TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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中編です

では、どうぞ


第八十六席 群雄、黄巾の乱を鎮めんとするのこと(中篇)

歌合戦は始まった頃、曹操は軍師達と天幕にて待機していた

 

「物見に出した典韋は?まだ戻って来ないの?」

 

「はい。少し落ち着かれては?華琳様らしくありません」

 

「……そうね」

 

荀彧から茶を渡され、それを飲んで心を落ち着かせる曹操

 

「雲が出てきたのです……」

 

朱里と程昱は外に出ていた。

 

「はい。皆さん、どうかご無事で……」

 

暗雲立ち込める大空に、祈りを捧げる朱里

 

 

 

 

 

少し離れた場所、そこに夏侯淵と曹操軍と義勇軍の兵がいた

 

「(数万の黄巾党に囲まれればいくら関羽殿達でも)姉者!狼煙は?」

 

崖の上に居る夏候惇に聞く

 

「上がってはおらぬ動きは無いようだ」

 

視線を黄巾党がいる所に向ける

 

「(出撃となれば大戦は免れぬ)」

 

 

 

そして歌合戦が行われている場所から少し離れた茂みの中に典韋がいた

 

「うふ…皆、楽しそう。これなら戦にならなくて済むかも」

 

火打ち石を持ちながら、楽しそうに体でリズムを取りながら会場を見ていた

 

 

 

 

 

そして歌合戦が行われている場所では

 

「「「♪♪♪」」」

 

互角の勝負が繰り広げられていた

 

「「「♪♪♪」」」

 

「「「♪♪♪」」」

 

「(これ、俺がいた時代でも戻ったみたいな感覚だな)」

 

「「「♪♪♪」」」

 

「「「♪♪♪」」」

 

「さいっこ~~~~!!」

 

「てんほ~~」

 

「ちいちゃ~~ん」

 

「れんた~~ん」

 

会場の最高潮にまで達していた

 

「押されてますね……」

 

「えぇい!こうなったら妾の十八番おはこで勝負じゃ!」

 

次の曲が流れてくる………が

 

「!!あら」

 

「げっ!!」

 

「しけん!しけん!」

 

伴奏が途切れてしまった

 

「しまった……時間切れだ……!」

 

舞台場となっている大型車の中で、華佗は悔しく顔を歪める

 

「「えっ!?」」

 

「何!!」

 

「なんとかするのじゃ!張勲!」

 

「そんなこと言われましても」

 

「どうやら妖力が切れたみたいね。どこの妖術使いに頼んだのか知らないけど、よくもった方かしら…でも、こっちは、大平要術がある限りいくらでも妖力が湧いてくるんだかね」

 

張宝は余裕の笑みを浮かべて

 

「今が好機!」

 

「えっ?」

 

驚く二人を他所に、張宝はマイクに妖力を流し込んで、大きく叫んだ

 

「皆!あいつらをやっつけてっ!!」

 

妖術で兵士達に術が掛かろうとする

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「JET-X!!」

 

Xの文字の斬撃が放たれ

 

 

 

 

 

 

 

バチーーーン

 

 

 

 

 

 

 

両者の間で激突し、周りに音と共に衝撃が飛ぶ、そして消えた

 

 

「「「うわ!!」」

 

「「「きゃ!」」」

 

その衝撃でその場にいた者は、体をのけ反ったり、倒れたりしていた

 

 

「いったい、何が?」

 

「私の…術が!」

 

張宝は驚愕をしていた

 

「いったい何が?」

 

「何が起こったのじゃ?」

 

袁術たちも今の状況に困惑していた

 

「ま、まさか」

 

華佗はこの状況をいち早く理解する

 

「そんなことない!もう一度!!」

 

張宝はマイクに再度、術を掛ける

 

「皆!あいつらをやっつけてっ!!」

 

術を発動し、妖力が会場全体に広がる………が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「JET-X!!」

 

再び斬撃が放たれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチーーーン!!

 

 

 

 

 

 

 

両者の間で激突する

 

 

 

「(!!あ!やべ!!)」

 

勇作は叫ぶ

 

「張三姉妹!!その場に伏せろ!!」

 

「え?」

 

そして次の瞬間

 

 

 

バチーーン!!

 

 

 

音と共にX状の斬撃が張三姉妹に迫る

 

 

「「「嘘!!」」」

 

3人はその場に屈みこむ

 

 

 

バーーーン!!

 

 

 

3人の上を通り、後ろにあった舞台の壁にぶつかる。そしてX状に壁に穴が開いた…いや切られた

 

 

「な、何これ!」

 

「嘘!」

 

「また私の術が」

 

張三姉妹は驚愕する

 

「間違いない!!勇作が術を破っている!」

 

華佗は叫ぶ

 

「勇作!お前も!妖術使いなのか!」

 

「??違うよ」

 

「何だと!」

 

「何でよ!なんで私の、大平要術の妖力が!!」

 

「(やっぱり思った通りだ!なんでかわかんないけど武装色の覇気を纏えば、攻撃できる!!)」

 

勇作は今まで覇気を纏って攻撃していたのだ

 

「(今のうちに)」

 

勇作は指示する

 

「今のうちに撤退しろ!!俺が殿を務める!!」

 

「!!ご、ご主人様!!」

 

「急げ!」

 

勇作に指示され、楽進たちは舞台の中に入る

 

「劉備はん…早う!」

 

「………」

 

劉備は意を決した表情を浮かべる。大型車には戻らず、崖の縁まで近づき、勇作の隣にきた

 

「な、何して」

 

「ごめんなさい!私は戻りません!」

 

「えっ!!」

 

「私は誰も血を流さずにこれを終わらせたいんです!このままじゃ戦が起きて血が流れてしまう」

 

「こんな時に何を」

 

「甘いかもしれません!けど誰も血を流さずに終わらせる方法があるなら私はそれに賭けたいんです!!」

 

「賭けるって今の状況じゃ!」

 

「高杉さん!!いえ!ご主人様!!」

 

「!!」

 

「お願いします!!」

 

「…劉備」

 

勇作は劉備の表情を見る。それを見て何を言っても無駄だと感じた

 

「皆!あいつらをやっつけてっ!!」

 

「っ!!しまっ!」

 

黄巾党の人達に術がかけられた

 

「あいつら!」

 

「やっつける!」

 

目には狂気が宿り、劉備達の方向へと向かっていく

 

「あいつら!」

 

「たおす!」

 

「!!」

 

視線を向ける勇作

 

「ご主人様!!」

 

「「あいつら!」」

 

「ころす!!」

 

「……」

 

「……わかった!俺が全力で守る!責任も取る!劉備!やってくれ!」

 

「ありがとうございます!!」

 

劉備は黄巾党の人達がいる方を向き、胸の前で両手を組み、瞳を閉じる

 

「明けない夜はな~い♪君が教えてくれ~た♪」

 

「うん?」

 

「「っ!!」」

 

劉備は歌った。彼女の行動に、目を大きく開く愛紗と鈴々。そして顔を見合わせ、微笑むと、劉備の近くに寄り、二人も歌い始めた。それから楽進や李典、于禁は勿論、袁術・張勲・郭嘉の三人も、その大合唱に加わった

 

「すごく楽しそうだな」

 

アカペラだが、七人はとても楽しそうに歌い、笑顔を浮かべ、その歌声は大空に響き渡った

 

「ふん!無駄よ無駄!悪あがきは…っ!!」

 

次の瞬間、張宝は目を疑った。黄巾党の全員の表情にも笑顔が灯され、青色の飴を上に掲げていた。雲は晴れ、青空が澄み渡る

 

「そ、そんな……どうして……何であんな歌に……!?」

 

張宝は動揺を隠せずにいた

 

「(そう……こんな歌……。みんなが楽しく幸せになれる……こんな歌……)」

 

張角は思い出す。三人が幼い頃の思い出。空を見上げ、閉じている瞳から流れ出た一滴の雫が、頬を濡らす

 

「こんな歌…………」

 

張宝のその瞳には、光が灯っておらず、太平要術の邪気も広がる

 

「私達の歌でかき消してやるっ!!」

 

「もう……やめよ?」

 

「っ!?」

 

「人を操る為だとか、他の歌をかき消す為とか、そんな歌……」

 

「なに言ってるの!?ここで止めたら私達の夢が!!」

 

「違うよ……」

 

張角は微笑みながら語りかける

 

「こんなの……子供の頃、三人で夢見たのとは―――違う」

 

「っ!?……子供の頃……三人で……」

 

動揺する張宝

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレデイイノカ

 

「!!」

 

張宝に誰かが語りかける

 

コノママヤメテ

 

「それは」

 

ヤメルナ…コノママダトミナシヌゾ

 

「どうずれば」

 

ワレノチカラ…タイヘイヨウジュツノジュツヲツカエ。ソシテゼンインコロセ

 

「ころ…す?」

 

ソウダ!ソレシカタスカルミチハナイ!サア!タイヘイヨウジュツヲツカエ!ソシテコロセ!!

 

「……」

 

「ちいちゃん?」

 

「ちい姉さん?」

 

反応しない張宝を心配する二人

 

 

 

 

「かな~え~る~♪」

 

歌が歌い終わると歓声が上がる

 

「すごい!」

 

その光景に勇作は感動する

 

「でも…これで……っ!!」

 

だか、勇作はある光景が見えた

 

「これは!!まずい!!」

 

勇作は劉備の前に立つ

 

「いったいどうし?」

 

次の瞬間

 

「妖力弾!!」

 

紫色のエネルギー弾のようなものが迫ってきた

 

「うらっ!!」

 

バチン!!

 

勇作は覇気を纏った応龍でそれを空に打ち返す

 

「な、何だ?今のは?」

 

視線を向けると、太平要術が現れ、それを持った張宝が勇作達を見ていた

 

「ちいちゃん!どうし…」

 

「邪魔」

 

張宝は手を翳すと、衝撃波を放つ

 

「「きゃっ!!」」

 

張角と張梁は後ろに飛ばされた

 

「さて」

 

視線を勇作達に向ける

 

 

「アンタたちを、倒す」

 

 

禍々しい邪気が立ち込めている太平要術を持ちながら睨み付けていた

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