俺のFateな話   作:始まりの0

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EP33 邪竜失墜する

 ランスロット(狂)とアタランテを倒した一同は、ジャンヌ・オルタがいるオルレアンの城へと向かっていた。

 

 此処に来るまでにワイバーンや海魔達がいたが牛若丸達の活躍により難なくを進めていた。既に城が目視で確認できる所まで来ていた。

 

 

「……妙だな」

 

 

「どうしました、無皇さん?」

 

 龍牙の言葉に反応する立香。

 

 

「此処まで来たっていうのに、ファヴニールが姿を見せない」

 

 

「そう言えば……そうですね」

 

 

「……後方のエミヤ達が戦闘をした様子もない。奴等が向こうにいるなら連絡が来る手はずになっている……後、考えられるのは」

 

 

『お生憎さまね、私達は此処にいるわよ』

 

 龍牙達がその声を聞いて、上空を見てみるとファヴニールとワイバーンの群れがいた。その上にはジャンヌ・オルタとサーヴァント達がいる。

 

 それを見て、龍牙は舌打ちをする。

 

 

(向こうに攻めて無かったのか……攻めてくると思ってジークフリートを向こうに残してきたんだけど)

 

 龍牙達はハデスの隠れ兜を使い敵の本拠地へと向かう→サーヴァントとフランス軍がおり、進軍を開始する→そこにジャンヌ・オルタ達が攻めてくる→守りの少なくなった城を攻め落とす→戻ってきたジャンヌ・オルタ達を休む暇を与えず攻撃する。

 

 少なくともファヴニールはジークフリートが倒してくれると考えていた。だが現実はそう簡単に行かなかった様だ。

 

 

「はぁ……城に残っていたとは……予想外だ」

 

 

「ふ……ふふふ……悔しいですか?自分の思惑が外れて……アハハハハハハ!」

 

 溜息を吐きながらそう呟く龍牙を見て、笑っているジャンヌ・オルタ。

 

 

「まぁいい………どうせ倒さなきゃならんしな。藤丸君、作戦Bだ」

 

 

「はい、マシュ!清姫!エリザベート!」

 

 

「はい!」

 

 

「はい、旦那様(ますたぁ)

 

 

「分かったわよ!」

 

 立香達は直ぐに戦闘準備を始めた。

 

 

「フン!たかがサーヴァント如きがこのファヴニールの相手になるとでも?!」

 

 ジャンヌ・オルタはファヴニールに指示を出し、邪竜はその咢に魔力を収束させる。

 

 恐らく、竜がよく使う竜の息吹(ドラゴン・ブレス)だろう。サーヴァントと言えど、まともに受ければやられてしまうだろう。

 

 

「ジャンヌ!」

 

 

「マシュ!」

 

 龍牙と立香が2人に声を掛けた。

 

 

「はい!真名、偽装登録……いけます!宝具、展開します!」

 

 

「我が旗よ!我が同胞を守りたまえ!【我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)】!」

 

 2人の護りの宝具が発動された。それと同時にファヴニールが息吹を放つ。邪竜の息吹は広範囲に放たれ、龍牙達を飲み込む。

 

 マシュとジャンヌの宝具により、彼等は無傷で済んだ様だ。しかし宝具を使用したマシュとジャンヌには少し疲労が見えた。

 

 

「無様ですねぇ……聖女様……あれ、あの男がいない?」

 

 ファヴニールの上からジャンヌ達を見降ろしていたジャンヌ・オルタは龍牙が居ない事に気付いた。

 

 

『すまないが、墜とさせて貰う……邪悪なる竜は失墜し、世界は今洛陽に至る。撃ち落とす』

 

 

「はっ!?」

 

 ジャンヌ・オルタは声のした方向を見てみた。自分達の少し後方、そこに魔法陣が描かれており、そこには龍牙とフランス軍にいる筈のジークフリートや他のサーヴァント達がいた。

 

 そして既にジークフリートは宝具を発動させていた。

 

 かつてファヴニールを殺した剣……その名は……

 

 

「【幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)!】」

 

 放たれた黄昏の剣気はファヴニールに直撃した。それにより飛んでいたファヴニールは失墜する。

 

 ジャンヌ・オルタは直ぐにファヴニールから飛び退き、近くにいたワイバーンへと飛び乗ったことで無傷で済んだ様だ。

 

 何故、フランス軍と共にいる筈のサーヴァント達が此処にいるのか………その理由は簡単だ。置換魔術(フラッシュ・エア)だ。龍牙は予め、サーヴァント達に置換魔術(フラッシュ・エア)の陣が掛かれている場所に待機する様に言っていた。万が一にと用意していたらしいが、どうやらそれが功を制したらしい。

 

 

「くぅ……まさか、私のファヴニールがやられるなんて」

 

 地上へと降りてきたジャンヌ・オルタは忌々しそうに龍牙を睨む。

 

 

「ジークフリートがいないと思って油断したな……もしもの場合の為に準備しといてよかった。さてジャンヌ・オルタ、此処からはサーヴァント同士の戦いと行こうじゃないか……うおっ?!気持ち悪ぃ!」

 

 龍牙が言っている最中に、海魔が襲い掛かって来た。

 

 

「ジャンヌ!此処はサーヴァント達に任せて一旦、退くのです!」

 

 そう言ったのは、ジル(キャスター)だ。彼は魔導書により海魔を大量に召喚し始めた。

 

 

「ですが、ジル!」

 

 

「落ち着いて下さい……ファヴニールがやられた以上、新たに戦力が必要です」

 

 

「そうですね……サーヴァント達よ、彼等を倒しなさい!」

 

 ジャンヌ・オルタはサーヴァント達にそう告げると撤退した。

 

 

「ぁ~あ……行っちゃった。一先ずは目の前のサーヴァントか」

 

 龍牙は飛んで行ったジャンヌ・オルタとジルから、目の前の狂化されたサーヴァントへと目を向ける。

 

 

「シュヴァリエ・デオン、サンソン、ヴラド三世、カーミラか」

 

 

「無皇さん……どうしますか?」

 

 

「……俺と牛若、ジャンヌが半分を引き受けよう。残りは頼めるか?」

 

 

「はい!」


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