ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ピザうめー。

追記、弥太郎は喋り方が変なのがデフォルトです。


84話 新出島での休日

「もーーー、限界や!休も、な?!」

 

結弦がまたなんか駄々をこね始めたぞ。

 

「ちょっとぉー、ゆずくんさー」

 

鈴華は、それを咎めるが……。

 

「すずちゃん待ってぇな!言いたいことはよーっく分かる!けど、せめて週休二日はあってもええやろ?!」

 

「でも、毎日言うほど働いてなくない?」

 

「まあ普段潜っとるダンジョンと比べりゃカスみたいなもんやけど、精神的にはキツいんよね」

 

「それはそだねー」

 

「だから、な?二日だけ休みにせぇへん?もうちゃんと、この十日で五十階層まで潜って、中間報告の書面を送ったやん?」

 

「書いたのは弥太郎だがな」

 

俺が呟く。

 

「まあせやけど!せやけど、休まん?!ちょっと休も!な!」

 

うーん……。

 

「まあ、良いんじゃないか?このペースなら今月中には終わるだろうしな」

 

「どんなに仕事が遅れても、一ヶ月はこの島でバカンスできる予定っすからねえ。良いと思うっすよ」

 

「「「賛成」」」

 

そんな訳で、休日になった……。

 

 

 

俺達は、バラバラになって個人ごとにリラックスを始めた。

 

今、この新出島に来ているのは、殆どがエルフやドワーフなどの亜人だな。

 

何故か?

 

今日日、サービス業など、日本人はやらないからだ。

 

最低賃金で辛いサービス業をやるより、ダンジョンに潜った方が余程稼げる世の中だぞ?

 

お陰で今は、人間を使い捨てにするような真似は全くできなくなったそうだ。

 

亜人も亜人で、雇い入れるにはかなりの審査が必要だ。安く使える底辺人間がいなくなったから、亜人をそれの代わりにしようとはいかない。

 

亜人の持つ準人権は、基本的人権と比べて幾らか制限が多いが、その分、権利の強さも相応にある……、と時城のジジイは言っていた。

 

さてさて、そんな時城のジジイは今何やってるんだ……?

 

おお、街頭のテレビに映ってるな。国会中継だ。

 

『そこの貴様』

 

『……ふぇ?』

 

『国会で居眠りをするような議員は我が国には不要だ。出て行け』

 

うわあ、早速イケイケでバチバチやってるな。

 

『そちらのお前もだ。隠れてスマホ弄りだと?巫山戯るのも大概にしろ』

 

そう言って、国会から議員をつまみ出した。

 

『ま、待ってください!そちらの党に我が党の議員を勝手に追い出す権限は……』

 

『黙れ。これは権利の話ではない、人としての話だ。一般企業でも、会議中に居眠りをしている社員は追い出されて当然だろう?いや、学校でもそうだ。儂の時代では、授業中に居眠りなどしようものなら体罰をされておったわ』

 

『こ、こんなものは独裁だ!民主主義国家の……』

 

『庇い立てするなら好きにせよ。だが……、昔のように忖度してくれるマスコミは、もう無いぞ?』

 

『あ……!』

 

そう言って、野党議員の顔がアップで映される。昔ならカットされていた都合の悪い部分も、今や法規制されて、適当で恣意的な報道は不可能になっているそうだ。

 

この議員はもう終わりだな、自分の無能を日本中に喧伝したに等しい。

 

俺がそんな感じで、ぼーっと街頭テレビを眺めていると……。

 

モサモサドリルのツノ付きキメラ女が背後から肩を叩いてきた。

 

「藤吾様、何をご覧になっていらっしゃるのかしら?」

 

「草薙か。テレビを見ていただけだ」

 

草薙鷹音……。

 

獣牙人(ビースター)の一級冒険者だ。

 

ああ、冒険者にも等級ができてな。

 

冒険者ランキングが一桁から二桁の冒険者は一級、最上位冒険者。

 

三桁四桁五桁が上位、六桁七桁が中級、八桁が下級。

 

まあ、目安程度のものだ。

 

「あら、総理ですの?」

 

「ああ、なんか楽しそうにバチバチやってるぞ」

 

「困るんですわよねえ、馬鹿な野党には、それはそれで使い道があるのですが……」

 

利権がー、組織票がーなどと呟く草薙。

 

こいつも、四菱財閥のお嬢様だ。

 

何かしら、裏の金の話があるんだろう。

 

「時城総理は清廉潔白過ぎて困りますわ。うちの事業も大打撃を受けましたのよ?」

 

「俺に言われてもな」

 

「ンモー、世界で一番稼いでる癖に、お金に無頓着なのは良くありませんわよ?」

 

そんな話をしながら、俺達は、手近な定食屋に入る……。

 

「いらっしゃい!って……、坊主か」

 

「あんたは……」

 

確か、蕎麦屋のみどり屋を経営していたが、武蔵大異界で息子夫婦と定食屋をやっていた……。

 

「みどり屋のじいさん、あんた、なんでここに?」

 

「あー……、実はだな、『定食みどり屋』はチェーン店になってな。俺は社長として、新出島支店の視察に来てたんだ」

 

はあ、そうか。

 

ちらりと、定食屋の壁に書かれている掲示を見る。

 

《定食みどり屋は、ダンジョンショックの際にも店が潰れなかった美味しい蕎麦屋が始まりです。

 

ある日、蕎麦屋のみどり屋に、世界一位の冒険者である赤堀藤吾さんが来店し、その健啖ぶりに店主の旗村甚兵衛は大層驚きました。

 

それを見た旗村は、冒険者向けの安くて大盛りの、美味しい定食屋を作る事を思いつきます。

 

そうしてできた、定食みどり屋は、今や日本中に支店があるチェーン店です!》

 

もう片方の掲示に目を寄せる。

 

《みどり屋のおいしさの秘密

 

みどり屋は、迷宮種のおいしさに感銘を受けた旗村社長が、親戚に新潟ダンジョンに潜ってもらい、集めた素材で調理を始めたのがきっかけで、迷宮種の食べ物を積極的に使うようになりました。

 

更に、社長自らがダンジョンに潜り、調理系のスキルを得ています。調理スタッフも全員、調理系スキル持ちです。

 

素材にこだわり抜いた迷宮種料理を、安くたくさん提供しています!》

 

なるほど、そう言う事らしい。

 

俺のネームバリューはどうやらかなり大きいようだな。

 

地元の、俺が行きつけの銭湯とか、酒蔵とか、飲食店とか、全部今や大人気だもんな。

 

俺がしばらく通っていた飲食店が、俺のネームバリューを利用しない訳がない。

 

まあ、そんな訳で。

 

「じゃあこの唐揚げパーティプレートと800gハンバーグとガーリックライス冒険者盛りとサラダボウルとビール大ジョッキ」

 

「わたくしはこちらの、Tボーンステーキと野菜スティック、それとバケット五本と今日の1リットルスープでお願いしますわ」

 

飯を食った。

 




ひいー!

書けないー!

厳密なプロットを立てると逆に書けなくなるタイプだな俺は。

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