~カルデアside~
「此処が目的の場所か、ダビデ王」
「そうさ、目的の島だよ。カルデアの諸君」
ダビデは何故か、立香達の乗っていたゴールデンハインド号に居た。ゴールデンハインド号とはフランシス・ドレイクの海賊船である。
「うぅ……何で、BBAが居てロリっ娘がいないのでござるか?」
「キモッ……やっぱあそこで消滅するべきだったよね、アイツ」
「そうですわねぇ……本当に何で生きてるんでしょう?」
何故か敵で在ったティーチやアンやメアリーまで居る。ティーチに至っては縄で縛られている。
彼等が何故此処に居るのかと言うと理由は凄く簡単な話だ。本来であれば、アンとメアリーは立香率いるサーヴァント達に倒され、その後、隙を突かれてティーチはヘクトールに裏切られ聖杯を取られて消滅、イアソン達が登場する筈で在った。
だが今回はヘクトールがアン達が戦っているタイミングで裏切り、ティーチから聖杯を奪取。イアソン達が出現した。その場でティーチは消滅し、アン達も消える筈だったが、何故か彼は消滅を逃れていた。そこから三つ巴の戦いが始まった。
そして龍牙の介入が在り、ティーチは舟を喪い、ドレイク達に助けられたのである。その際に「デュフフフ……生脇いいでござるなぁ。prprしたい」と言った際にはランスロット(狂)が暴れて大変だったのは別の話である。
龍牙を追うにしても、敵を迎え討つにしても、一先ずは傷付いた舟の修理が必要だと言っていた所、ダビデが登場。「翼竜の鱗を使って補修すればいい。近くに翼竜が沢山居る島がある」と言われて、その島にやって来た。当初はいきなり現れた彼を警戒した。だが自らの真名を明かし必要なら縛り上げてくれてもいいと言った彼に困惑していたが、舟の損傷具合から修理を優先したのだ。
島に到着した一同は、舟を止め、島に野営の準備を行っていた。そこで
「別に罠はないよ、安心してくれたまえ」
と言いながら島の奥へと進むダビデと立香、マシュ、彼のサーヴァント達、ドレイク、加えてこの特異点で出会ったアステリオス、
歩いている途中でアルテミスがオリオンと結婚した暁にはどうのこうのと言って身体をくねらせていた。
「お~い、連れて来たよ」
そう言うダビデの向かう先には、翼竜の山と龍牙、彼のサーヴァント達がいた。
勿論、龍牙の登場に驚くカルデアは構えてしまう訳だ。
「まぁ落ち着き給えよ………態々、舟の修理の為の材料を確保して上げたんだから」
と言う龍牙。
「りゅ……龍牙よ、本当にアルテミス様なのか?」
アタランテはアルテミスを見て、龍牙にそう聞いた。
「はぁ~い、アタランテ」
狩人アタランテは幼き頃に男でないからと捨てられ、それを見た狩猟と純潔の女神アルテミスが彼女を哀れに思い聖獣の雌熊を送り、育てられた。勿論、彼女はアルテミスを信仰している。その女神がこんな恋愛脳だと思わず唖然としていた。
「………わっ私の精神もこの大海に来て多少ではあるが、鍛えられた……今更、信仰してい頽た女神が
「まぁまぁ………神様だって色々あるんだよ。特に位の高い女神ってそう言う方面に関しては大概
「コホン………さて、互いの自己紹介が終わった所で………女神様」
我に帰った龍牙がそう言うと、影から現れたのはエウリュアレだった。
「えうりゅあれ!」
「あらっアステリオス、私は無事よ。だから泣くのは止めなさい」
「えうりゅあれ……無事……おれ、うれしい!」
アステリオスがエウリュアレに駆け寄った。彼女の無事を喜ぶ、アステリオスを見て龍牙は思った。「尊い」と。
「とうt……コホン、女神様はお返しするよ。と言うか、何で黒髭達までいるんだか……(俺の介入で本来の流れが変わったという事か)」
「………」
「そう警戒しないで欲しいな、特にエミヤと藤丸君には……君達には(女難的な意味で仲間な)ボソッ」
「待ちたまえ!私がなんだって!?」
「騎士王、姉、ツンデレ、後輩、義妹」
「……ごふっ!?」
「あの人、私と同じで病弱なんでしょうか?」
吐血するエミヤを見て、沖田は龍牙に尋ねた。「彼の場合は精神的な……というより、自業自得かな」と伝える。
「?」
「まぁ……君の場合はこれからか。それよりもドレイク氏、銃をこっちに向けないで欲しいんだけど」
「敵ではないって証拠はあるのかい?」
ドレイクが銃口を向けたまま龍牙にそう言う。同時に立香はカルデアとの通信を開いた。
「俺の口から言っても信用ないのは分かってる……特に藤丸君やマシュ達はローマで俺の力を見ているからね。特に所長辺りなんか前から怪しんでたとか言いそうだね」
『ギクッ!』
「彼女を助ける必要はなかったんだけども………あんな子供みたいに泣かれると、見捨てた場合の後味が悪いしね。救ったのがカルデアにとっては良かったみたいだし……まぁ良しとしよう」
『ではそこで膝を抱えている所長は置いといて、話を聞こうじゃないか龍牙君』
立香の通信機によりロマ二とダ・ヴィンチの映像が現れると、ダ・ヴィンチが龍牙に向かいそう言う。
「やぁ、相変わらずの様だねダ・ヴィンチちゃんは………ドクターも元気そうで何より」
『あぁ……龍牙君、僕としては君を信じたいと言う気持ちはある。けど英霊達の言っている事がどうしても嘘だと思えない。
率直に聞くよ………君は味方なのかい?それとも』
「俺はのんびりと暮らしたいんだけど…………世界がそうはさせてくれないんでね。
俺は自身の役目を果たしたいだけなのさ。もし役目の邪魔をするなら、君達は敵になるね……でも、まぁ……正規の英雄であるエミヤやクーフーリン達にとっては俺は敵だろうね」
『英霊の本能……世界の……人類の敵に対する敵対心。それが君に……正確には君の力に反応した』
「「ジャンヌ!何故……何故です!?何故世界の外敵である様な者についているのですか!?」」
「「ジル……少なくともマスター(ちゃん)はその様な存在ではありません(じゃないわよ)!」」
ジャンヌ崇拝者のWジルがジャンヌに対しそう叫ぶ。目が今にも飛び出しそうである……Wジャンヌはジル達に対して目潰しを行った。
「「のぉぉぉぉう!!これこそジャンヌの目潰し!」」
目を突かれたと言うのにとても嬉しそうな顔をしているジル・ド・レェs。
「痛そう……確かに俺の力は世界を壊す力。それは生きている者達にとって……人類にとっては畏怖の対象だろうね。
でも力は使い様によって、壊すだけでなく護りにも使える。それに破壊って言うのは何も悪い事ばかりではないよ、破壊は新たなる0への希望であり、無限の可能性に繋がる物だ。それもまた、世界の真理の1つ………っと藤丸君には難しかったか。
じゃあ簡単に………俺の役目は世界を守る事だ。例えどれ程、化物だと罵られようとね」
『話を纏めると、君の目的は世界を、人理を守る事であり、邪魔をしなければ此方にも協力すると考えていいのかな?』
ダ・ヴィンチがこれまでの話を纏めて、龍牙に尋ねる。
「そう言っているでしょ……嘘を吐いてないし、嘘を吐く必要もないもの。それに俺が敵だっていうなら君達は特異点Fでやっちゃってるよ」
『確かに。では君はカルデアから消えたのは何故だい?』
「態々、敵対心満々の連中の所に行っても面倒というのもある。加えて俺みたいなのが居たら、カルデア分裂しそうだからね。
特にそこで膝を抱えているであろう所長なんて、信じていた
『うぐっ!』
「人理を修復する為にはカルデアの職員達の協力が居る。俺の様な不安要素はそこにいたらそれも出来なくなって、作業効率も落ちそうだしね。
だからこそカルデアを離れた。今回ばかりは
「アラヤ?ガイア?」
「先輩、アラヤと言うのは人類が存続するべき無意識に生み出した防衛装置の様な物。ガイアは星の生存本能の様な物です」
「その通り、ガイアに関しては人理が滅びようと星そのものが続けばいいと思っているから、協力して来ないと思ったけど………協力してくれるから有難いね」
『その口ぶりだと、まるで抑止力と会話できるみたいじゃないか』
「どうだろうね……それは君達が知る必要のない話だ」
龍牙はそう言い、目を細めると聖杯を取り出した。牛若丸がイアソン達から強奪した物だ。
それらをマシュに向かい投げた。マシュはそれを受け取る。
「せっ聖杯」
「俺には必要のないものだ…………ヘラクレスはギルが10回殺した。残るのは、ヘラクレス残り2、ヘクトール、イアソン、メディアだ。奴等を倒さないとこの特異点は終わらない。後は君達に任せるよ。
此処で魔神柱如きを倒せないなら人理修復なんてものは不可能だからな。だから早く修復しておくれよ。
俺は次の特異点へ現れるであろう
「奴?見定める?」
「
一瞬だけ、龍牙の眼が破壊龍のそれへと変貌し、その身から龍化した時と同じ様な気配が溢れる。この場にいる全員が身を強張らせる。
「こっこれって……」
「ッ!」
特にアルテミスとエウリュアレは顔を青ざめさせた。
「それと後、猫の皮を被った奴の正体とね」
そして一瞬だけ、通信機に映し出された映像を見る。直ぐに気配は消え失せ、目も人間の物へと戻る。すると龍牙と彼のサーヴァントが光に包まれ始めた。
「……ふぅ。じゃあ、後は頑張ってね」
龍牙はそう言うと、サーヴァント達と共にこの特異点から消えた。
と言う訳でオケアノスの事を立香達に任せた主人公。
果たして今回は真っ直ぐ拠点に戻れるのでしょうか?