TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第七十六席 英雄、策を実行するの事

「おーい。終わったぞ」

 

勇作は皆の所に帰ってくる

 

「……」

 

が皆の反応がない

 

「…あの~」

 

「!!は、はい」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫です!それより皆さん……作戦実行します!!」

 

 

 

 

 

 

 

村の門の前で、愛紗達五人の武将達に作戦を伝える朱里

 

「皆さんには、今から賊の住処を襲撃してもらいます」

 

「うむ」

 

「お任せなのだ」

 

「目的はあくまで敵をおびきだす事ですから、くれぐれも深入りしないで下さいね」

 

「お兄ちゃんは一緒に来ないのか」

 

「俺が蹴散らした賊がいつ目を覚ますか分からないし…此処で護衛するよ」

 

「李典さんは水門の側。劉備さんは、私からの合図を李典さんに伝える為、湖と村の間の囃子で待機してもらっています。水が来たら、私が銅鑼を鳴らします。そうしたらすぐ川の側から離れて下さい」

 

皆一同、首を縦に振る。その中で于禁はどこか不安の色を見せていて、楽進は隣で、彼女の事を心配そうに見ていた

 

「それでは皆さん……御武運を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武将達の奇襲作戦が始まった

 

「うりゃ~~!てりゃあっ!!」

 

「ぐあっ!」

 

鈴々は得物である蛇矛を振り回し、賊を吹き飛ばしていく。星も応戦し、敵を切り裂く。二人は背を預け合う

 

「鈴々、あまり深追いするな。我等の使命は、賊をおびき寄せる事だぞ」

 

「分かってるのだ!」

 

鈴々はそのまま賊の本拠地に向かっていった

 

「うりゃりゃりゃ~~~!!」

 

「って、分かってないだろ……」

 

後ろで星は呆れた様子を見せた

 

 

 

違う場所では、于禁が賊の一人と戦っていた。しかし、防戦一方で、尻餅をついてしまう。賊が槍で止めを刺そうとするも、後ろから楽進に槍の先端を掴まれた。槍を退け、賊に蹴りを食らわせた楽進

 

「沙和、大丈夫か?」

 

「も、もちろんなの!」

 

楽進が手を貸そうとすると、于禁は自分で立ち上がった

 

 

 

「でぇやぁぁぁぁぁっ!!」

 

愛紗は偃月刀で敵を蹴散らしていく。そして楽進の方を向いた

 

「楽進殿!」

 

「承知っ!」

 

「沙和!!」

 

「はいなの!!」

 

掛け声を合図に、五人全員は村へと戻っていく

 

「ほら鈴々、お主も」

 

「うぅ~!離すのだ~!鈴々はまだやれるのだ~~!!」

 

星は、二人がかりで駄々をこねる鈴々を連れていった

 

 

 

 

 

五人が走り去っていくのを、少し高い崖から見下ろす賊の頭

 

「アニキッ!どうやら奴等、引き始めた様ですぜ!」

 

「ふんっ!不意をついたつもりだろうが、所詮は多勢に無勢。ようしっ!奴等を追ってそのまま村に攻め込むぞ!これで宿無し生活とはおさらばだぁっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

作戦通り、賊は全員、村へと進撃を開始した

 

「あっ、アニキ!あれ」

 

「ああっ?」

 

チビが指差した方向には、村の前にあった橋が落とされていた

 

「小癪な真似を……。構うこたぁねぇ。どうせ浅い川だ。そのまま一気に押し渡れ!!」

 

橋を落としただけではものともせず、賊の大群は村に攻め寄せてきた

 

「へへっ、一番乗り……ぶぎゃぁっ!?」

 

登ってきた賊達を、勇作達は武器を使って叩き落としていく。賊の数は水のない川を埋め尽くす

 

「……そろそろ、いい頃合いですね」

 

高台から様子を窺っていた朱里は、手に持っている松明を掲げ、劉備に合図を送る

 

「合図だ」

 

気づいた劉備は、同じく松明で李典に合図をする

 

 

「行け~行け!!行け」

 

 

だが水は来ず、賊はどんどん押し寄せてくる

 

「愛紗、水はまだか?そう長くは持たんぞ……」

 

「分かっている……!」

 

愛紗は龍神湖の方角を見上げる

 

「また合図……?まだ水が来てない!?」

 

囃子にいる劉備は、そう察した

 

「ひょっとして、李典さんに何かあったんじゃあ……」

 

劉備は腰にある宝剣に手を添える

 

 

「(くそ!!賊の数が多すぎて声が聞こえない!何で来ないんだよ)」

 

勇作も水が来ないことに疑問に思った

 

「(こうなったら行くしか……!!)」

 

勇作は龍神湖に向かおうとした時、勇作が倒した賊たちが別の場所の柵を壊そうとし、侵入しようとしていた

 

「くそ!!」

 

それに気づき、勇作はそこに向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉備は龍神湖へと向かう。坂道を登って行き、湖に辿り着いた

 

 

「李典さんっ!どうしたんですか!?早く水門をあけ…っあ!!」

 

急に足を止めた。目の前には龍の卵と呼ばれている大岩が倒れ、水が通れないように塞がれていた

 

「これは」

 

「水門を開けたらあの岩が倒れてきて、きっと雨で地盤が緩んどったんや。どうにかして動かすそう思うやったんだけど、押しても引いてもビクともしおらん」

 

膝から崩れ落ち、右手で地面を殴る

 

「くそ!!こなんやことになるんやったら、水門作るついでにあの岩退けとくんやった」

 

悔しさを滲ませる李典

 

 

ゴロゴロ

 

轟く雷鳴。そしてあるものが劉備の目に写った

 

「……」

 

そして、水門を防いでいる大岩の上に立ち、宝剣を抜いた

 

「でい!!」

 

劉備は両手で持った宝剣を振り上げ、大岩に突き刺した

 

「ん?…アホ!!そないやもんで突いたぐらいで、岩が割れるわけ…ん?」

 

遠くで鳴っていた雷が、こちらへどんどん近づいてくる

 

「!!危ない!!」

 

李典は劉備に抱き着き、その場を離れる……と同時に

 

 

ビカ!

 

宝剣が刺さった所に、雷が落ちた

 

「どあほ!!もうちょっとで黒こげになるとこ」

 

すると岩に亀裂が走る

 

「あかん。はよ逃げな!!」

 

二人はその場から逃げると大岩は崩れ、湖の水が放出された

 

「あんた、まさかこれを狙ろうて」

 

「よかった。うまく…い…って」

 

「あ!ちょ…おい!!」

 

安心した様に、劉備は気を失ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

「(…来た!!)」

 

龍神湖から放出された大洪水は、干からびていた溝を激流の如く進み、村の前へと直行していく。高台の上から見えた朱里は、銅鑼を手に取り、合図として鳴らす。銅鑼のデカイ音を聞き取り、愛紗達は村の門の方へと退却する

 

「沙和!!」

 

「はいなの!!」

 

楽進達もその場を後にしようとした時

 

ガシ

 

「…あっ!」

 

于禁の片足を賊の一人が掴む

 

「えへへ」

 

「離せ!!」

 

勇作が賊を蹴ると、手が離れる……が

 

「うわ!!」

 

足場が崩れ、勇作は賊と一緒に川に落ちた

 

「……くっ!」

 

「えへへへ」

 

勇作の周りを賊が囲む

 

「くそ!」

 

立ち上がろうとするが

 

ズキ

 

「ぐっ!」

 

右足首に激痛が走る。落ちた時、変に捻って捻挫したのである

 

「(こんな時に)」

 

「あっ!?アニキィ!!」

 

「あぁっ?なっ!?」

 

ようやく気づき、賊達は急いで登る。が勇作は動けない

 

「ご主人様!!」

 

「おにいちゃん!!」

 

「主!!」

 

「た、助けに行かないと」

 

「無理だ!!呑みこまれる」

 

水が迫ってくる

 

「………こうなったら」

 

勇作は何とか立ち上がり、構える

 

「……」

 

ふうと息を吐き、刀を抜き覇気を込める。刀は黒く変色する。そして勇作の体は青く光りだした

 

「……」

 

水が勇作を呑みこみそうなる

 

「ご主人様!!」

 

「主!!」

 

水が勇作が呑みこむ…………が、次の瞬間

 

「TESTAMENT!」

 

ズゴオオオオオオン!!!!!!

 

 

強烈な音と共に水が左右に分かれる。いや別れたのではない

 

「……」

 

そう、勇作は切ったのだ。見事に真っ二つに

 

「えええええええ!!!」

 

「ええええええ!!!!」

 

「えええええええ!!!」

 

その場にいた誰もが目を飛び出して驚いた

 

「よし!」

 

勇作はその間に痛みを堪えながら走る。そして地面に落ちていたロープを掴む。このロープは橋の手すりのロープでまだ村側の杭に繋がっていたのだ

 

「って驚いている場合じゃなかった!!」

 

我に返った賊たちであったが勇作共々水に飲みこまれ、流された。だが勇作はロープを掴んでいたおかげで流されずに済み、愛紗達によって引き上げられた

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、雲の隙間から日の光が差し込む

 

「一晩で水は引いたようですね」

 

「ああ」

 

村側の橋の前で星と朱里が立っていた

 

「賊もほぼ一掃できたことですし、これでめでたしめでたしっとなればよかったのですが」

 

「劉備殿がな」

 

「ええ」

 

二人は龍神湖がある方角に視線を向ける

 

 

 

「……」

 

龍神湖では、水門が築かれていた跡地で、劉備が宝剣を袖が泥だらけになりながらも、手を休めずに探していた。愛紗と鈴々もいる

 

「劉備殿、ここは一旦、村に戻ってはどうだ?村の人達も手伝うと言ってくれているし、宝剣を探すのは少し休んでから、また改めて……」

 

「もういいんです……雷が落ちた時、宝剣は真っ黒焦げになってて、もし見つかったとしても、あれじゃあもう……」

 

「……劉備殿。やっと取り戻した宝剣を失ってしまった事は、さぞ辛い事だろう。だが、民の為に尽くしたい、こんな世の中を変えたいというあなたの想いは、宝剣が無くなればそれと一緒に失われてしまう様な物だったのか?」

 

「っ!!」

 

「李典殿から聞いた。危険を顧みず、大切な宝剣を犠牲にしてまで村を救おうとしたあなたの行い、御先祖もきっと称賛されるであろう。結果として宝剣は失われてしまったが、そうする事であなたはもっと大事なものを受け継いだんだと私は思う」

 

「関羽さん」

 

「この村に来て初めての夜、私はあなたに言った筈だ。これから私達は、世の中を変える為の仲間だと……だからもし、私で力になれる事があったら、なんでも言ってくれ」

 

「……あの、それじゃあ、早速一つお願いしてもいいですか?」

 

「ああ、もちろん」

 

「関羽さん……私を関羽さんの妹にしてくださいっ!!」

 

「は、はぁっ!?」

 

「関羽さんのさっきの言葉で私、目が覚めました!世の中を変える為、これから一生関羽さんについていきます!だから妹にしてください!」

 

「そんな事駄目に決まってるのだ!」

 

「愛紗の妹は鈴々だけなのだ!」

 

「そ、そうだ劉備殿。私には既に、手のかかる妹がいるので、これ以上はもう……」

 

「えぇっ、駄目なんですか〜……?」

 

「でもまあお姉ちゃんになるんだったら、許してやらなくもないのだ」

 

「えっ!」

 

「ほ、ホントですか!?」

 

「り、鈴々!何を勝手に」

 

「わかりました。なら私、関羽さんのお姉ちゃんになります」

 

「あ、いや、ちょっ、ちょっと……!?」

 

「めでたしめでたしなのだ」

 

「って、ちっがぁぁぁぁう!!!」

こうして新たに、劉備が愛紗の姉として、姉妹の契りを交わしたのであった

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