EP35 此処は何処でしょう?
Q.此処は何処ですか?
「分かりません」
Q.貴方1人ですか?
「いいえ、忠犬牛若丸が一緒です」
Q.カルデアに帰還したのでは?
「その筈でした……だけど目を開ければ見知らぬ土地です」
Q.目の前で何が起きてますか?
「軍服少女と着物少女が戦っています」
Q.ではこれからどうしましょう?
「取り敢えず声を掛けてみましょう」
現実に戻った龍牙は目の前で戦っている少女達に声を掛ける事にした。
「あの~」
「ハッ!」
「甘いわ!」
2人は戦う事に夢中になっているので気付かない。
「御嬢さんたち」
「是非も無し!」
「我が秘剣の煌めき受けるがよい!」
目の前の少女達が放つ魔力が格段に跳ね上がる。恐らく大技を使うのだろう。
恐らく放たれればこの辺り、一帯は消し飛ぶだろう。だが話を聞いて貰えない
「チッ……破壊龍よ、我が身を纏え!」
【
龍牙は破壊龍の鎧を纏うと、2人の少女の間に入ると尾に付いている龍玉を掲げる。
「喰らえ!」
【
破壊龍の鎧……その尾に付いている宝珠はどの魔力を喰らう。龍牙はそれを利用し、目の前の少女達から魔力を奪う。そうする事で、彼女達を無力化しようとしている。
「くっ……魔力が」
「魔力を奪われた……何者です!?」
「取り敢えず話を聞いてほしいんで……無力化させて貰った」
龍牙は鎧を解除すると、目の前の彼女達を見た。彼女達は動けないが、彼に対して警戒を解いてないらしく睨んでいる。
「儂等の戦いを邪魔しおって!」
「そうです、邪魔をしないで下さい!」
「……お団子あるけど?」
「話し合い賛成です!」
桃色の着物を着た少女が話し合いに賛成した。
「っておい!お主!」
「金平糖やお酒もあるけど」
「お主、中々分かっておるではないか!」
龍牙は思った……チョロいと。
桜セイバーこと沖田総司……幕末の京都で活躍した新撰組の一番隊隊長。
魔神アーチャーこと織田信長……第六天魔王を称する日本の三英傑の1人。
「成程、成程……あっノッブ、そこのお茶取って下さい」
「ほれっ……人理焼却のぅ、それでお主が世界を救うマスターの1人か」
「あぁ……それで君等は何故か、此処に召喚されて戦っていたと」
「うむ」
―どうやらぐだぐだ本能寺の様だ―
「それで1つ聞きたいんだけど」
―ノッブ、ノッブ―
「なんでしょう?」
―ノブブ!ノッブ!―
「俺達、囲まれてない?」
「囲まれておるな」
彼等は信長に似た小さい何かに……何者達かに囲まれていた。
「ノッブだな」
「信長殿ですね」
龍牙と牛若丸がそう呟くと、周りの生物ノッブの1体が火縄銃の様な物を取り出した。
「ノッブ!」
―ドキューン!―
その火縄銃から放たれた弾丸が龍牙の額に直撃した。
「主殿!?」
「龍牙さん!?」
「大丈夫か!?」
牛若丸達は彼を心配して駆け寄る。ノッブ達は龍牙が倒れたのを見て笑っている。
「ノブブ!」
「ノッブ!」
「ぁ~痛かった……いきなり撃たれるなんてちょっとびっくり」
龍牙は何事も無かった様に起き上がる。それには勿論、龍牙の事を知らない沖田や信長、ノッブ達が驚いている。
「お主、何故生きとるんじゃ!?」
「昔は問答無用で宝具で撃たれたし、それに比べたら問題ないよ」
「ほっ本当に大丈夫なんですか!?」
沖田は心配そうに彼の額を確認している。
「銃撃を真面に受けてかすり傷1つないなんて、貴方何者ですか!?」
「龍牙君です……さてと」
龍牙は立ち上がると、自分を撃ったノッブの前に行く。そしてノッブを持ち上げた……(目の笑ってない)笑顔で。
「いきなり撃つ様な悪い子にはO・HA・NA・SHIが必要だよね?」
「ノブッ!?」
そしてO・HA・NA・SHIが始まった。