ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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モンハン……。


23:活力増減『活殺自在』

私の能力、『活殺自在』は、対象の生命力を操作する能力。

 

この能力を自覚したのは三歳の頃……、実家で飼っていた老犬の『ララ』が、寿命で亡くなりそうな時でした。

 

子供の私は、とにかく、大好きなララに死んで欲しくなくて、ララを応援しました。

 

死なないで、まだ私の隣にいて。

 

私はそう言って、ララに声をかけたのです。

 

するとどうでしょう?

 

今まで、荒い呼吸をして、今にも天に召されそうなララが、いきなり立ち上がりました!

 

私は喜びました。

 

両親も、ララが闘病の結果、峠を越えたものだと思って、喜びましたね。

 

けれど、おかしくなったのはそれから。

 

ララは、死ななくなったのです。

 

私が三歳の時点で十二歳だったゴールデンレトリバーのララは、人間で言えば八十歳くらい。

 

ララは、私が五歳の頃も死にませんでした。この時点で、大型犬にしてはギネス並みの寿命です。

 

ララは、私が十歳になっても死にませんでした。いよいよもって、両親も気味が悪く思ったことでしょう。

 

私が十二歳の時。

 

両親はついに、ララを殺処分しました。あまりにもおかしかったからです。

 

その時の、ララを見る両親の目。

 

あれは、ずっと、脳裏にこびりついています。

 

そして、私は自覚しました。

 

私が、ララの、犬としての幸せを奪ってしまったのだと。

 

愛する主人に化け物扱いされて、殺処分されるだなんて。

 

ララは、どれほど。

 

どれほど辛かったのでしょうか。

 

私には、計り知れません。

 

そう、私の能力は、『生命を歪めるチカラ』……。

 

神の権能か、それとも、悪魔の業か……。

 

 

 

「双夢?双夢!どうしたの?」

 

活ヶ屋双夢。

 

私の名前です。

 

そして、名前を呼ぶのは、雷堂正那さん。

 

同じ村の仲間ですね。

 

「あ、いえ、すみません。少し、ぼーっとしていて……」

 

「大丈夫?疲れたなら休んでも良いんだよ?備蓄には余裕があるしね」

 

備蓄……。

 

確かに、複数の氷室に倉庫があって、食料はそこに山積みされていますから……、この調子なら、食料は余る見込みだそうですね。

 

食料以外にも、薪、布、紙なんかの備蓄もばっちりです。

 

資材の管理を買って出てくれた睦さんが言うには、向こう三ヶ月分の備蓄はあるそうです。

 

なので、食料や木材を生産する役割を持つ私は、最近はお仕事がありません。

 

今やっている主な仕事は、食事の用意とか、掃除とか、洗濯とか……。

 

一見、普通の家事のように思えますけれど、実際は大変なんですよ?

 

機械の力に頼らずに、六十六人分の食事を用意して、洗濯して、広い家やお風呂を掃除するのは。

 

六十六人分の食事を作るとなると、もう大変です。

 

お米は一度に九十合くらいは炊かなきゃならないですし、おかずも、大鍋五つ分くらいは作らなきゃいけません。

 

お料理は十人がかりでやっていますが、それでも、一人につき七、八人分は作っている計算になりますね。

 

ええ、本当に……、中学生の男の子達や、創壱さんがたくさん食べるんです……!

 

他にも、警備部門の女の子達も、訓練でお腹が空くからとたくさん……!

 

炊いておいたご飯を電子レンジで温めることもできませんから、当然、作り置きとかはできません。

 

精々、干し芋や干し魚、ビーフジャーキーにお漬物なんかを、冷暗所で保管しておくことくらいしかできないのです。

 

なので、お米もおかずも、食事のたびに用意する必要があるんですね。

 

本当に、ものすごく、大変ですね。

 

料理班の女の子達の負担が、あまりにも大きいです。

 

と、言う訳で……。

 

「なんとかなりませんか、創壱さん」

 

族長である創壱さんに、相談をしました。

 

すると、創壱さんは、考える素振りすら見せずに言いました。

 

「お米がなければ、パンを食べれば良いじゃない」

 

「は、はあ?」

 

「つまり、米は炊くのがめんどくせーから控えて、パンを主食にしていこうぜってことよ」

 

パン……、なるほど!

 

「天然酵母パンですね!」

 

天然酵母パンは、冷凍すれば半月は保ちますし、食べる時も自然解凍してから焼いたりすれば十分に美味しい!

 

そう言えば、干しぶどうもありますし、イースト菌はバッチリです!

 

「最近は、日本も他民族との混合が進んでいて、パン食に慣れている奴も多いからな」

 

と創壱さん。

 

確かに、私の家も父方の方に欧州系の血が入っていて、いつも、朝はパンかシリアルでした。

 

「それだけじゃなく、オートミールでグラノーラバーでも作り置きしようか。朝から米を炊かんでも、グラノーラバーとヨーグルトとかで良いだろ」

 

「それは、そうですね」

 

確かにそうですね……。

 

朝から九十合もご飯を炊くのは大変ですし……。

 

「俺も、別に毎日米じゃなきゃ嫌だ!みたいな古典的日本人じゃないしな」

 

「創壱さんも、外国人の血が?」

 

「いや、分かんねーけど」

 

「分からない?」

 

「俺は生まれてすぐに実の親に捨てられたから、ルーツが分かんねえんだよ」

 

え……?

 

「そ、その、す、すみません……」

 

「ん?ああいや、気にすんな。俺は気にしてないからな。とにかく、パンとグラノーラを作り置きするぞ!」

 

「は、はい!」

 

 

 

創壱さんは、いつも、お尻や胸なんかを触ってきますが、本気で嫌がる子にはやりません。

 

言動は突飛で子供っぽいですが、行動の結果は必ず最高。

 

確かに、セクハラをされるのは嫌だとは思いますけれど、最近はそれもご愛嬌というものかな、などと思っています。

 

抱かれろと命じられれば断れませんし……。

 

正直、こんな能力を持った私が、理解ある男性に出会えることはほぼあり得ないと思います。

 

でも、多分、創壱さんは受け入れてくれる……。

 

創壱さんになら、この身を捧げるのも吝かではありませんね。

 




今更だけど、俺、ストーリーがないゲームって苦手なんだよね。

俺はストーリーが読みたくてゲームやってるからさ。


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