俺のFateな話   作:始まりの0

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EP73 召喚と麻婆

 ~翌日~

 

「と言う訳で…………色々探索しよう」

 

 龍牙はそう言うとジャンヌと共に街へと繰り出した。

 

 まず彼等が行ったのはサーヴァントの気配を辿りながら地形の把握を行っていた。ジャンヌはルーラークラスの探知能力があるのでサーヴァントが居れば直ぐに分かる。ついでにジャンヌの服を買いに行った。

 

 因みに現在のジャンヌの服装は白いコート、シャツ、ブラウンのロングスカートである。

 

 それに龍牙にはジャンヌを連れ歩くのはもう1つの目的があった。

 

(もしあのサーヴァントが召喚されているなら、直ぐに飛びついてくるだろうけど………反応がない。と言う事は未だ召喚されてないのか、それとも様子を見ているのか?

 

 でも他のサーヴァントの反応もないし…………う~ん。細かい日時が分からないし、ぶっつけで行くにしても)

 

 等と頭をフル回転させている龍牙。

 

「あっ………あのマスター」

 

 

「どうかしたか、ジャンヌ?」

 

 

「ほっ本当に食べるんですか………()()

 

 

「うっ」

 

 ジャンヌは()()を指さした。白い皿に盛られた血の様な赤………その中に浮いている白く小さい物体。ジャンヌは()()から漂ってくる匂いに鼻を抑える。

 

「匂いだけでもの凄く辛い!と言うか目と鼻が痛いんですが!?」

 

 

「一度食べて見たかったんだよね。泰山の【激辛麻婆豆腐】」

 

 

「それって本当に食べ物なんですか!?」

 

 

「どう見ても食べ物だろう…………と言う訳で頂きます。もぐっもぐっ………確かにこりゃ辛い…………でも旨い」

 

 

「ぇ……」

 

 

「ジャンヌも食べてみれば?」

 

 とレンゲで麻婆豆腐を掬い、差し出す。つまり、あ~んという奴だ。

 

 端から見れば仲のいいカップルに見える。差し出しているのが激辛麻婆豆腐じゃなければ。

 

「!……ぅ……遠慮しておきます」

 

 ジャンヌは突然の龍牙の申し出に喜んで食べようと考えたが、間近で麻婆豆腐の匂いを嗅ぐと物凄く痛かった為に断った。

 

「そう……こんなに美味しいのに」

 

 と残念そうに自分で麻婆豆腐を食べる龍牙。

 

「あのマスター……」

 

 

「ん?」

 

 

「マスターはちゃんと味覚はありますよね?」

 

 と聞いてしまった聖女であった。

 

 

 

 

 

 

 

 ~数時間後 街中~

 

「ぅう………未だ口が痛いですぅ」

 

 

「そう?」

 

 あの後、ジャンヌも激辛麻婆豆腐を試しに食べたのだが……………数時間経っても未だ口が痛い様だ。龍牙はどうともなってない様だが。

 

「さてと……それは置いといて、月は満月………魔力が最も高まる日。そして2ヵ所から魔力。これは召喚の時の反応だな。と言う事は未だ聖杯戦争前と言う事か。

 

 取り敢えず大聖杯の様子は後で確認するとして…………」

 

 

「ですが、マスター。これから一体どうなさるおつもりですか?」

 

 とジャンヌが龍牙にこれからの方針を訪ねた。

 

「ジャンヌはBAD ENDとHAPPY END、どっちが好き?」

 

 

「えっ………それは………勿論幸せな終わりの方がいいですよ」

 

 恐らく殆どの人がどちらかと聞けば、ジャンヌと同じ意見だろう。

 

「俺もそうさ。まぁ………例外はあるけどね、特に好きな女がいるのに付き合うと疲れるとか言って他の女に走る男とか………ざまぁと思ったね」

 

 

「?」

 

 

「まぁこのネタは分からないか………それは置いといて。俺もHAPPYな方が好きさ。だからそれに向けて頑張るとするか」

 

 

「良く分かりませんが、頑張りましょうマスター!」

 

 

「あぁ………と言う訳で戦力を整える為に召喚しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって、ホテルの部屋。

 

 部屋の机などは端に寄せられ、中央には龍牙作の召喚祭壇が設置されている。

 

「マスター、此処では龍脈から魔力はとれませんが」

 

 

「問題ない。抑止力のバックアップがついてるからな。部屋も結界で隔離したし…………さて始めようか」

 

 龍牙はそう言うと、右手を翳し、全身に魔力を駆け巡らせる。

 

 

 

 

 

 -この身は創造と破壊の理を宿せし調停者………終わりなき転生を繰り返し、生命の往く末を見定める者なり。

 

 星の生命本能(ガイア)人類の祈り(アラヤ)よ。我を【座】へと繋げ。

 

 ………………告げる-

 

 それは普通のサーヴァントを召喚する詠唱とは異なっていた。これは龍牙のオリジナルの詠唱であり、抑止の力を得る為に創った物だ。

 

 

 ―我、汝等との縁を手繰る。我が声、我が願いを聞いたならば応えよ。

 

 汝等の身は我が元に、我が命運を汝の剣に預けよう。

 

 誓いを此処に。

 

 我は常世総てと善と成り、また悪と成る者。

 

 汝等三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ!天秤の守り手よ!-

 

 龍牙から祭壇へと送られた膨大な量の魔力、それにより世界の外側に在る『英霊の座』から招かれた英霊の魂が実体化する。

 

「やぁ、もう君を寂しくさせない。この魔女キルケ―を呼び招いたのだからね」

 

 

「私はマルタ。ただのマルタです。きっと世界を救いましょうね」

 

 

「私が来たからには、どうか安心なさい。すべての命を救いましょう。すべての命を奪ってでも、私は、必ずそうします」

 

 

「■■■■――――!」

 

 龍牙は召喚されたサーヴァント達を見て瞬きを繰り返した。

 

(魔女キルケ―………予想外だな。6章以降に登場したのかな?

 

 聖女マルタさんか。水着じゃタラスク、ボコボコにされてたな……聖なる拳の乙女だな。

 

 5章まだなのにナイチンゲール(婦長さん)か………色々な意味で拙いな、この特異点では。まぁいい……問題は)

 

 一番最後に召喚された岩の巨人へと視線を向ける。

 

「英雄ヘラクレス………まさかあの大英雄が俺みたいな存在の呼びかけに答えてくれるとは」

 

 大英雄ヘラクレス………オケアノスでも戦闘となったサーヴァントだ。

 

「えっと………召喚祭壇からの情報には俺の事も入れておいたから分かるだろうけど………本当に俺なんかと契約していいの?」

 

 龍牙はあらかじめ、自分の情報も召喚祭壇に入力しておいた。勿論、元居た世界もだ。

 

「勿論だよ!ピグレット!さっきも言った様に、私は君を寂しくさせないさ!我が神、ヘカテに誓ってね!」

 

 

「私も構いません。貴方にはオルレアンで私でない私を止めてくれた恩がありますし………貴方にならこの力を託せます」

 

 

「構いません。私は患者がいるのであれば何処にでも駆け付けます。それに貴方はどんな状況でも救える命を救おうとする………その意志は私と通じる物がありますから」

 

 

「…………」

 

 キルケー、マルタ、ナイチンゲールはそう言うと、龍牙の右手の令呪が強い光を放ち契約が完了した。ヘラクレスは狂化の為、意思疎通は出来ない。だが龍牙は彼の意志が理解できた。再び令呪が輝き彼との契約も完了した。

 

「ハハハ………こりゃ心強いな(アレ?でも魔力は5体分持っていかれたんだけど………気の所為かな?)」

 

 疑問を残しながらも無事に召喚を終えた龍牙であった。

 

 彼の目指すのは皆が幸せになる未来………それを実現する為に彼は英霊達と縁を結んだ。




と言う訳で麻婆食べてから、召喚を行いました。

先の特異点からオケキャスが来ました。

マルタさんと婦長さん、ヘラクレスは………後々出てきた意味が分かります。

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