TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
愛紗は仕官を願う郭嘉と程昱と一緒に曹操の所へと赴いたのだが、今いるその場は謁見の間ではなく、湯気がモクモクと立つ、かなりの広さを持つ温泉
「久しぶりね。関羽」
「そ、曹操殿。どうしてこんな所で会おうとなどと……」
曹操は既に湯船に浸かっており、愛紗と横に並んでいる郭嘉と程昱は衣服のない体を、タオル一枚で包んでいる。郭嘉に至っては風呂場でも眼鏡をかけており、レンズが完全に曇っている。宝慧は布で目を隠している
「その二人が、私に仕官したいと望んでいる者達ね?」
「お……お目通りをお許し頂き、か、感謝申し上げます!か、郭嘉と申します!」
「程昱と申します」
「関羽、こうして一糸を纏わぬ姿で会ってこそ、相手の身なりに左右されることなく、その人物の本質を見極められるというものよ」
「は、はぁ……」
「さあ、あなた達も湯に入りなさい」
「それでは……」
「お待ちなさい」
タオルを巻いたまま、湯船に浸かろうとすると、曹操に止められた
「湯の中には手拭いを入れぬのが風呂での礼儀と言うものよ」
「いや、だが……」
「礼儀を守れぬなら、話はここまでよ」
「うっ……」
それを言われると、言い返せない。愛紗は恥じらいながら仕方なく巻いているものを取る
「フフッ」
曹操は頬を緩ませる。そのまま湯に入り、郭嘉と程昱も続いて入る
「(こ、これが生曹操様、想像以上にお美しい……湯船で眼鏡が曇っているからいいものの、もし直に見ていたら……)」
ツウーッと鼻の穴から一筋の赤いものが垂れている
「(い、いかん、また鼻血が……)」
「さて…それじゃあ、まず程昱とやら」
「はい」
「貴女は今の世の中をどう見ていて?」
「嘗て天下を覆うまで葉を繁らせた大樹も、今は根本から腐り始めています。徒に高みを目指し、枯れ始めた木に登るより、いつか訪れる芽生えの時を待って、じっと寒い冬を耐える種の様に、ここは力を蓄えべきかと」
「そして、いずれは倒れる大樹に変わり、自らが新しい大樹となる、か……」
頭を下げる程昱
「ふーん。さて、もう一人の貴女は確か……」
「か、かかか郭嘉です!」
「これから私が進むべき道について、貴女の意見を聞かせて貰えるかしら……?」
美しい笑みに見惚れ、郭嘉は更に顔を紅潮させる
「わ、わわわ私が、かか考えまするは!!」
完全にパニックに陥っている郭嘉。若干呆れた表情を浮かべる曹操
「っ!」
曹操は上を向いた。それと同時に、何かが上から降ってきた。
「あっ!」
「っ!」
ドボンッ!と水飛沫が飛び、曹操は瞬時に避ける。偶々そこにいた郭嘉に覆い被さる様になった
「これは!?」
上から飛来した物体、黒装束を纏い、短刀を手にしている。曹操の命を狙う者が仕向けた刺客である
「(こ…この感触は)」
曹操に抱きつかれてる状況になり、郭嘉の心情は正に有頂天に到達した
「っ!」
「はぁっ!」
刺客が曹操に襲いかかろうとすると、横から愛紗が助太刀に入る
「ぶぁあああ~~~!!」
ブシャアアッ!と限界を越えた郭嘉の鼻から放たれた赤い鮮血が相手にかかり、視界を潰した
「う、くっ!」
「でぇいっ!」
目潰しを喰らい、狼狽える刺客に飛び掛かる愛紗。曹操は郭嘉の見ると、彼女は鼻血を出したまま気絶してしまった
事なきを得て、場所は謁見の間へと移された
「ふぅ、やれやれ。ひどい目にあったわ」
寝間着姿で玉座に座る曹操
「関羽、また貴女に助けられたわね」
「礼ならば私よりも、郭嘉殿に言われるが良かろう」
自分ではなく郭嘉殿にと、愛紗は曹操に言う
「しかし、曹操殿も相変わらず敵が多いようだな」
「しょうがないわ。間違った今の世で正しい事をすれば、それを快く思わない者から命を狙われるのは当然よ」
「ふふふ」
「さて程昱。貴女は私と共に語るに足る人物の様ね。これから私の軍師として働いて貰えるかしら?」
二人は顔を見合わせて、歓喜の表情を浮かべる。程昱は曹操と向き合い
「仰せのままに」
「郭嘉」
「は、はっ!」
「鼻血で刺客の目を眩ました技、見事だったわ」
「へぇっ!?あ、いや、あれは……」
「その技を生かし、親衛隊の一員として、これから私を守って頂戴ね」
「……は?親衛隊?軍師じゃなくて、その、親衛隊って……」
「期待しているわよ」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
こうして、程昱は軍師として、郭嘉は軍師……ではなく、親衛隊の一員として、曹操の元についたのであった
「ああ、それと関羽」
「何でしょうか」
「御使い…いえ、高杉に礼を言ってもらえないかしら」
「ご主人様にですか?」
「ええ…元々彼から屋敷内に刺客がいると警告を受けていたけど、まさか本当にいるとは思わなかったから」
「は、はあー」
「よろしくね」
「わかりました」
場所が変わって
「………無事に済んだようだな」
勇作が見聞色の覇気を使い、すべてを聞いていた
「…程昱は無事に軍師になったから良いけど、郭嘉さんは………まあ、ドンマイ」
苦笑いをする勇作であった
「さて…愛紗が来るまで待つか………………?」
曹操がいる屋敷のある場所
「何!!失敗したじゃと!」
「はい」
「くそ!使えない奴め……おい、分かっているな」
「はい…処分します…あの」
「何だ!」
「もうやめた方が」
「何だと!貴様!逆らう気か!」
「いえ、そうではありません!だたこれ以上は」
「ふざけるな!奴を殺るまでは諦めん!!」
「しかし」
「案ずるな!次の策は用意してある」
「策ですか」
「ああ、それで曹操を殺す」
「どうやって?」
「明日は例の日だ。そこで奴に…………」
「なるほど!さずが」
「分かっているな」
「承知しました」
「……曹操よ!明日が貴様の命日だ!!ふはははははははは!!!!」
「………………」