〜ウルク 王宮 玉座の間〜
「むっ……」
目を覚ましたギルガメッシュ。棺から起き上がった。それを見た周りの者達が声を上げる。
「ギルガメッシュ王!」
シドゥリが泣きながら近付いてきた。
「本当に良かった」
「ウムッ……苦労をかけたなシドゥリ」
「もう御身体は大丈夫なのてますか?」
「あぁ……少しふらつくが大丈夫だ」
ギルガメッシュは立ちあがろうとするが、まだ完全ではないらしく、座ったままだ。
皆がギルガメッシュの目覚めを喜んでおり、嬉し泣きする者もいた。
「王」
「なんだ、シドゥ……リ?」
ギルガメッシュがシドゥリの方を見ると、彼女は真顔でギルガメッシュを見下ろしていた。
(あっ……これはまずい奴だ)
ギルガメッシュはそう思い周囲を見る。ギルガメッシュの蘇生を喜んでいた者達も、シドゥリの変化に気付き、そそくさと散っていった。
「きっ貴様ら! 我を助け……」
時既に遅く、玉座の間にはシドゥリとギルガメッシュのみだった。
「王!」
「うっウム」
「御身は1人の身体でないことを御忘れですか! 王にはこのウルクの、いえ人類の未来を背負っておられるのです!
なのに過労死とはどう言う事ですか!? 私はお休みになられるようにと申しましたのに、まさかこの数日お休みにならなかったのですか?!」
シドゥリの堪忍袋の尾が切れた用だ。怒鳴られる度に、ギルガメッシュが段々と小さくなっていく。
「ふぅ、疲れた、疲れた……おっと」
「もう、散々な目に合ったわね」
そして、此処で空気を読まない主人公・龍牙がイシュタルと共に帰還。
「「あっ……」」
正座するギルガメッシュと怒っているシドゥリを見て固まる龍牙とイシュタル。
『龍牙、我を助けよ!』
『無理!』
『イシュタル! 貴様でも構わん! 助けよ!』
『無理ね!』
アイコンタクトで会話する龍牙達。
「龍牙様、イシュタル様、おかえりなさいませ」
「あっ……うん。えっとただいま……疲れたので休むね」
「あー私も疲れたから休もうかしら」
龍牙とイシュタルは身を翻し、その場から出ようとする。
「待てぇ! 龍牙! 我を見捨てるのか!」
居ても立ってもいられず叫ぶギルガメッシュ。
「それに我が死んだのはお前にも責任があろう!」
「責任転嫁は「そもそも! 最近忙しさにかまけて魔力・生命力供給(意味深)をしなかったからではないか!」……」
そう大声で叫ぶギルガメッシュ。因みに固まる龍牙を置いてイシュタルは出て行ってしまった。
「龍牙様、どう言う事でしょうか?」
「えっと……ですね」
龍牙はシドゥリに睨まれ説明を始めた。
ギルガメッシュは政務、防衛策などを寝る間も惜しんで行っていた。加えて召喚したサーヴァント達への魔力供給、龍牙がこの時代に来た時には、かなり危険な状態だったらしい。
なので龍牙は数日に一度、ギルガメッシュに魔力・生命力供給を行っていた。方法? (意味深)で呼んでる人は分かる筈だ。
しかしこの所、忙しくそれが行えていなかった様である。
「成程……つまり供給(意味深)が必須と。
分かりました、龍牙様。予定の方は私が調整しますので、王の事を宜しくお願いします」
「あっ……はい」
シドゥリは龍牙にそう言って頭を下げた。ギルガメッシュはこの光景を見てホッと安堵する。
「では王、話の続きです」
「えっ!?」
予想外の展開に驚くギルガメッシュ。どうやら、話は終わったと思っていた様だ。
「私の話はまだ終わっておりません」
「終わりではないのか!? 龍牙! 助け……いない!」
龍牙はこの場から逃げていた。
その日、夜までシドゥリの声が響いていた。
〜その日の夜 龍牙とギルガメッシュの私室〜
「ふぅ……怒ったシドゥリは恐かった。怒ったシャムハトを思い出すな。
小さい頃のギルと喧嘩して、物を壊したりした時に怒られたっけ」
昼間、ギルガメッシュが怒られているのを見て、昔の事を思い出している龍牙。
「まぁ……ギルには良い薬だな」
そう言って愉悦顔になるとベッドに寝転び、天井を見上げた。
「いい身分だな、我を見捨てておいて」
どうやらギルガメッシュはシドゥリのお説教から解放され戻ってらしい。彼女は若干、涙目になっている。
「あっ……解放されたんだ。お疲れ様……見捨てるとは心外だ、ごはっ! ゴホッゴホッ!」
龍牙はいきなり何かを口に突っ込まれた。
「我は深く傷付いた。なので我を慰めよ」
「えっ、もっと雰囲気とか大切に……あれ、体が熱い」
口に突っ込まれた何かを見てみる。どうやら小瓶の様だ、ピンク色の液体が少し残っていた。
龍牙はそれに見覚えがあった、以前、ケイネスに渡した媚薬の瓶だった。これもギルガメッシュの宝物庫にあるものなので、ギルガメッシュが持っていても可笑しくはない。
龍牙はギルガメッシュを見る。そこには同じ媚薬を飲み干し、その効果なのか顔が真っ赤になっていた。
そして飢えた肉食動物の様な目で龍牙を見ていた。
(まずい……これは)
「はぁはぁ…………今夜は寝かさんからな」
「……お手柔らかにお願いします」
そうして2人の影が重なった。
その日の夜、龍牙はギルガメッシュに生命力や魔力など、様々な物を搾り取られるのであった。
〜翌日 王座の間〜
「それでギルガメッシュ王は蘇ったんですか?」
「はい。そして謎の衰弱死で死んだ民達も皆、蘇りました」
「それは良かったです!」
立香とマシュはシドゥリからギルガメッシュや衰弱死した者達が蘇った事を聞いていた。
「それでギルガメッシュ王は?」
「王でしたら、まだお休みになっております。
途中飛び込んで来たイシュタル様とケツァル・コアトル様、様子を見に行った私も巻き込んで凄かったので」
そう言うシドゥリは少し顔を赤くしていた。
「「?」」
「あっ……すいません、今のは忘れて下さい」
我に帰ったシドゥリはそう言うと顔を真っ赤にして何処かに去ってしまった。
「なんだったんでしょうか?」
「さぁ?」
「何事だ?」
そんな話をしているとギルガメッシュが入ってきた。
「ギルガメッシュ王! 無事だった……死んでたのに無事って言うのも変かな?」
「案ずるな、もう大丈夫だ。こうして生きている」
立香の言葉に笑いながらそう返すギルガメッシュ。
「アレ……ギルガメッシュ王、今日は何時もと御召し物が違うのですね?」
「うむっ……流石に何時もの服装では出れる状態ではないのでな」
マシュの言葉にそう返しながら玉座に座り横に置いていた石板を手にする。彼女は何時もの露出の高い服装でなく、露出の少ない白い服になっていた。
「起きてきて大丈夫なのですか?」
「あぁ、龍牙から魔力や生命力を分けられたのでな。まぁ、その影響であやつは寝込んでおるが。
シドゥリはどうした?」
近くの衛兵に聞くギルガメッシュ。
「「ん? ……あっ……」」
立香とマシュには見えた、ギルガメッシュの首筋に虫に刺された様な赤い斑点や噛み跡の様な物が。
そして少し前にシドゥリの言っていたこと、ギルガメッシュが言っていたことを思い出す。そしてギルガメッシュの状態が繋がった
つまり、昨夜、龍牙と魔力供給(ステイナイト方式)をしたと言う事だ。
((そう言えばさっきシドゥリさんが、イシュタルさんとケツァルコアトルさんもって))
2人は何があったのか理解し顔を真っ赤にしている。
「「しっ失礼しました!」」
2人はその場から去ってしまった。
「あ〜死ぬかと思った……」
ふらふらの王宮の廊下を歩く龍牙。色んな意味で被害甚大の様だ。
「「あっ」」
「やぁ、藤丸君、マシュ、おはよう……と言うには遅いかな」
立香とマシュはかなり疲れ、体中にギルガメッシュと同じ様な跡を見て顔を赤くし、逃げる様に去って行った。
「なっなんだ?」
それから少しの間、2人に避けられる主人公であった。