今年、初の投降です。これからも宜しくお願いします。
EP49 廃墟での出会い
~炎に包まれた街~
燃え盛る炎の中に現れた
Q.さて……此処は何処でしょう?
「分かるか!」
Q.何故、こんな所にいるのですか?
「恐らく
Q.サーヴァント達は何処に?
「どうやら俺、1人の様だ。でもサーヴァント達とのパスは切れていないから無事なのは確かだ」
「何を1人でぶつぶつ言っておるのだ、お主は?」
龍牙は声を掛けられる。振り返って見ると、そこには紅い槍を携えた女性が立っていた。
「……タイム!」
「?」
「ちょっと待って!気持ちの整理の時間を下さい!」
「まぁ良かろう」
龍牙は深呼吸すると、少し落ち着いた様だ。
「えっと……確認ですけど、貴女は影の国の女王のスカサハ様でしょうか?」
「ほぅ……これは驚いた儂の事を知っておるのか?」
「えぇ……まぁ。俺は無皇 龍牙と言います」
影の国の女王・スカサハ……クーフーリンを始めとする、多くのケルトの英雄達の師てあり、冥界である影の国の女王である。クーフーリンの宝具、ゲイ・ボルグも彼女が彼に授けた物である。
龍牙は彼女に自分が人理焼却で生き残ったマスターの1人で、特異点を修復してきた事を話した。
「成程の……だが……お主はそれだけではなかろう。只者ではない眼をしている」
「なっなんの事やら」
「これでも儂は多くの英雄達を見てきた。故に人間を見る目は自信がある。
産まれながらに使命を持ち、力に苦悩し……そして裏切られた者の目だ」
スカサハはこれまでに多くの英雄達を見てきた故に、龍牙の本質の一部を見抜いた。
「では貴女は寂しそうな目をしている。死を奪われた事で、死ぬことが出来ない故の孤独ですか……」
「……ハハハ!初見でそこまで見抜かれたのは始めてだ。中々に良い目を持っているな」
「それはどうも……それよりも、この周りのゴーストはお知り合いですか?」
龍牙とスカサハはゴースト達に囲まれていた。
「全く、ゆっくりと話も出来んな……良かろう、龍牙よ。マスターである、お主の指示に従おう。仮契約と言うやつだ」
「それじゃ宜しくお願いします、スカサハさん」
「儂の槍、上手く使って見せろよ」
「5時方向、敵3!1時方向からも敵4!
後ろは此方で倒すので前に集中を!【筋力強化】!【俊敏向上】!」
「いいだろう!」
龍牙はスカサハに指示を出し、エンキを弓形態にし、援護しつつ、魔術を使いスカサハのサポートを行っていた。
自分で戦ってばかりで、此処に来て、マスターらしいことを出来たなぁと考えていた龍牙であった。
「……それにしてもキリがない」
戦闘が始まって約30分が経とうとしていたのだが……何故か全然敵が減らない事に気付く。
「此方が消耗するばかり……スカサハさん、1度退きましょう。このままじゃジリ貧ですよ!」
「確かにそうだな……いいだろう」
「じゃ、後退を」
龍牙は近くに転がっている石ころを拾うと、それを握り締める。
「くらえ、即席の閃光玉だ!」
龍牙がそう言い、石を投げる。石はゴースト達の真上に来ると、凄まじい光を放った。
「戦略的撤退!」
~廃墟のビルの一室~
「これでよし。儂のルーンで結界を張った、一先ずはこれで安心だ」
「ご苦労様です、取り敢えず水と干し肉です」
そう言い龍牙はスカサハに水筒に入った水と革袋に入った干し肉を渡す。
「ほぅ……こんな物を持ち歩いておるのか」
「えぇ……それにしてもあの数のゴースト、一体どうなってるんだか?」
「確かに……あの数は異常だな」
「人理焼却の影響か……それとも何か別の原因か。取り敢えず調べてみるしかないか」
「そう言えば、お主と出会う前に妙な気配を感じたな」
「妙な気配?」
スカサハの言葉に首を傾げる龍牙。
「あぁ、ここから北東の方角に巨大な魔力……それに冥界に属する者特有の気配が含まれていた」
「北東……丑寅の方角か、これまた不吉な方角に。まぁそこに何かがあると見て間違いないか」
「では一休み終えればそこに向かってみるとしよう」
龍牙とスカサハは北東に向かうことに決めた。