ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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生きるって辛過ぎねえか?


15:布団とチーズ

今日は鶏舎を建てることとする。

 

ついでに、大きい畜舎も建てておこう。

 

全員で、三日かけて作った。

 

明日は、牛とか羊とかを探しに行こう。

 

 

 

はい、明日になりました。

 

今日は、朝早くから丸一日かけて、十キロ先まで遠征します。

 

何故なら、肆嘉が、十キロ先に羊っぽい反応があるって言うからです。

 

干し芋とシマウマの干し肉を持って、さあ行くか!

 

同行者は啞零と肆嘉。

 

 

 

「あのさあ、双夢ってさ、あの生命力を与える能力、人間には使えねーのかな?」

 

「ああ、前に聞いたけれど、人間の、それも超能力者には効きにくいらしいわよ」

 

「え?何で?」

 

「知らないの?超能力者には、『超能力抵抗』があるのよ」

 

「何それ知らん……、怖……」

 

いきなり新要素出すのはやめロッテ!

 

この世界が小説だとしたら、読者は困惑するぞ。

 

「良い?超能力者は、基本的に、他の超能力者に超能力を使おうとすると、相手の超能力の出力と反比例する結果になるの」

 

「ってことは、強い超能力者には、超能力が効きにくい?」

 

「そう言うこと。実際、双夢は、私達が怪我したりしたら、二、三人治せばへろへろになっちゃうって言ってたわ」

 

なるほどなあ。

 

そんな設定があったのか。

 

知らんかったわ。

 

「となると、超能力者同士の殺し合いは、中々決着がつかなそうだな」

 

「そうね」

 

と、そんな話をしながら、野原を歩く。

 

啞零は、歩けなくなると、自身にサイコキネシスをかけて、空を飛んで動いていた。なんでも、超能力抵抗は、自分自身には無効なんだとか。

 

肆嘉は体力があるようで、普通についてきていた。

 

途中、りんごっぽいものと、ヤシの実っぽいものを拾う。それと、キャベツっぽいものも発見。回収した。

 

そして羊を発見。

 

「お、いたいた」

 

啞零のサイコキネシスで、見えない壁を作り出し、背後から俺が追い立てて移動。

 

流石に、帰り道では肆嘉も疲れて歩けないと言うので、俺がおんぶしてやった。

 

啞零は、自身にサイコキネシスをかけて空を飛んで移動。

 

夕暮れ時に、拠点に帰還できた。

 

畜舎に羊をぶち込む。

 

今日はこんなもん。

 

晩飯は、干し芋と干し肉に、茹でキャベツっぽいもの。

 

 

 

次の日。

 

「今日こそは、ベッドを作ります」

 

「本当?!」

 

啞零が、喜色満面で訊ねてきた。

 

「おう、羊の毛から布団を作るぞ!」

 

「やったあ!もう身体が痛くて痛くて……!」

 

確かに、ベンチ兼ベッドは木製だ。

 

そこに、ジャンパーを敷いて寝ていたので、身体は痛い。

 

「では、俺と啞零と双夢は、毛刈りだ」

 

「ええ!」「はい」

 

「残りはやることないんで籠でも作っとけ」

 

「「「はーい」」」

 

「以上、解散!」

 

 

 

はいまず、俺が、羊毛と羊の身体の接合面だけを『分解』します。

 

それを、啞零がサイコキネシスでひっぺがします。

 

そして、双夢が生命力を付与して、羊の毛を復活させます。

 

このループで、ごく大量の羊毛を得た俺達。

 

次は、これを、俺が汚れや虫などを『分解』して綺麗にする。

 

そして……。

 

「行くわよ……、それっ!」

 

啞零が、超高速で糸にして、布にする。

 

あっという間に、布団用の布と、布団に詰める用の羊毛ができた。

 

午後は、全員で布団作り。

 

その前に昼飯。

 

昼飯は、鶏ガラスープで、さつまいも、キャベツ、羊肉を煮込んだスープだ。

 

「うーん?羊の匂い、あんまり気ならないわね」

 

「そりゃ、匂いの元を『分解』してるからな。『分解』を使わないとなると、めっちゃ洗わないと臭いぞ」

 

実際ね、洗ってない肉を出す飲食店に行くと分かるけど、洗ってないとこの肉はもう本当にマジで臭いぞ。俺はまあ、森の民だから気にならんってか我慢できるけど、現代人はゲロ吐くんじゃない?

 

そんな話をしながら飯を食っていると……。

 

「わ、私、今日はちょっと食欲が……」

 

と、双夢が食事を辞退した。

 

んん?

 

病気か?

 

いや、そんな感じはしないな。

 

んー……?

 

あ、そうか!

 

「生理か?大変だな、寝てて良いぞ」

 

「ちょっ、あんた!デリカシーってもんがないの?!」

 

啞零に叱られた。

 

いやそんなん言われましても。

 

「実際、病気じゃないんだろ?」

 

「は、はい、その、生理、です……」

 

顔を真っ赤にした双夢が俯いた。

 

そんなに恥ずかしいことか?

 

生き物なら普通だろ。

 

「じゃあ、今日はもう休んで良いぞ。他の連中も、生理だ何だで働けねぇんなら早く言えよ!」

 

「もうちょっと気を遣うとかないの?!言い方!」

 

「しゃあねえだろうが。俺は知らんが、生理ってのは辛いんだろ?なら寝てろ。そして、俺は見ただけじゃ生理かどうかだなんてわかんねぇんだよ。だから言ってくれ」

 

「ま、まあ、休みたいときは休んで良いってことね?」

 

「そうだよ」

 

 

 

さて、早速、布団作りをやっていきたいと思います!

 

まあ……。

 

「裁縫って簡単ね」

 

ミシンと化した啞零が、速攻で六枚、布団を縫ってくれたんだけどね。

 

晩飯は、生理中の双夢に配慮して、マッシュしたさつまいもになりました。

 

 

 

次の日。

 

「双夢、今日は大丈夫そうか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

ほーん。

 

「今日は、羊の乳搾りをやります」

 

妊娠している羊がいるので。

 

「それと、子羊を一匹解体して、レンネットを採取します」

 

「レンネット……、となると、チーズですか?」

 

双夢が言った。

 

「ご明察だなあ。その通りだ。知らん奴のために言うが、レンネットってのは、草食の哺乳類の子供の胃袋にある、乳を固める成分だ。これを使うとチーズができる」

 

「チーズ!良いわね!」

 

啞零が喜んだ。

 

「チーズ作りでは、温度管理の面で、涼巴にも手を貸してもらうからな」

 

「おう!任せろ!」

 

 

 

まず、乳酸菌を加えるか。

 

「双夢、乳酸菌のみを増やすとかできるか?」

 

「できます」

 

「じゃあ、これをヨーグルトにしてくれ」

 

ヨーグルトをスターターにして、と。

 

レンネットを加えて……、よし、カードができた。

 

ここで、カードから水分を『分解』して、塩漬けにしてハードチーズに。倉庫で熟成させておこう。

 

ソフトチーズも作っておこう。

 

ヨシ!

 




うーん、基本的に、この辺は何かを作ってます!ってことが多くなりがちだな。

近いうちに住民が増えるよ!やったね森の民ちゃん!


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