俺のFateな話   作:始まりの0

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EP55 狩人と羊飼い

 ~???~

 

「母により第3特異点・オケアノスに送られたのだが………本当に見渡す限り海だね」

 

 

「海ですね」

 

 

「海ね」

 

 オケアノスに送られた彼等は無人島にいる。

 

 

「むぅ……弓兵クラスの儂の目でも一番近くの島が点にしか見えんぞ」

 

 

「どうします、泳ぐのは無理ですよ」

 

 信長と沖田がそう言う。例えサーヴァントとだとしても、距離が離れすぎている。

 

 

「取り敢えず舟でも出すか」

 

 龍牙がそう言うと、首に掛かっている英雄王から貰った鍵に意識を向けた。

 

 

(舟………ぁ~嫌な思い出しかない)

 

 

【龍牙のバウ=イルを確認。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)へ接続します】

 

 龍牙の脳内にそうアナウンスが聞こえてくる。

 

 

【何が御入り用ですか?】

 

 

(ヴィマーナ、出して)

 

 

【……承認しました】

 

 すると、龍牙達の前に巨大な黄金の波紋が現れ、巨大な舟が出現した。

 

 天翔る王の御座(ヴィマーナ)……宝物庫の中でも龍牙が一番、舟の1つだ。

 

 

「凄い」

 

 

「これ、本当に飛ぶんですか?」

 

 

「飛ぶよ……(主に引きずられた記憶しかないけど)」

 

 龍牙はそう言いながら天翔る王の御座(ヴィマーナ)へと乗り込むと、玉座に触れる。すると、バウ=イルを通して情報が流れ込んできた。

 

 

「よしっ……動かせそうだ。皆、乗ってくれ」

 

 サーヴァント達が乗り込んだのを確認すると、龍牙が動く様に念じると天翔る王の御座(ヴィマーナ)はその翼を広げて動き始めた。

 

 そして凄まじい速さで青空へと飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……飛び始めて早1時間」

 

 

「見渡す限り海……幾つか島はありましたが、動物や植物、ワイバーンなどしかいなかったですね」

 

 

「これからどうしましょう、主殿?」

 

 

「取り敢えずサーヴァントの反応が在ればそっちに向かうんだけど……ジャンヌ?」

 

 

「付近にはありません」

 

 裁定者(ルーラー)クラスの特権を使い、周辺を確認するがどうやらサーヴァントはいないらしい。

 

 

「ん?サーヴァント反応2。カルデアのサーヴァントではない様です………あの辺りの島です」

 

 ジャンヌがサーヴァントの反応を見つけ島を指差した。龍牙はそちらに向かい、舟を動かした。

 

 数分でその島に到着したのだ。

 

 

「光学迷彩解除、着陸」

 

 ヴィマーナの能力の1つ【光学迷彩】を解除すると、目的の島へ着陸した。目立つので直ぐに、宝物庫へ仕舞う。

 

 

「それでどうしますか?」

 

 

「(いる可能性があるのは、2組。どちらがいる島かは分からないけど)……こうする。すぅ……」

 

 龍牙は息を大きく吸い込むと木々が生えている森へと向かって……。

 

 

「森に隠れているサーヴァント!大人しく出てきて下さい!こっちに敵意はありません!」

 

 と叫んだ。

 

 

「出て来るんでしょうか?」

 

 

「まぁ……普通なら出て来ないだろう。それにしても流石はマスター、大胆だな」

 

 ジャンヌとスカサハが喋っていると、ガサッガサッと言う音が聞こえてくる。そして男女が出てきた。

 

 1人は獣耳の女性、1人は青年だった。

 

 

(向こうの方にも会いたかったけど……こっちのペアだったか。でもまぁ……獣耳最高!)

 

 龍牙は2人を見ると、ガッツポーズをする。

 

 

「会った事はあるけど、あえて初めまして……と言っておこう。

 

 麗しの狩人・アタランテ。そしてソロモン王の父・ダビデ」

 

 

「「私(ボク)の事を知っているのか(い)?」」

 

 

「アタランテの方はオルレアンで一度会ってる………まぁ別の君と言うべきか」

 

 

「そうか……それで汝達が敵でないと言う証拠は?」

 

 

「ん~……信じて貰うしかないかな。まぁ……言葉だけでは信用できないか?」

 

 それもそうだろう、突然現れた謎のマスターとサーヴァントを信用しろと言うのも難しい話だ。

 

 

「俺を敵だと思うなら此処で射ればいい。まぁ……簡単にはやられないけど」

 

 

「……いいだろう、話くらいは聞こう。ダビデは……いない」

 

 アタランテがダビデの方を見るが、彼の姿はなかった。

 

 

「僕のアビシャグになってくれないか?」

 

 とジャンヌ達をナンパしていた。

 

 

「この不埒者!」

 

 

「あっーーーー!」

 

 アタランテはそう言い、ダビデに矢を放ち、その矢はダビデの尻に突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~???~

 

 

 ―ほぅ……この特異点には奴がいるのか。

 

 ふっ……此度は守ると言う枷がなくなった、全力の奴と我、どちらが強いか決着を付けようか。

 

 フハハハハハハ!―


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