TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第八十一席 張三姉妹、決断するのこと

三人はこの街の役所にいた。しかし、役所内は非常に荒れており、強盗が押し掛けた後の様な惨事であった

 

「あぁ~んもう!なんでこんなことになっちゃったのよ~!」

張角は仕事台である机の上に上半身を預け、思いの丈をこぼす。傍らには妹である張宝と張梁の二人

 

「なんでって、それは……」

 

「ちょっ、あたしのせいだって言うの!?」

 

「だってそうじゃない。ちい姉さんが役人をやっつけろなんて言うからこんな事に……」

 

「私だって、まさか、ああ言ったら皆が役所にまでなだれ込んで、この街の役人全部追い払っちゃうなんて思ってなかったわよ……」

 

「だから、お願いする時はもっとちゃんと言わなきゃ駄目だったのよ!ちい姉さんそういう所ホント大雑把なんだから」

 

「な、何でも私のせいにしないでよ!皆が役人をやっつけた時、二人だって「いいぞやっちゃえ~」とか言ってたじゃない!」

 

「二人共、喧嘩してる場合じゃないよ!私達もうお尋ね者なんだよ?捕まったらきっと、牢屋に入れられちゃうよ……」

 

「牢屋で済めばいいけど……」

 

「えっ?それってどういう」

 

「つまり」

張宝が右手で自分の首を切る様にスライドさせる

 

「ど、どどどどうしたらいいの!?お姉ちゃんヤダよ!この歳でお星さまになっちゃうなんて~!」

 

張梁の肩を揺さぶる張角。若干苛立ちを出しながら、張梁は姉を押し退ける

 

「一番簡単なのは、このまま私達だけ逃げちゃう事だけど……」

 

「それいい」

 

「よくな~~い!」

 

「でも、三人ならうまくすればほとぼりが冷めるまでどこかに隠れていられるかも」

 

「駄目よそんなの!みんな私達のせいで、こうなっちゃったんだよ?見捨てるなんてできないよ!」

 

「けど……じゃあどうすれば」

 

「どうすればって、お姉ちゃんに聞かないでよ~!お姉ちゃん、自分で考えてうまくいった事が生まれてこのかた一度もないんだから……」

 

「ああもう!分かったわよ!何とかすればいいんでしょ!何とかすれば!」

 

「で…どうするつもり?」

 

「こうなったら、もう徹底的にやってやるのよ!これから毎日舞台をやって、どんどん仲間を増やすの!一万、二万、ううん、もっとよ!人数が十万、二十万になったら、きっと官軍だってビビって手出し出来なくなるわ!」

 

「ちいちゃん、なに言って」

 

「それ悪くないかも……」

 

「えっ?」

 

「西方の漢中という所には五斗米道という教団があって、そこの信者は数万を越えていて、領主も手出しが出来ないって聞いたことがあるわ。私達も人数を増やして、どこか落ち着ける所を見つけられれば……もしかして……!」

 

「…っ……」

 

「やろう!」

 

「天和姉さん!」

 

張角に差し出された二つの手。見上げれば妹達の顔がこちらを見つめている

 

「ぅ……うん……」

 

半ば流される様に、同意するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い闇の空間。その部屋に用意されている椅子に腰かけている一人の男。大きめの円形の机に置いてある水晶。男は、そこから映し出された三姉妹の様子を観察していた

 

「ふむ、あの三人……。追い詰められて、漸くその気になった様ですね。やっと太平要術の効果が出てきましたか……」

 

水晶を眺めながら冷徹な笑みをこぼした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、ここは桃花村。この村にある庄屋の屋敷にて

 

「はい、どうも~、西涼の馬騰が一子、馬超の従妹の馬岱です……今日も今日とて皆さんお待ちかねの寝起き拝見の時間がやって参りました」

 

「わぁ~」

パチパチと小さく拍手する璃々ちゃん

 

「しぃ~!」

 

馬岱が静かにするよう促すと、早速部屋に入っていく手にはマイク代わりのレンゲをもっていた

「抜き足、差し足、忍び足、抜き足、差し足、忍び足、抜き足、差し足、忍び足」

 

二人は部屋の主で翠が寝ている寝台に近づいてきた

 

「よく寝てますね~」

 

「う~ん……もう食べられないよ~……」

 

「うわぁベタです……ベタ過ぎて突っ込む気が起きない寝言です」

 

翠の寝言に少し引いている二人

 

「まあ、それはさておき、相変わらず寝相が悪いですねぇ。西涼にいた頃から全く成長していません。一方こちらは、日々成長しているようですが……」

 

馬岱は翠の胸の部分をずらし、彼女の豊満な胸を観察する

 

「璃々ちゃんのお母さん程ではないですが、結構なバインバインです……!いやぁ、寝る子は育つと言いますが、ちょっと育ち過ぎじゃないでしょうか?」

 

馬岱は自分の胸を触る

 

「こういうおっぱい格差が多くの悲劇を生んでいる事に早く気づいてほしいものです」

 

「うん」

 

「さぁ気を取り直して、お次は恒例のお漏らし確認ですが、緊張の一瞬です……」

 

「ワクワク……」

 

毛布を外すと、璃々と一緒にクンクンと匂いを嗅ぐ

 

「どうやら、今朝は漏らしていないようです……」

 

二人は安堵の息を洩らした

 

「昨晩、風呂上がりに水菓子を一杯食べていたので、どうなる事かと思いましたが、おやぁ?璃々ちゃん、それどうしたんですか?」

 

璃々が小筆を握っているのに気づく

 

「えへっ」

 

「困りましたねぇ……こんなものが用意してあると、その気はなくとも……何か描きたくなっちゃうじゃないですか」

 

頭に指を指し、トンチのように考える

 

「う~~ん、何て、書こ………やっぱこれかな?」

 

思い付いた途端、馬岱は筆を走らせる

 

「何て読むの……?」

 

「後で教えてあげる」

 

二人はこそこそと部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた翠は、部屋から出ると、下の階に降りていく

 

「あら、翠ちゃんおは」

 

廊下を渡る途中で、黄忠こと紫苑と出会う。紫苑は言葉をとぎらせ、口元を手で押さえて、笑いを堪えている

 

「す、翠ちゃん……朝御飯の用意できてるから、顔……ぷっ、早く洗ってらっしゃい……くすっ」

 

紫苑はそう言うと、笑いで肩を震わせながら去って行った。翠は訳が分からないまま、厠へと向かった。

 

「ふぅ~スッキリした」

 

翠は洗面台に顔を覗かせる

 

「うっ!!」

 

翠は驚き、もう一度洗面台に顔を覗かせる

 

「……脳…筋……?」

 

翠の左右の頬にそれぞれ一文字ずつ書かれていたであった

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