した身分じゃないよ」
「あら、春蘭に随分なことをしたのに」
「あはは、すまない。けどあの時の救援感謝します」
「ふふ。所で貴方は何でここに?」
「ああ、ちょっとした用でね、いずれ愛紗じゃなくて関羽もここにくるぞ」
「そう…それは楽しみだわ」
曹操は目を細めて、ニヤリと口角を歪める
「(また、しょうもないこと考えているな)」
「しかし、そもそも何故太平要術を手に入れようとしたのだ?」
「ああ、実は、最近体の調子が良くないの。色々な薬を試して見たのだけれど、どれも効き目がなくて、それで藁にもすがる気持ちで……」
「妖術を試してみる気になったのか」
「ええ…」
「だが、見たところ重い病を患っているとも思えぬが……」
「な、ないのよ。アレが………」
「えっ?何がないって?」
急に小声になりだした曹操に、もう一度聞き取ろうとする華陀
「だからアレがないのよ……」
「アレがない?……っ!
「(あー。なるほど!それは言いづらいな)」
勇作は覇気で原因を知る
「心配するな。それは病ではない。寧ろおめでたい事で」
「違うわよ!女以外は閨に入れない私が孕む訳ないでしょ!?アレっていうのはそっちじゃなくて…」
「ならなんだ?俺は医者だ。恥ずかしがらずに言ってみてくれ」
「だから、その、えと、お通知が……」
「あ~、便秘かぁ!」
「ちょっ!」
「大きな声で言わないで!!」
「しかし、糞詰まり位で大袈裟な」
「だから大声で言わないでって言ってるでしょ!?もう一ヶ月もアレがないせいで、食も進まないし、肌も荒れてくるし、何よりイライラして何事にも集中できなくて……!」
「成程。そうとう重症のようだな。思い切って腹を裂いて溜まっている物を絞り出せばスッキリするが?」
「馬鹿言わないで!腹を裂いたら死んじゃうじゃないの!!」
「それは大丈夫。俺の調合した秘薬、麻沸散を服用すれば、あっという間に眠りにおちて、その間は何をしようと痛みは感じない。治療してから縫い合わせれば、さして傷も残らないから、安心だ!」
「(麻酔薬みたいなものか)」
「ほ、本当に大丈夫なんでしょうね?」
「…………………………………………勿論、大丈夫だ」
「ちょっとぉ!!今の間は何よ!今の間は!?」
「腹を裂くのが不安なら、針を打つという手もあるが?」
「なんだ、まともな治療法があるんじゃないそれはどうやるの?」
「まずーーーを摩擦して血行を良くしてからーーーに針を刺しそれを振動させて適度な刺激を与えつつ更にーーーしてーーー続いてーーーをーーーしてーーーするとーーー」
だんだんと顔が赤くなる曹操
「いや…あの…華陀さん」
「だから、最後にこの黄金の鍼をーーーに深々と刺し、そこに氣を流し込めば」
「そんな事ぉぉぉ…………!!」
「うわぁ!逃げろ!華陀!!」
「出きるかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うわっ!」
「うううぅぅぅぅ……!!」
「お…落ち着いてください!」
宮廷の門の前に追い出された華陀。後ろを振り向くと、怒りのオーラ全開の曹操。得物である大鎌の刃の先を手に覇気を纏わせて真剣白刃取りのごとく止めている勇作が見えた
「ちょ、ちょっと待て!これはあくまでも治療であって、別に妙な下心があっての事では」
「アホか!あんなこと言ったら誰だって怒るわ!」
「そこをどきなさい!」
曹操は大鎌を華陀に振り下そうとするが
「だから落ち着いて!」
勇作が必死に止める
「華琳様っ!何事です!?」
そこへ、部下である夏候惇が数人の親衛兵を連れてやって来た
「春蘭!その男を捕らえて首を跳ねなさいっ!!」
「はっ!直ちにっ!」
命令する曹操。夏候惇は命を受け、華陀を標的に捉えた
「うわわわわ」
「待て!逃がすな!」
「うわわわわわぁぁぁぁぁっ!!」
華陀は慌てて宮廷前の階段を駆け下り、夏候惇率いる親衛隊から砂煙を出しながら逃げていった
「全く!何なのよあの薮医者…!」
「だから落ち着いて」
「………」
「………」
沈黙が支配する
「はあ、分かったわ」
そういうと曹操は力を抜く
「はあー」
勇作も手を離す。曹操は大鎌を下げる
「ああ、良かった」
「よくも邪魔してくれたわね」
「目の前で友達がピンチなんだよ!助けないと」
「ピンチ?」
「危機って意味だよ……それよりも」
「ん?」
「いまだに命を狙われていますね。曹操さん」
「どういう意味かしら」
「屋敷内に居ますよ。刺客」
「…………」
「…………」
「華琳様」
横から軍師である荀彧が声をかける
「なぁに?」
「関羽が目通りを願ってきましたが、どう致しましょう?」
「えっ?関羽が?」
表情がパアッと明るくなる。
「何でも、仕官を望んでいる者を紹介したいとか…」
「いいわ。それじゃあ、直ぐ謁見の間へ」
「はい」
「いえ、待って。良いことを思い付いたわ」
曹操は朱色に染まった頬をかきながら、ニヤニヤと歓喜の笑みを浮かべるのであった
「(またし変な事考えているな)じゃあ俺はこれで」
そう言って、その場を後にする勇作であった