TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
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「一人旅も悪くはないが連れがいるのはいいものだな」
猫子丹の解毒剤を探す旅に桃花村を出た一同。星と翠は一緒に歩いていた
「うん?どうした?翠。さっきから難しい顔をして、腹でも痛いか?」
「あ、いや、ちょっとたんぽぽの事が気になって」
「ん?たんぽぽ?」
頭をかしげる星だがすぐに思い出す
「ああ、お主の従妹の馬岱のことか。あ奴がどうかしたのか?」
「たんぽぽの奴、村でちゃんと大人しくしているか心配で、あいつあたしがいないと調子に乗ってイタズラばっかしてるんじゃないか気がしてさ」
「ふっ」
「なんだよ!何かおかしいか!!」
「あ、いや…子供だとばかり思っていたお主が一人前に姉さんぶった口を聞くのが微笑ましくてな」
「ってなんだよそれ!つうかそういう自分はどうなんだよ?」
「私か、決まっているだろう!私は頭のてっぺんから足の先まで立派な大人だ!」
堂々という星に翠は困惑した
「それに私の美貌で主もイチコロ!その後ムフフなことも」
「な!なな!何言ってんだよ!!」
「何を赤くなっている!劉備殿をそうしたことを」
「だからあれは違うって!!」
「冗談だ……ただ」
「ただ何だよ!」
「主の右目のことが心配で」
「星もか」
「ああ」
「大丈夫かな?ご主人様。大丈夫って言ってたけど無理してたみたいだし」
「そうだな……行く前にムフフことでもすればよかったかな」
「そうだなって何言ってんだよ!!」
「何をって私は主の事が好きだ!翠もそうだろう」
「す、好きって!!」
「だから男女の関係も」
「なな、何を言って…私はご主人様の…事…なんか……」
「ふふ、そう言うことにしとく」
「………」
「(帰ってきた時が楽しみですぞ!主)」
そして勇作はというと
「ハックッシュン!!」
桃香、鈴々、朱里と一緒で特に何かと遭遇する事もなく、森の中を歩いていた
「大丈夫ですか?」
「ああ!誰か噂でもしているのかな?」
「誰かって?」
「さあ」
「はあ、それより鈴々ちゃん」
「何なのだ?朱里?」
「ずっと気になってたんですけど、その背負っている葛籠、一体何が入っているんですか?」
「分かんないのだ」
「えっ?分からない?」
「旅の準備をして部屋を出たら、戸口に置いてあったのだ。でも弁当って貼ってあったからなにかおいしいものが入っているに違いないのだ」
「(ほ、本当かな)」
「うわ~いいな」
「いっぱいあるみたいだから、桃香お姉ちゃんや朱里、お兄ちゃんにも分けてあげるのだ」
「わ~い、鈴々ちゃん太っ腹」
「にはは、桃香お姉ちゃん程太くないのだ」
「っ!!それってどういう」
「別に深い意味は無いのだ。見たままなのだ」
「見たままって……」
「……待ってください!」
「ん?」
「二人とも何かおかしくありませんか?」
「たしかに」
鈴々と桃香は二人して首を傾げる
「何にもおかしくないのだ」
そして葛籠の中では、誰かか耳を澄ませている
「えっ!!魔物の仕業!?」
「はい。以前、古い書物で、葛籠の中に潜み、うっかりそれを開けた人間を食べてしまう魔物の話を読んだ事があります。恐らく、この葛籠にはその魔物が潜んでいるに違いありません!!」
「それじゃあ、どうすればいいのだ?」
「そうですね………葛籠を開けて魔物が飛び出してきては厄介です。このまま綴に火を着けて、中の魔物ごと燃やしてしまいましょう」
「賛成」
「鈴々ちゃん、劉備さん、ご主人様は早速焚火を集めてください」
「はい!」
「分かったのだ!」
「了解」
「ちょっと待ったあああああ!!」
命の危機に恐怖し、葛籠からその姿を現した
「うぐぐ……!」
「やっぱり馬岱ちゃんだったんですね」
馬岱は視線を上げると、そこには腰に手を置きながらこちらを見下ろす朱里。後方には、勇作と鈴々と桃香がいた
「だ、騙したな!?」
「それはこっちの台詞です!でもまあ、あんな子供騙しのやり口に騙される方がどうかしてるんですが……」
「まったくなのだ」
「(アンタのことだぞ!鈴々)」
「とにかく、馬岱ちゃんはここから村に戻って下さい。いいですね?」
「ええ~なんで~~!?」
「なんでって、馬岱ちゃんは翠さんに、村でお留守番してる様、言われてたじゃないですか。その言いつけを破って勝手についてくるなんて、駄目に決まってます」
「留守番なんてつまんないよ~!たんぽぽも一緒に連れてってよ!絶対大人しくしてるから」
「駄目です」
「頼むよ!お願い!」
「ダ・メ・で・す!」
「ね、ねぇねぇ!張飛からも何か言ってやってよ!」
「ダメなものはダメなのだ。子供は村で大人しく留守番してるのだ」
「なんだよ子供子供って、張飛の方がよっぽど…………ん?」
ピカッ!と何か閃いたのか。瞬時に鈴々の横に付き、耳元に囁く
「連れてってくんなきゃ、あの事、孔明に」
「いっ!?あ、いや、それは……」
鈴々は歯切れが悪くなり、動揺を隠せずにいた
「ん?」
肘でちょいちょいとつつき、催促する
「しゅ、朱里……旅も修行の内だし、馬岱も一緒に連れてってやってもいいんじゃ」
「り、鈴々ちゃん!急に何を言い出すんです!?」
「べ、別に脅されてる訳じゃないけど、ここは一つ、馬岱の言うとおりにしてやった方がいいかも、なのだ」
「……鈴々ちゃん、どうしたんですか?何か変ですよ?」
「そ、そんな事ないのだ……変なのはいつもの事だから、変でも普通なのだ!」
「ん~~」
目を細めて、ジ~ッと見つめている朱里。鈴々は乾いた笑いを浮かべる
「ねえ、孔明ちゃん」
「ん?」
「ここまで着いて着ちゃったんだし、私も、馬岱ちゃんを連れてってあげてもいいと思うんだけど」
「劉備さんまで……」
「それに、今から送り返したら、森の中で日が暮れちゃうし……」
「それはそうかもしれませんけど……」
見上げれば、空は夕方になりかけていた
「朱里、連れて行こう」
「ご主人様…………しょうがないですね。わかりました。馬岱ちゃんも一緒に連れていきましょう」
「やった~!!」
「ただし!物見遊山の旅じゃないんですから、遊び半分の気持ちじゃ駄目ですよ?」
「は~~い」
上機嫌になったたんぽぽは、元気良く返事するのであった
「(いつもなら、覇気でわかるんだけど、右目の事が気になってぜんぜん読めなかった。駄目だな俺)」
心の中でそう思う勇作であった
「旅にでてから何日たった~~~右手の指で足りる~か~な~」
たんぽぽを旅の一員に加えた一行鈴々が歌を歌いながら歩く
「…まただ」
突然、霧が出始めた
「あっ、霧が出てきた」
「前に来たときも、この辺で霧が出てたのだ」
「足元に気を付けて下さいね。まだまだ濃くなりますから」
「本当、キリがないですね。なんちゃって……フフ、やだ!私、面白いこと言っちゃった!」
「あんまりおもしろくないのだ」
「あはは……どわ!!」
勇作は木の根に躓き転んだ
「いてて」
「大丈夫なのか?お兄ちゃん」
「ああ」
「ご主人様、立てる」
「何とか(くそ!霧が濃い上に片目しか見えないから距離感が)」
たんぽぽと鈴々の手を借り立ち上がる勇作
「ありがとう」
「どおってことないのだ……ん?」
鈴々は何かに気付く
「朱里、桃香お姉ちゃんどうしたのだ?顔を赤くして」
視線を向けると二人は顔を赤くしていた。朱里は胸、桃香はお尻を押さえて
「そう言えば倒れる時、両手に柔らかい感触があったけど、いったいあれは?」
「な、なんでもありません!!」
「そ、そそ、そうですよ!」
「いや、でも」
「は、早く行きましょう!!」
「は、はい!」
「えっ!あ!ちょっと!!」
朱里と桃香に手を引かれながら水鏡先生の屋敷に向かうのであった