俺のFateな話   作:始まりの0

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人理修復 序章 【炎上汚染都市 冬木】
EP13 入局


 無皇龍牙です、アヌ神達に違う時代に送られました。

 

 その行先が2014年の日本だったのは少し驚いたが、俺は直ぐに生活を再開した。

 

 取り敢えず、また縮んではいないので一安心しだぜ。それからギルから貰った鍵は何処かで見た事あったと思ったら、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の合鍵の様な物で、宝物庫を使う事ができる。一部だけだが……とは言っても莫大な財宝だ。

 

 一先ずはこの時代の情報収集で動き回っていた、1年程はアルバイトをしつつ生活していた。それでフッと本屋で立ち読みをしていたらバイトの募集の本に目が留まった。

 

 それは以前の世界から知っている名前があった。見た時は咳き込んで、周りの客や店員に痛い目で見られて精神的にダメージを負ったがな。

 

 直ぐに応募し採用となった、何せこれから大変な事が起きる。ギルやエルキドゥと再会したいが、このままじゃ再会どころではない。

 

 特に変わった事もなかったので、これまでの事は省かせて貰う。普通に生活してただけだし……戸籍?どうとにでもなったよ……魔術で。現在俺は、そんな事を言っている場合ではない。何故なら俺が現在いる場所は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~現在 2015年 標高6000mの雪山~

 

 

「ささささささぶっ!!!!!」

 

 標高6000の雪山の上、例え服をどれだけ着こもうと寒いものは寒い。

 

 

「誰だぁ!!こんな所に作った奴はぁ!!!どんなだよ!こんなところで生活って何考えてんの?!」

 

 雪山の頂上付近に造られた建築物の前にいる龍牙。かなり厚着で、マフラーやゴーグル、キャップを被ってはあるが寒そうだ。

 

 

「電源設備が壊れたら確実に死ぬな、こりゃ………ん?これが受け付け?」

 

 龍牙は何やらカメラの様な物の前に立つとアナウンスが聞こえてきた、ほんの数秒で何やら確認が終わるとゲートが開くので中に入る。

 

 

「あぁ……寒かった……というか迎えもなしに現地集合ってなんだよ!?ちょいと疲れた……休もう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの起きて下さい」

 

 

「はっ!?寝てた!完全に寝てた!」

 

 龍牙はどうやら眠っていた様だ。顔を上げると紫色の髪の眼鏡を掛けた少女が立っていた。

 

 

「ん……あれ、君は?」

 

 

「私はマシュ・キリエライトと言います。何故先輩方はこの様な所で眠っておられたんですか?」

 

 

「雪山を歩いて登ってきた」

 

 

「えっ!歩いてですか!?」

 

 

「うん、集合場所には集合日時になっても来なかったんで………ぁ~寒かった。あれ?先輩方?複数形?」

 

 龍牙はマシュが複数形を言っている事に気が付くと、横を見た。そこには黒髪、青い眼の自分と同じ位の少年がいた。

 

 

(ぐだ男だ!ぐだ男がいる……それにマシュってことは……段々思い出してきた)

 

 

「俺は何でこんな所で寝てたんだろう……良くわかないけど、夢を見ていた様な」

 

ぐだ男がそう言う。ぐだ男は龍牙に気付く。

 

 

「えっと俺は藤丸立香……貴方は?」

 

 

「(凄く似てるよな)無皇龍牙だ、取り敢えず1つ聞きたいんだが……」

 

 

「なに?」

 

 

「君、母親方の性は遠坂とかだったりする?」

 

 

「えっ……違うけど」

 

 

「そっか……ならいいんだ。俺の気の性だ(こんだけ似てて血縁関係ないって……)」

 

 それから途中でレフと名乗る此処の局員と会い、遅れながらも龍牙は入る事に成功した。

 

 此処は『人理保障機関・カルデア』、簡単に言えば未来の人類社会の存続を保証する機関だ。魔術と科学の力で100年後の未来を観測する。しかし予想外の事態が起こり人員を募集したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~中央区画 カルデアス前~

 

 広場の様な場所の中央にある地球儀を模した観測機器「カルデアス」、これを用いてカルデアでは人類の未来社会を予測するのだが……現在此処は火に包まれている。

 

 原因は不明であるが、突然、警報がカルデアに響き渡り現在に至る。

 

 

「先輩……手を握っててくれますか?」

 

 そう今にも消えそうな声で言ったのはマシュだった、彼女は現在瓦礫の下敷きになり重傷だ。彼女の前にいるのは立香。彼はマシュの手を優しく握った。どうやら彼は警報を聞き、直ぐに此処に駆けつけた様だ。

 

 そして次の瞬間、辺りは光に包まれた。


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