俺のFateな話   作:始まりの0

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EP69 現れる絶望

 ~ロンドン 地下大空洞~

 

 ロンドンを魔霧で覆い尽くす計画を立てた首謀者『マキリ・ゾォルケン(M)』が魔霧の発生装置を置いていた空間だ。

 

 そこにいた龍牙とそのサーヴァント達。そして此度、特異点に召喚されたサーヴァント、坂田金時、玉藻の前が彼の傍にいた。

 

「なぁ、お前さんがアイツ等の言ってた危険な力を持つ存在か?」

 

 

「ん~端から見てもそんな感じはしませんけどねぇ~………魂はかなりイケ魂ですし」

 

 

「どういう風に聞いているかは知らないけど………まぁ危険な力は持ってはいるな。特に太陽神の荒御霊である玉藻の前()が見たら、かつての恐怖を思い出すかもね」

 

 龍牙はそう言った。玉藻の前はどうして、それを知っているのかと考えるが口には出さなかった。

 

「確かに俺は破壊の力を持つ……でも世界を壊す気なんかないさ。する意味はない、しても面白い事はない。世界を壊すよりも誰かと一緒に居て、笑って暮らす方が数倍楽しいだろ?」

 

 そう笑みを浮かべて言う龍牙、それを見て金時と玉藻は警戒を解いた。

 

「どうやら、本当に世界をどうこうするつもりはなさそうだな」

 

 

「ですね………先程の言葉に嘘はなかった様ですし」

 

 

「そりゃどうも」

 

 

「アンタは、カルデア(向こう)の連中から警戒されている様だが、それでいいのか?」

 

 

「別にいいさ。人間は誰しも自分と異なる存在を畏怖する、故に、迫害し、排除しようとする。それは当然の事だよ、俺は元々は向こうにいたけど、俺の力が知れると危険な存在と認識された。だから俺は向こうを離れた………人理修復には彼等の力も必要不可欠だ、不安の種の俺が居なくなれば円満だろ?」

 

 

「つまり貴方は…………自己犠牲にも程がありますよ」

 

 金時の問いにそう答えた龍牙、玉藻の前はそれを聞いてそう言った。

 

「俺はそれでいいのさ…………時に誰かがそう言う役をしなきゃならない。それが俺だったってだけの事さ………さて、どうやら来た様だな」

 

 龍牙が振り返ると、此方に歩いてくる立香達の姿が見えた。

 

「話は終わり………そろそろ時間だ」

 

 

 

 

 

 

 

「さて藤丸君、通信機でドクターに繋いでくれるかな」

 

 

「えっ……はい」

 

 

『やぁ、龍牙君。久しぶりだね』

 

 通信機を使いカルデアと通じると、ドクターロマンの姿が映し出された。

 

「現在のこの場の状況の変化は感知しているか?」

 

 

『どういう……なんだ、これは?何かが、そっちの特異点に召喚されようとしている?!何だこの反応は!?』

 

 

『空間の歪みに、膨大な魔力、何かがそちらに召喚されようとしている。藤丸君、マシュ、警戒したまえ!』

 

 ドクターロマン、ダ・ヴィンチちゃんの声が通信機から聞こえる。

 

 素人である立香も周辺の異常を肌で感じ息を飲んだ、マシュは立香を守るために彼の前で盾を構える。

 

 そして、この人理焼却の主犯が登場する。

 

 立香と彼のサーヴァントはその力に驚愕し、龍牙もまた同じ様に驚いていた。

 

 フラウロスが王と讃え、忠を尽くしていた主が顕現した。


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