川を辿って海に到着!
海から二、三キロは平原と砂浜だった。
川から百メートル、森から百メートル、海から一キロくらいの地点で……。
「ここをキャンプ地とする!!!」
そういうことになった。
まずは、人様の家より先に、キジニワトリの家だ。
森から木材をとってきて、それを地面に刺す。
「あの……、手伝う?」
「え?やってくれんの?」
「地面に木を刺すのよね?こんな感じ?」
啞零がサイコキネシスでどうにかしてくれた。
「助かるわー、有能!」
そこに、俺が、横から木材をくっつけていき、簡易な柵を作った。
「じゃあ次は……」
「あ、あのっ!」
ん?
「どうした肆嘉?」
「よ、余計なお世話かもしれないでやんすが、旦那は、寝た方が良いでやんすよ……?」
「ん?良いのか?」
「はい……、だって、この四日間、一睡もしてないじゃないでやんすか!!!」
まあ、そうだが。
「ちょっとあんた!どういうことなの?!」
「な、何故ですか?!」
「四徹とか、大丈夫なのかよ?!」
「身体は大丈夫?!疲れてるよね、早く寝ておくれよ!」
んー?まあ、さ。
「え?徹夜しちゃ駄目なの?」
「何でよ?!」
「森の中で見張りもなしに素人が寝るとか……。森を舐め過ぎではござらんか?」
「じゃあ、あんたは、私達の代わりに……?!」
いや、そういうんじゃないけど……。
ただ単に、素人に見張りを任せるのが怖いってだけだぞ。
「……ごめん。のうのうと寝てたわ、私。気付いてあげられなくて、ごめんなさい……!!!」
「早く横になってください!見張りでも何でもやりますから!」
「オレも見張りしとくぜ!お前は早く寝ろ!」
「僕も見張っておくから、安心して眠ってよ!それと、もっと自分を大事にして!」
うーん、大騒ぎ。
まあ良いや、まずは地面を分解して、と。
「あー!啞零ちゃんに膝枕してもらわねーと眠れねーわー!」
「良いわよ、それくらいやってあげるから、寝なさい」
あら?
サービス良いねぇ。
嬉しいぞい!
啞零ちゃんの膝枕で、朝の七時から六時間ほど寝た。
「今起きた」
「あら、おはよう。もう良いの?もっと寝てて良いのよ?」
「いやぁ、俺って体質的にあんま寝なくても良いのよね」
「そうなの?あんたが良いんなら良いけど、これからはちゃんと休みなさいよ?」
「おう」
ついでに、啞零の太ももをすりすりする。
ああ〜、すべすべなんじゃ〜!
手の甲を抓られる。
「やめなさい」
「ケチケチすんなよなー!減るもんじゃねえしよお!」
「減るの!乙女心とかが!」
そうなのか……?
まあ良いや。
「よし!家でも作るか!」
「家?」
「そうだ、シェルターは大事」
「そうね、家は欲しいわね」
「と言う訳で啞零ちゃんには手伝ってもらうゾ〜!」
そう言っておっぱいを突いた。
「いい加減殺すわよ?」
おっと、ガチ切れだ。
さて、早速、家を作って行こうか。
「俺が木を切っていくから、啞零はどんどん運んでくれ」
「ええ」
そんな話をしていたら……。
「あの、わざわざ遠くまで木を切りに行かなくても、切り株を活性化すれば、すぐに生えてきますよ?」
と双夢が言った。
「は?有能か?」
有能過ぎる……。
「じゃあ、切った木を生やしてくれる?」
「はい」
そうやって、木を集める。
まず、太めの木で長方形を作る。広さは六畳間あるかないかくらい。
この際に、木を加工して木を組む必要があるのだが、分解チートでどうにかした。
「そして屋根だ。こんな感じで三角の屋根をーって、うわ、スマコンの充電が切れた……。しゃーない、ソーラー充電器を使うか」
俺がそう言うと……。
「貸してごらん」
と正那が手を出してきた。
なので、スマコンを渡すと……。
パリッ!と言う音と共に、俺のスマコンに電気が流れた。
受け取る。
「おおっ?!充電されてる!!」
スゲェな、電気系能力者ってこんなこともできるのか。
「ありがとな」
「お安い御用さ」
さて、じゃあ、こんな感じで屋根を立てるんだと説明して……。
「で、この、土に突き刺す木は、表面を炭化させないと駄目だ。虫除けにな」
と、俺が説明すると……。
「これの先っちょを炭化させりゃ良いんだな?」
と涼巴が言った。
「ああ、そうだ」
「任せろ、ほらよ」
涼巴が、木材の先端を握ると、ジュウ、と言う音と共に、先端が炭化した。
そういや、触れたものを温めるとか言ってたな。
「これで良いか?」
「ああ、充分だ。ありがとな」
よし、これを地面に刺して、と。
大きな、尖った二等辺三角形の屋根兼壁の骨組みを作った。
ここに、木の皮を貼りつけて、屋根完成。
あとは、二等辺三角形の表面を木で塞いで……。
「完成だ」
「「「「「おおー!」」」」」
啞零にサイコキネシスで手伝ってもらったから、五時間くらいで完成したな。
内装は明日作ろう。
超能力のよー、ネタがねーんだよ!!!
モブキャラの能力考えるのダルい!