「なんで、先生方がここに………!?」
晴蘭は困惑していた。しかし、それ以上に困惑したのはもちろん…
「そのセリフはある意味私たちが言いたいところなんだか……。なぜ、端本がここにいて、安倍晴蘭を名乗っているんだ……」
そこに居合わせた雪菜は
「あら、晴蘭様、お客様とお知り合いなのですか?」
端本は雪菜の方を見て、我に返って言った。
「知り合いもなにも、この人たちは私が通う高校の先生方よ…。よくこの場所がわかりましたね…。」
なんと、安倍晴明の子孫である安倍晴蘭は晴明高校に通う3年の端本真奈美であった。須波が、かなり苦労したよと苦笑いしながら答え、
中口が困惑ながらも端本に
「なぜ、こんなところで陰陽師なんかしているんだ……?」
そう聞かれ真奈美は仕方ないような様子で説明しだした。
「私が陰陽師を受け継いだのは、私の父が亡くなってからです。父の力が遺伝したのは私だけですから。私の家系は特にこの地域では有名な陰陽師家で、私で途絶えるのは嫌だったので、受け継ぎました。安倍晴蘭の名前は陰陽師をしている時だけです。本名は端本真奈美ですよ。いつもは学校があって、部活もあるので中々ここへは来れなかったんですけど、今日は特別なこともなかったので来ていたんです。」
3年部はそうだったのかと納得はした。すると真奈美は
「そういえば、ここへ来られたのはわたしに用があったからでは?何かあったのですか?」
と本来の目的を聞いた
杉村は学校に届いた不審な手紙について真奈美に説明をした。
「じゃ、突然この手紙が届いてたんですね? なんで、わざわざ私の名前なんか……」
真奈美が疑問を投げかけると長持が問いかけてきた。
「なんか、分からんけど、呪い殺すなんて出来るんかい?」
すると真奈美は
「そりゃ、相手がそういう系だったらありえますがね。今の所なんとも……」
と不審な手紙に手を出した途端、いきなり手紙が燃え出した。
「な、なんだ!急いで消さないと!」
「そのままにして!!」
と慌てて出て行こうとする須波を真奈美が止めた。
なんでだ…と須波が困惑していると、真奈美が静かに
「手紙が燃えてるの。机は一切燃えてないです。」
えっ……?と机を見ると言われた通り机は一切燃えていなかった。
そして、燃えて黒くなった手紙には新たなメッセージが書いてあった。
[安倍晴蘭、これから苦しみを味わうがよい。先生は巻き添いを食らうのだ。一人、また一人と消してやろう。そして、お前自身も……]
「い、一体何が起こったんだ…」
先生方が戸惑いを隠せない中、真奈美は1人笑っていた。
「端本……何がおかしい?」
「ふふっ。馬鹿なやつだ。このわらわを侮辱してくれたわ。……このわらわの命を取れるものなら取ってみろ。その前に私が……」
そっと顔を上げていき、目を開くと鮮やかとも言える赤い目に光っていた。そして、
「消し去ってやる。」
そう言い終わると目は元に戻っていた。
先生方は端本真奈美という人物に、そして安倍晴蘭という人物に少し恐れを抱いた。
一体この手紙を書いたのは誰なのか。