~???~
「母により第3特異点・オケアノスに送られたのだが………本当に見渡す限り海だね」
「海ですね」
「海ね」
オケアノスに送られた彼等は無人島にいる。
「むぅ……弓兵クラスの儂の目でも一番近くの島が点にしか見えんぞ」
「どうします、泳ぐのは無理ですよ」
信長と沖田がそう言う。例えサーヴァントとだとしても、距離が離れすぎている。
「取り敢えず舟でも出すか」
龍牙がそう言うと、首に掛かっている英雄王から貰った鍵に意識を向けた。
(舟………ぁ~嫌な思い出しかない)
【龍牙のバウ=イルを確認。
龍牙の脳内にそうアナウンスが聞こえてくる。
【何が御入り用ですか?】
(ヴィマーナ、出して)
【……承認しました】
すると、龍牙達の前に巨大な黄金の波紋が現れ、巨大な舟が出現した。
「凄い」
「これ、本当に飛ぶんですか?」
「飛ぶよ……(主に引きずられた記憶しかないけど)」
龍牙はそう言いながら
「よしっ……動かせそうだ。皆、乗ってくれ」
サーヴァント達が乗り込んだのを確認すると、龍牙が動く様に念じると
そして凄まじい速さで青空へと飛び上がった。
「さて……飛び始めて早1時間」
「見渡す限り海……幾つか島はありましたが、動物や植物、ワイバーンなどしかいなかったですね」
「これからどうしましょう、主殿?」
「取り敢えずサーヴァントの反応が在ればそっちに向かうんだけど……ジャンヌ?」
「付近にはありません」
「ん?サーヴァント反応2。カルデアのサーヴァントではない様です………あの辺りの島です」
ジャンヌがサーヴァントの反応を見つけ島を指差した。龍牙はそちらに向かい、舟を動かした。
数分でその島に到着したのだ。
「光学迷彩解除、着陸」
ヴィマーナの能力の1つ【光学迷彩】を解除すると、目的の島へ着陸した。目立つので直ぐに、宝物庫へ仕舞う。
「それでどうしますか?」
「(いる可能性があるのは、2組。どちらがいる島かは分からないけど)……こうする。すぅ……」
龍牙は息を大きく吸い込むと木々が生えている森へと向かって……。
「森に隠れているサーヴァント!大人しく出てきて下さい!こっちに敵意はありません!」
と叫んだ。
「出て来るんでしょうか?」
「まぁ……普通なら出て来ないだろう。それにしても流石はマスター、大胆だな」
ジャンヌとスカサハが喋っていると、ガサッガサッと言う音が聞こえてくる。そして男女が出てきた。
1人は獣耳の女性、1人は青年だった。
(向こうの方にも会いたかったけど……こっちのペアだったか。でもまぁ……獣耳最高!)
龍牙は2人を見ると、ガッツポーズをする。
「会った事はあるけど、あえて初めまして……と言っておこう。
麗しの狩人・アタランテ。そしてソロモン王の父・ダビデ」
「「私(ボク)の事を知っているのか(い)?」」
「アタランテの方はオルレアンで一度会ってる………まぁ別の君と言うべきか」
「そうか……それで汝達が敵でないと言う証拠は?」
「ん~……信じて貰うしかないかな。まぁ……言葉だけでは信用できないか?」
それもそうだろう、突然現れた謎のマスターとサーヴァントを信用しろと言うのも難しい話だ。
「俺を敵だと思うなら此処で射ればいい。まぁ……簡単にはやられないけど」
「……いいだろう、話くらいは聞こう。ダビデは……いない」
アタランテがダビデの方を見るが、彼の姿はなかった。
「僕のアビシャグになってくれないか?」
とジャンヌ達をナンパしていた。
「この不埒者!」
「あっーーーー!」
アタランテはそう言い、ダビデに矢を放ち、その矢はダビデの尻に突き刺さった。
~???~
―ほぅ……この特異点には奴がいるのか。
ふっ……此度は守ると言う枷がなくなった、全力の奴と我、どちらが強いか決着を付けようか。
フハハハハハハ!―