Monster Hunter Parody ー名状しがたき狩人のような者達ー 作:銀紬
御託は後にして投下しておきます。
「……それで、君はいったい僕に何の用なんだ」
「ふっふっふ、夫が3つですョ! というのも、ここんとこ巷で噂になっているエリートルーキーハンターの少年君に、ちょっとお手伝いしてもらいたいかなーって」
「はぁ? お手伝い?」
「ダメですよ歩いてたスピーカーさん。ユウラさんは私のものですから私の許可を取らない限りは」
「お前は黙ってろ」
いい加減に突っ込むのも疲れてくる。
時は午前8時ごろだろうか。一行は酒場で談話を交わしていた。
「……まぁ、話だけは聞いてやるよ」
「流石少年君、話が分かるですョ!
ま、お手伝いというのは、私のトレジャーハントに付き合ってもらうことですョ」
「トレジャーハント……あぁ」
存在自体はユウラも知っていた。
なんでもフィールドに潜むお宝を探すんだとかいうものらしいが、実際に職としている人間は初見であった。
「で、まぁ今回は火山に行くんだけど、いかんせん今回の事案は厄介でねー」
「っていうと、差し詰めお宝集めをするから周囲の防衛を頼みたいとか、そういう理由か」
「や、一応ハンターの資格も持ってるから目的はそういんじゃないんだけどね。ほら」
「……ふむ」
タヴィーナがユウラに名刺のようなものを見せる。どうやらギルドカードのようであった。
ハンターランクは、78。シャルルやユミほどではないが、ユウラよりは確実に上。ハルトとどっちが上だろうか。
「ふむ、HR78ですか。これならば一人で問題ないんじゃないですか?」
「いやー、違うんですョ。今回やってほしいのは、一緒にトレジャーを捜索してもらうことですョ」
「……はぁ?」
つまり、この女が何の為に声を掛けたのかというと。
自分の作業のためであったということだった。
「トレジャーは……わたしたちの管轄じゃないよ?」
「そうですよ、そんなことで私のユウラさんを疲れさせないでください! 夜の営みにも体力を使うんですよ!」
「何の営みだ何の」
「そりゃ決まってるじゃあありませんか。私の本気の体を見せつけてユウラさんを眠れなくさせて以下略です」
「お前は他人の睡眠も妨害しようというのか」
ただでさえ思い描いていた道を良くも悪くも妨害されていたユウラにとってはそう突っ込まざるを得ない。
「まぁまぁそんな邪険にしないでくださいョ、あなたたちにもメリットはありますョ?」
「メリット、ねぇ?」
「そうですョ。ここ最近、妙なモンスターの噂が流れているのはご存知ですョ?
そのモンスターの中からは特異な結晶が手に入れられるらしいんですョ。更にそれには太古の錬金の技術が関わっているみたいなんですョ……それを手に入れられれば」
「手に入れられれば?」
「錬金術の第一人者としてウハウハですョ」
「結局私利私欲じゃねぇか、お断りだ」
「冗談ですョ、冗談!
……いやまぁ、確かにウハウハ路線も目当てですョ。ですが…。
---少々妙な情報を掴んでしまったのでね」
「……はぁ?」
突如口調が真剣なものになるタヴィーナ。
その調子の変わりぶりにユウラは一瞬呆気にとられた。
「……それがね、どーもきな臭い噂があるんだー。なんでも、その結晶により凶悪なモンスターを生み出そう、とかいう」
「「……!」」
息を呑むシャル子とユウラ。恐らく、その噂の根源は。
「……獣竜保護機関(です)か」
「おや、ご存じでしたかぁ……それなら話が早いですョ。ならば、この結晶も見たことがあるですョ?」
そういってがさごそと鞄を漁るタヴィーナ。どこにこんな鞄を隠していただろうか。
「ほら……これですョ」
取り出したのは、小さく透明なケースに入った紫色の結晶。
かすかに禍々しい色の気体を発しており、ただならぬ気配を見せていた。
「……おいこれ、ただのヨウ素じゃないだろうな」
「なんならデンプン付けてみますョ?きっと青紫色にはならないですョ」
「いいよ、でたらめにしては余りにもタイムリーな話だしな」
「理解が早くて助かりますョ。
……まぁ単純明快、コレを大量に集めて研究者に売りつけ……もとい、寄贈してですョ」
「おい今明らかに私利私欲混じった発言したよな」
「気にしたら負けですョ。それで……まぁ、この結晶がモンスターを凶悪にさせる結晶ということなんですョ。
この量ならば恐らく服用させても1~2時間が効用の限界、疑うならその辺のネコに------」
タヴィーナがえげつない提案をしようとしたその時である。
ぱくぱく。
がりがり。
ごくん。
気付くとその紫色の結晶はどこにも姿が見当たらなくなり、
代わりにミニ天翔龍の姿がそこに。
「「「「……あ」」」」
みぃー?
龍は、首を傾げた。
---
「と、いう訳で到着ですョ」
「もう突っ込まないからな僕は……」
どういう訳なのか未だ把握できないが、やはりまたまたナンチャラ症候群の効果で気付けば火山地帯のベースキャンプに降り立っていた。
「しかし、まさか強引に依頼を受けさせられることになるとは思いませんでしたよ……」
みー……
申し訳ない、とばかりにうなだれるシャンティッ君。
タヴィーナの言っていた「狂竜ウイルス」は現在のところシャンティッ君の体内において発症に至っていないようだが、いつ暴発するかわかったものではない。
仕方なしに今回も狩場に連れてくることになったというわけだ。
「そりゃあ、貴重なサンプルを食べられたんですョ。弁償という名目で付き合ってもらうですョ」
「わかった……じゃあ少年、ハルト君と一緒に石堀りに行ってきていいよ?
わたしはシャル子と一緒に狂竜化プレイを楽しむから」
「訳わかんねーことぬかしてんじゃねぇですよ! シャンティッ君の餌にしますよ!?」
「はぁはぁはぁ……シャル子、一緒に人類補完しよ? すべてはわたしのシナリオのままに」
「いい加減にしないとそのドタマに零点とアル=トリアをぶちこみますよ!?」
げしげしげし、とユミを文字通り足蹴にするシャルル。やっぱりどんな状況でも変態は通常運行だ。
「あー、おほん。それでは、この度のメンバーを発表しますョ。
依頼の特性上分担作業が好ましいのと、その他もろもろの事情を考慮して……
私、シャンティッ君サン、シャル子サン。そして、残り3人の2グループに分かれるですョ」
「なあああああにゅうううううううううううううううう!?」
突拍子に叫ぶシャルル。
「なーに叫んでんですョ。狂竜化について知っているのはワタシだけですョ、シャンティッ君サンが狂竜化しても貴方一人ではどうしようもないです。
それに、シャンティッ君サンは貴方のペットですョ?」
「し、しかし……!」
「しかしもかかしもないですョ。それではワタシたちはエリア4,5,6,7,8を担当するですョ。
ユウラサンたちは1,2,3,9,10をお願いするですョ」
「で、ですがねアナタ、私にはユウラさんという人が」
「グチグチうっせーですョ。行くですよ」
「にゃあああ!? ちょ、こら、引っ張んじゃねぇですよぶち転がしますよ!?」
手持ちの老山龍砲【極】を砂浜に押し込み捕まることで抵抗するシャルルを強引に引っ張っていくタヴィーナ。しかも非常に涼しい顔で。
もしかしたら相当な怪力なのだろうか。
ぎゃーぎゃー。わーわー。みーみー。
騒がしい声が火口の奥底まで響き渡り、やがて数分もすると聞こえなくなった。
呆然とするユウラたちだったが、そこでユウラが鶴の一声。
「……あー、よしお前ら、行くか」
はい、如何でしたか?おおよそ一年ぶりでしょうか……
一先ず書く時間が出来たので書きました、ただそれだけです(笑)
まー、投下当初に読んでいて下さった方が再び読んでいただけるのか、というと時がたちすぎて微妙なものがありますが……
次回も不定期ながら更新はします。
……受験終わってからかなぁ(震え声)
それでは次回第七章後半「マグマライバー」。お楽しみに。
to be continued....