俺のFateな話   作:始まりの0

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EP16 シャドウサーヴァントとキャスター

 ~特異点F 炎上都市~

 

 無事にサーヴァントを召喚した龍牙と立香。一先ず一行は大橋、港跡、教会跡を探索していた。

 

 

「はぁ!!!」

 

 

「キエェェェェェェイ」

 

 

「このまま押し切ります!」

 

 スケルトンが現れたが、牛若丸、ダレイオス三世、マシュの3人により簡単に倒された。

 

 

「主殿!やりました!」

 

 

「流石、牛若丸だ……良くやった!褒めてやる!」

 

 

「そんな褒められると照れます、ぁあそんな、主殿に頭を撫でて頂けるなんて牛若は幸せです」

 

 敵を倒した牛若丸を褒めて撫でる龍牙。

 

 

(完全に犬だな……確かブレーキの壊れた忠犬って言われてたっけこの子……確かに見えない筈の尻尾が見える)

 

 牛若丸が無い筈の尻尾を振っている様に見えて仕方がない龍牙。その戦い振りでついつい褒められ、頭まで撫でられた事で完全な忠犬となった牛若丸は倒したスケルトンから戦利品を剥ぎ取ってくる。

 

 これを見て龍牙は「その内、デーモンの頭やら心臓を持ってきそうだ………血に塗れたままのやつを」と思った。

 

 

「………マシュ、ダレイオスさん、お疲れ様」

 

 

「はい!」

 

 立香は戻ってきたマシュとダレイオスを労った。ダレイオスは言葉を理解したのか頷いている。

 

 

「ふぅ……誰も居ないわね。一体どうなってるのかしら?」

 

 オルガマリーが誰もいない街を見ながらそう呟いた。

 

 

「所長、死にますよ」

 

 オルガマリーは突然声を掛けられると共に後ろに引っ張られた。すると今までいた所に短刀が突き刺さっていた。

 

 

「あわわわ………なっなに」

 

 それを理解するとオルガマリーは涙目になっており、その場にへたり込んだ。

 

 

「敵ですよ、死にたくなかったら下がってください。牛若丸!」

 

 オルガマリーを引っ張ったのは龍牙だった、龍牙が呼ぶと直ぐに牛若丸が前に出る。龍牙は辺りの気配を探りながら、周辺の地理を確認した。

 

 

「敵!?」

 

 

「あぁ……出やがったなサーヴァント。気配がない、『気配遮断』………恐らくアサシンクラスだろうよ。此処は遮蔽物が多すぎる、一旦此処から離れた方がいいな」

 

 

「どうすれば……」

 

 

「マシュは藤丸君を護って!ダレイオスさん!所長担いでください!」

 

 龍牙はマシュとダレイオスにそう言い放つ。

 

 

「了解です!」

 

 

「主殿!私が殿を務めます!」

 

 

「よしっ……じゃあ広い場所に行くぞ!」

 

 牛若丸が駆け出し、龍牙達はその後に続いていく。次々に短刀が飛んでくるが、龍牙に向かってくる物は牛若丸が叩き落とし、立香に飛んでくる短刀はマシュが盾で防ぐ。オルガマリーはダレイオスに抱えられているので大丈夫そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広い場所に出た龍牙達は直ぐに一箇所に固まる。その方が何処から攻撃が来ても対処しやすいからだ。

 

 

「一体どうなってんのよ?!」

 

 

「多分サーヴァントです……」

 

 

「でもマスターになる様な人間は……」

 

マシュにサーヴァントだと言われるが、サーヴァントが現界し続ける為にはマスターが必要だ。だがこの街に来て誰1人も人間を見ていない。

 

 

『多分聖杯があるからだ、特異点となったことで誤作動を起こしたのかも知れない』

 

 そう説明したのは通信機から聞こえたロマンの声だ。

 

 

「来た」

 

 龍牙の言葉に皆は龍牙の視線の先を見ると、2つの黒い影を纏ったサーヴァントが現れた。

 

 

 《ミツケタゾ。我ガ獲物、聖杯ヲコノ手ニ》

 

 

 《誘イ込コンダツモリノ様ダガ、誘導サレタノハ貴様等ノ方ダ!》

 

 

 《サッサト終ワラセルゾ、ランサー。何処ノ英霊カ知ランガ、御首二違イナイダロウ》

 

 

 《ァア、ソウダナ、アサシン……エッ!?》

 

 ランサーと呼ばれたシャドウサーヴァントは牛若丸の方を見ると固まってしまった。

 

 

 《スマヌ、アサシン!突然、腹ガ痛クナッテキタノデ某ハ此処デ失礼スル!》

 

 

 《何ヲ言ッテイルノダ、ランサー!?》

 

 

 《離セ!アサシン!》

 

 何やらその場から離れようとしているランサーを止めているアサシン。

 

 

『おらよっ!』

 

 声と共に炎が飛来し2人のシャドウサーヴァントを焼く。

 

 

 ()()()()()()()()()

 

 シャドウサーヴァント達は完全に不意打ちだった為に、そのまま炎で焼き尽くされた。

 

 流石にコレには唖然となる一同。揃って炎が飛んできた方向を見てみると、青いフードを被っている、杖を持った男が立っていた。

 

 

「おう、大丈夫か坊主ども」

 

 男は普通に話し掛けてきた。

 

 

「そう警戒すんなよ、俺はキャスターだ」

 

 

「えっと俺達は」

 

 まずは情報交換をする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青いキャスター……真名をクーフーリン、この世界の事を知る龍牙は彼の正体を知っていた。クーフーリン自身も話の中で自分の名前を言ったが……そう簡単に話していいのか?と思ったが話を進めた。

 

 まずこの時代の特異点だと思われるのは、キャスターによると「大聖杯」というものらしい。何でもその大聖杯はこの街の心臓の様な物で、手強いサーヴァントが守っている。そのサーヴァントのクラスは最良と言われるセイバーだそうだ。

 

 後、もう1体バーサーカーのサーヴァントがいる。そのサーヴァントはセイバーよりも厄介だそうだが、一定の場所から動いていない。

 

 取り敢えず、一同はバーサーカーは無視と言う事で形で「大聖杯」を目指す事にした。


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