TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第七十八席 勇作、鳳統に出会うのこと

「たのも~なのだ」

 

屋敷の門まで行き、ノックをする鈴々。解錠音と共に、門が開かれた

 

「はわ?」

 

出迎えたのは、一人の少女だった

 

 

「あわわ……」

 

その少女は勇作達を見るなり、屋敷へと走っていき、水鏡のいる家へと入っていった

 

「えっ?武器を持った人達が大勢押し掛けてきた?」

 

少女はコクコクと首を縦に振る。水鏡は部屋を出て、玄関に向かう

 

「まあ!」

 

そして、警戒を解いた

 

「……先生……ん?」

 

少女は物陰からその様子を見る

 

「先生!水鏡先生!!」

 

「朱里……朱里なのね」

 

朱里は水鏡に抱きついた。水鏡も愛弟子と久し振りに会えて歓喜の声を出す

 

「あわ?」

 

その光景に呆気にとられる少女

 

「先生、お久しぶりです!」

 

「ええ、本当に……。でも、来るなら来るで手紙で知らせてくれればいいのに」

 

「すいません。旅の途中で近くを通りかかったら、急に先生に会いたくなって!」

 

「そう……。朱里、大きくなって」

朱里の頭を優しく撫でる

 

「先生」

 

「朱里」

 

微笑ましく眺めている一同

 

「こほんっ、水鏡殿。お久し振りです」

 

気まずそうに愛紗が声をかける。気がついた水鏡は恥ずかしそうに返事をした

 

「ああ、失礼致しました。関羽さん、高杉さん。張飛ちゃんも」

 

「お久し振りなのだ!」

 

「どうも」

 

「初めまして。私は劉備と言います」

 

「我が庵いおりへようこそ。皆さんには朱里がすっかり御世話になってしまって」

 

「いや、世話というほどとは…寧ろ、此方こちらがなにかと助けてもらっているぐらいで」

 

「っ?先生、あの子は?」

 

「ああ、紹介がまだだったわね」

 

朱里が気がついた様で、水鏡に少女の事を尋ねる

 

「あの子は鳳統。あなたと同じ様に、身寄りをなくし、私の所に預けられているの。まあ、あなたの妹弟子と言った所かしら」

 

「(な、なに!!あの子が鳳統だと!!鳳雛と言われた!!)」

 

名前を聞いて驚く勇作

 

「妹…弟子……」

 

表情が明るくなり、朱里は鳳統に近づいて話しかける

 

「よろしくね、鳳統ちゃん」

 

「あわわ……」

 

朱里に話し掛けられるも、魔女帽を目深に被る鳳統

 

「あの子、人見知りが激しくて……」

 

「ヒトミシリって何なのだ?」

 

「遠慮と一緒に、お前が母親の中に忘れてきたものだ」

 

愛紗の答えに、劉備と水鏡は微笑する。鈴々は頭の上に?マークを浮かばせていた

 

「さあ、大したおもてなしは出来ませんが、ゆっくりしていってくださいね……所で」

 

「ん?」

 

「どうして、高杉さんは、張飛ちゃんにおぶられて」

 

「いや、その……実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、ご主人様は…」

 

「もうそのくらいにして」

 

部屋に案内された勇作達はこれまでの事情を話した。勇作を寝床の上に寝かせて、朱里の説教を受けていた。水鏡は足の怪我を診察しながら、朱里を宥めていた

 

「すいません」

 

「もう」

 

「こうしていると、皆さんと初めて会った時のことを思い出しますね」

 

「そうなのだ。あの時は愛紗が怪我をして」

 

「そ、そうだな」

 

そんなコトを話していると

 

「先生」

 

鳳統がやってきた

 

「ありがとう、雛里」

 

「はい」

 

「さあ、これで良いですよ」

 

「ありがとうございます」

 

「そんなに悪くなかったので2日ほどで良くなりますよ」

 

「はい」

 

「………」

 

「君もありがとね」

 

「……」

 

「雛里?」

 

鳳統に反応がなく、勇作を見ていた

 

「……」

 

「(それにしても)」

 

ピタ

 

「ひう!」

 

勇作は右手で鳳統の右ほっぺを触り、顔を近づける

 

「(俺の知っている鳳統は醜男だと言われていたけど、ぜんぜんそんなことないほど、かわいい女の子なんだよね)」

 

「あわわ」

 

「(董卓ほどじゃないけど、驚いたな…………………あ)」

 

勇作は今の状況を思い出し、咄嗟に手を離す

 

「ご、ごめん」

 

「あわわ」

 

顔真っ赤にして、部屋を出て行った

 

「(やばいことした)」

 

「「ご・主・人・様!!」」

 

「ひっ!」

 

視線を向けると愛紗と朱里が笑っていた。しかし尋常じゃない雰囲気を醸し出していた

 

「貴方はいったい何をしてるのですか」

 

「…ソウデスネ。ホントゴシュジンサマハ」

 

「いや、二人とも」

 

「正座」

 

「いや、俺今怪我を」

 

「セイザ」

 

「…ハイ」

 

勇作は二人から説教されるのであった。他の人は巻き込まれないように速攻で部屋を脱出したのだった

 

 

 

そしてその鳳統はというと

 

「あわわ、男の人に触られちゃった。いやなはずなのに、全然そんなこと思わないし。それにあんなカッコいい人初めて見ちゃった、目があった瞬間に変な感情が…あわわ」

 

顔を真っ赤にしながらこんなこと言っているのであった。勇作に一目ぼれしてしまった鳳統なのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方

 

「張り切っているわね。朱里」

 

「ここでお料理するのが懐かしくて」

 

エプロンを着けた朱里。横では給仕姿の水鏡と、同じくエプロン姿の鳳統が夕食の支度をしていた

 

「そういえば、あなたがここにいた時は、よく二人でお台所に立ったものね」

 

「先生には、たくさんお料理を教えてもらって」

 

「朱里がこんなにお料理が出来るようになるとは、正直思ってもいなかったわ」

 

「えっ!そうなんですか?」

 

「だって、最初のころは、かまどに火を点けるのも怖がって」

 

「いやだ。それは本当に小っちゃい頃の事じゃないですか…もう…」

 

楽しく談笑している水鏡と朱里

 

「…………」

 

その光景に鳳統の表情を暗くした

 

「それじゃあ、みんなでお夕飯を作りましょう」

 

「はい♪」

 

「あ、はい……」

 

夕食の準備に取りかかる三人。鳳統は包丁で人参の皮を剥くのに手間取っていた

 

「あっ、駄目だよ鳳統ちゃん。包丁の持ち方、それじゃあ危ないよ」

 

「あっ……」

 

「これは、私がやるから」

 

鳳統は、野菜を洗う事にした

 

「朱里、ちょっと味を見てちょうだい」

 

「はい」

 

「む~」

 

「どうかしら?」

 

「そうですね。もう少しお塩を足した方がいいですね」

 

「そう、じゃあお塩を取って頂戴」

 

「はい」

 

「……」

 

鳳統はその様子を横目で寂しく見ていた

 

 

「本当、美味しい」

 

支度を終え、勇作達は夕食を楽しんでいた

 

「朱里のちゃんとした料理を食べるのは久しぶりだけど、また料理の腕が上がったみたいなのだ」

 

「ふふ」

 

「鈴々の方はどうなんだ?おむすびとおにぎり以外も作れるようになったのか?」

 

「卵かけご飯とお茶漬けも作れるようになったから、料理の腕前急上昇なのだ」

 

「まあ」

 

「(だから、料理じゃないからね)」

 

「…ん?」

 

朱里が鳳統を見ると、鳳統は目を反らす

 

「けど、そうやってると、孔明ちゃんと水鏡先生さんって、なんか本当の親子みたいですね」

 

劉備の言葉に二人は視線を合わせた後、笑った

 

「……」

 

しかし鳳統はむっとして表情になっていた

 

 

「………」

 

勇作はその様子をじっと見るのであった




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活動報告の方に、それについて書かれています

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