ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あまりにも寒過ぎて、朝、激辛ラーメンを食ったのだが、結果的に胃腸が破壊されマイナス。


113話 青春少女

まず、大前提として。

 

ステータスやスキルは、親から子へある程度「引き継ぎ」がなされる。

 

魔法使いの子は魔法使いになるし、剣士の子は剣士になる。高レベルの子は高い初期レベルで、高ステータス持ちの子は高い初期ステータスになる訳だ。

 

ステータスやスキルは魂に焼きついた「力」で、親の魂を混ぜ合わせた分霊と定義される子供も、その「力」を受け継ぐのは当たり前……。

 

そしてもう一つ。

 

前提として。

 

今の日本で「子孫を残せる」のは、人格やら何やらは外側に置くとして、一つ共通点がある……。

 

「へへへ……、こりゃ良い女だな!」

 

「この女共、日本人だな?日本人なら犯して殺しても良いだろう!」

 

「そうだな!日本人は殺されても怒らないからな!蛮族だから、仲間意識ってものがないんだ!」

 

「おら!とっとと来い!この銃が見えねぇのか?!」

 

「あーん?剣だあ?馬鹿が!銃に敵う訳が……へ?腕、が、ない?俺の、腕……?腕ぇええええ?!!!!」

 

「お、お前!一体何を、ぎゃああああ!!!!」

 

「く、クソが!化け物め!なんで銃が当たらない?!クソ、クソ……ぐわああああ!!!!」

 

そう、今の日本で子孫を残せるのは、「強い奴」だけなのだ!

 

そして、その強い人間のステータスを受け継いで生まれ!

 

親兄弟からメディア、学校に至るまで、全てから『実力主義武士道』を叩き込まれて生まれ育った日本人は……!

 

「……そーちゃん、これって軍人さんなの?弱過ぎるんだけど……?」

 

「りっちゃん!それは流石に失礼だよ!例え勝っても戦った相手の侮辱は良くないよ、士道に反するよー!」

 

銃を持った人間程度なら、簡単に蹴散らす超人となっていた!

 

腰に下げた剣を、目にも止まらぬ速さで抜き放ち、一瞬で軍人の手足を斬り落とした女子高生。

 

そこに躊躇いはなく、技に澱みはない。

 

今や、日本人の平均レベルは凡そ50程度。

 

確かに、Dポイントで強化された魔法銃が直撃すれば死ぬのは死ぬのだが、そもそも魔法銃の魔弾のようなすっとろい攻撃では捉えられないし、その気になれば魔法やスキルで対処できるステータスを持つということだ。

 

その辺の女子高生が、である。

 

確かに魔法銃は、単なる人間が使っても、その威力だけは五十階層前後のモンスターに通用する武器ではあるのだが……。

 

そんなものより、親譲りの多様なスキル、自ら積んだ戦闘経験を持つ、その辺の日本人女子高生の方が総合力で強い。

 

しかもこの強さが、また、この子供達の子供達に遺伝していくのだから、タチが悪い……。

 

海外勢力は、兵士達を皆、魔法銃により「レベルだけが高くステータスが異様に低い」存在としてしまった。これが子供に遺伝すれば、「初期レベルの高さに反してステータスが人並み」の子供になる訳で。

 

どんどん、取り返しがつかなくなっていくのだ。

 

無論、それは日本側も警告したのだが、外国からの返答は「血統主義!」「ナチスの再来!」などであった……。

 

そんな訳で、超人として生まれ育ち、幼い頃からダンジョンで殺し合いを強要されて育ったこの国の子供達は、異様な戦闘能力と精神構造を兼ね備えて生きていくことになるのだが……。

 

そんな日本人と触れ合った外国人は、「日本人はやはりおかしい、見習わないようにしなくては!」と思ってしまい、ダンジョンでの活動方法についての啓蒙が進まないという、ドツボにはまっていた……。

 

 

 

一方で、現在の日本人はどうなっているのか。

 

先程の女子高生二人を見てみよう。

 

この女子高生二人は、学校帰りにダンジョンの五十階層で軽く流して……、そこで得た素材をDポイントで売り払い、遊ぶ金を作っていた。

 

そのポイントは、金銭換算でおよそ数十万円……。

 

学生には過ぎた額のように思えるが、冒険者は食事量の多さに回復施設の使用権、装備の整備補修、ポーションなどの消耗品の補助など、何かと物入りであるので、この程度の額はまさに子供のお小遣いに等しい。

 

『回復施設』というものは……、冒険者は、失った体力や魔力、敵との戦いで摩耗したステータスを回復させる為に、高級なDマテリアルでできた料理や薬品などを摂取せねばならない。

 

つまりは、摩耗したステータスを回復する『回復温泉』や、擦り減った最大HPを元に戻す『回復懐石』に、冒険前に最大ステータスを底上げする『活気飲料』など、そう言った類のものを買わなければとてもやっていけない。

 

そして、それらは、海外の人々から見れば信じられない程に高価なのだ。

 

某田舎剣士の行きつけの、『世界樹サウナ&温泉』など、入浴費用だけで七桁の金が飛んでいく……。

 

ただ、一次、二次産業の充実によって、食品や衣服などは2020年程度の物価のままだ。地価も、ダン近物件以外は異様に安い。

 

生きていくには簡単だが、贅沢をしようとすると青天井。

 

これが今の日本の現状である。

 

「わあっ!このサイトのドーナツ、STR摩耗回復だって!」

 

「カロリーは……、えっ?!一つたったの1000kcal?!すっごいヘルシーだねー!買おう!」

 

「龍太郎君にもお土産に何個か買おうか?」

 

「そうだね、龍太郎君って甘いもの好きだしー」

 

そう言って、二人の女子高生は、拡張現実……立体映像をタッチした。

 

その瞬間、電気通信でDポイントが支払われ、転移魔法が二人の腕輪型タブレットの表示する転移魔法回路を介して発動。

 

箱入りのドーナツが『転移召喚』される……。

 

日本の通販は、タッチ一つで一秒で届くのだ。

 

二人は、信じられないほどにハイカロリーなドーナツを一人三個平らげて、ミルクティーを飲みながら道をいく……。

 

辿り着いた先は、巨大な「塔」……。

 

天を衝く巨塔、「天衝塔」である。

 

「龍太郎君は、丁の五区画の『精神回復マッサージ屋』にいるって」

 

「じゃあ、飲食スペースでお茶してから、予定通りに映画見に行こー。『ゆるダン▷』の劇場版ー!」

 

この塔の中にある街では、しっかりと『回復施設』の類があるのだ。

 

普通に休息しただけでは回復しきらないダメージも、多種多様な状態異常も、ここで回復をする。

 

雑に「なんでも全て簡単に回復!」のような施設は極めて高価だが、「血液汚染除去エステ」「精神回復鍼治療」「魔力回路修復整体」など、限られた範囲の治療をする施設は、値段が五桁からとリーズナブルだ。

 

また、これらの回復施設は、各地の風土に合わせて様々なものが作られており、かなりの経済効果が発生していた。

 

例えば、熱海の温泉は全て「回復温泉」に入れ替わったし、京都周辺は「回復懐石」の本場。変わりどころでは秋葉原の「回復メイド喫茶」に、すすきのの「回復性風俗」などがある。

 

冒険者を辞めた人が、エステスキルなどを得てエステを開業するなども、引退後のセカンドキャリアとしてアリな選択肢だ。

 

「そーちゃん、アレ好きだよねぇ」

 

「えー!面白いじゃんアレ!りっちゃんが見てる『異世界に転生したら冒険者だった件』よりは一般ウケするよー!」

 

「『イセボウ』は面白いのっ!なろうチートなのっ!」

 

そんな馬鹿話をしながら、二人で男の元にゆく……。

 

「「龍太郎君!」」

 

「よう」

 

二人の女子高生……、平均的な容姿と実力の少女は、世界レベルで見ればかなり美人だ。

 

この二人が傅く男は、長巻を背負った背の高い高校生。眼光鋭く筋肉質で、威圧感のある青年……。

 

とてもじゃないが、女子高生にモテる雰囲気の男ではないように思えるが。

 

今の日本では、女に持て囃される男の条件は、容姿やカネではなく、第一に「強さ」……、「戦闘能力」の高さである。

 

男はどうやら、柔道の帰りらしく、畳まれた道着を黒帯で縛ったものを片手にマッサージルームから出てきていた。

 

小中学生のうちに、嗜みとしてなんらかの武道の段位を得るのは、今の日本では当たり前のこと。普通免許所持者と同じくらいの割合の人間が武道の段位を取得している。

 

そんな、筋肉質の大男に、二人の女子高生は頬を染めながらくっついた。

 

強い男はモテモテ!これが当たり前。

 

価値観というものは、環境から生み出されるのだ。今はこういう環境だから、こういう価値観になっている……。

 

「龍太郎君、寂しかったよ♡」

 

「龍太郎君、しゅき♡」

 

ついでに言えば、今の日本は一夫多妻制である。

 

男性は子供でも特に、「率先して戦って死ね」と教わって育つので、常に女余りなのだ。

 




旅人提督を一話久々に書き、武装JKを四話書き、田舎剣士の書き溜めを増やそうとするもあと一話。

ちょっとドラゴン退治の仕事が立て込んでまして……。

小説も書く、ドラゴンも殺す。両方やらなくっちゃあならないのが作者の辛いところだな。
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