俺のFateな話   作:始まりの0

4 / 109
第3特異点の後の話です。


バレンタイン【カルデア】

 ~カルデア 厨房~

 

「と言う訳で今日はバレンタインデーだ。チョコレートを作るぞ!」

 

 

「お姉ちゃんがちゃんと教えて上げるから頑張ろうね、マシュちゃん!」

 

 

「はっはい!宜しくお願いします!エミヤさん、ブーディカさん」

 

 バレンタインデー当日、マシュはエミヤとブーディカに指導を受けていた。

 

「ではまずは用意しておいたチョコを溶かす所から始めるとしよう」

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 ~カルデア 食堂前~

 

「男性、立ち入り禁止かぁ」

 

 

「すまない、門番を頼まれんだ。悪いが彼女達の作業が終わるまでは入らないでくれ」

 

 

「Arrr」

 

 食堂前に張り出された紙を見てそう言うロマン。その横には立香を始めとする男性サーヴァント達がいた。ジークフリートとランスロット(狂)は女性陣に門番を頼まれた様だ。

 

「でもエミヤくんは入っているんだろう?」

 

 

「ぁ~アレはオカンだから仕方ねぇよ」

 

 ロマンの言葉に対してそう言う、青タイツのクーフーリン。彼はランサークラスで召喚されたクーフーリン、先日立香に召喚された。

 

「よっと!」

 

 食堂の奥から矢が飛来したが、彼は簡単に回避した。

 

「でゅふふ……チョコでござるかぁ、楽しみでござるなぁ」

 

 エドワード・ティーチ、オケアノスで出会ったライダーである。

 

「Arrr!」

 

 ランスロット(狂)はティーチを視界に入れた瞬間、凄まじい殺気を放つ。どうやらオケアノスで在った事が切っ掛けの様で、完全に敵視……と言うより危険人物として認知されている様だ。

 

「ランスロット殿、何で拙者をそんなにも敵視するでござるか!?」

 

 

「無理にでも入ろうとするなら気絶させた後に、拘束してエリザベートのコンサートだそうだ」

 

 それを聞いた瞬間、男性陣は絶対に入らない様にしようと心に誓った。

 

 

 

 

 

 ~数時間後 食堂内~

 

「できました!」

 

 完成したチョコを掲げるマシュ。

 

「うん、上手くできてるじゃないか」

 

 

「そうだね、上手に出来たね!」

 

 どうやらカルデアのオカン(エミヤ)やブーディカから見ても上手くできたらしい。

 

「じゃ、包装して……これで完成だね」

 

 

「はい!」

 

 ブーディカにより包装され、バレンタインチョコが完成した。

 

「それじゃあ、渡しに行こうか」

 

 

「すっ少し恥ずかしいですが、頑張ります!」

 

 そして完成したチョコを配ろうとしたが、何かを思い出し、エミヤの方を向くマシュ。

 

「エミヤさん、今日はありがとうございました!これはその……お礼です!」

 

 そう言ってチョコの1つをエミヤに渡した。

 

「私にかね……ありがとう。頑張ってくれ」

 

 

「はい!」

 

 マシュは厨房を出て行った。

 

 

 

 

 ~管制室~

 

「僕にかい?ありがとう、嬉しいよ!見てくれ、ダ・ヴィンチちゃん!マシュがチョコをくれたんだ!」

 

 

「ロマニ……いい年齢のおっさんが燥ぐなよ。なに、私にもかい?いやぁ嬉しいねぇ」

 

 

「わっ私に……あっありがとう」

 

 ロマニはチョコを受け取り燥いており、ダ・ヴィンチはそれを見て呆れている。オルガマリーは自分が貰えると思ってなかったらしく、顔を赤くして受け取った。

 

 

 ~廊下~

 

「「俺にか?ありがとよ、嬢ちゃん!」」

 

 

「ありがとう」

 

 クーフーリン2人、ジークフリートに渡した。

 

「!?……Arrr……Th…ank……yo…u」

 

 ランスロット(狂)にもチョコを渡す。自分は絶対に渡されないと考えていたらしく、差し出された時は困惑していた。だが最後にはしっかりと礼を言った。

 

「マシュ殿、せっ……ぶへぇら?!」

 

 変態紳士ことティーチはランスロット(狂)に殴り飛ばされ、壁に激突し気を失った。マシュはそっと気を失った彼の傍にチョコを置いてその場を去った。

 

 

 ~side out~

 

 

 ~立香のマイルーム~

 

「はぁはぁ……色んな意味で危なかった」

 

 この部屋の主、立香はベッドに腰を掛けている………かなり疲れている様だ。

 

 この部屋に着く前に女性に追い掛けられた。

 

安珍さま(マスター)……本日はバレンタインです。なので私を差し上げます』

 

 リボンを身体に巻いた清姫に追い掛けられ、(性的に)丸呑みにされそうになった。

 

『子イヌ!チョコよ!受け取りなさい!』

 

 エリザベートにタコの形をしたチョコを渡された………受け取ったはいいが、本能的にこれは食べると大変なことになると感じた。

 

 他にも女性サーヴァント達からチョコを渡された。

 

「先輩、居られますか?」

 

 

「やぁ、マシュ」

 

 

「どうかされましたか?」

 

 

「ちょっと……ね」

 

 マシュは机の方を見て、彼に何が在ったのか直ぐに理解した。

 

「あっあの……先輩」

 

 

「?」

 

 

「どっどうぞ」

 

 マシュはハートの形をしたチョコを立香に差し出した。

 

「えっ俺に?」

 

 

「はっはい……エミヤさんとブーディカさんに教えて貰いながら作ったので、食べれるとは思います」

 

 

「ありがとう、嬉しいよ」

 

 

「よっ喜んで頂けたなら幸いです」

 

 マシュのチョコを受け取った立香、2人は顔を赤くして沈黙していた。

 

『若いっていいね』

 

 

『僕にとってあの子は娘……妹みたいな感じだから思う所があるなぁ』

 

 

『Arrrr』

 

 事の成り行きを見守る影達が在り、それに気付いた立香とマシュの顔が更に真っ赤になったのはいうまでもなかった。




~第6特異点後の場合~

「マシュからのチョコ………」

狂戦士の自分、他のサーヴァント達、マスターである立香がマシュからチョコを受け取ったのを影から見ている騎士。

「マシュ……彼には渡さないの?」


「どうせ、他の女性から貰うのですから私のチョコなんて必要ないかと」


「Nooooooooooo!!!」

この日、1人の剣士が狂戦士にクラスチェンジした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。