説明しよう!
シャイニングフィンガーとは、触れたものを素粒子に還す必殺技である!
俺はこれにより、メス熊の頭部を破壊してから、メス熊の肩を蹴るようにして空を舞い、中空で一回転してから地面に着地した。
ふう……。
うん。
「俺、カッコイーーーッ!!!!」
やべーな、俺、カッコよくね?
格闘ゲームのキャラクターみたいな動きしたぜ。
623HSって感じだ。
そして、俺がキメ顔で勝利演出していたら……。
「こんの、馬鹿者ーーーッ!!!」
マジ切れした帯流に襟首を掴まれて、熊の死体の上から引き摺り下ろされた。
「貴様!貴様は本当に……!」
「問題でも?」
「大有りよ」
お、啞零。
「良い?あんたはね、役に立つ奴を優先的に生かすと言ったわよね?それは良いの、当然の判断よ」
そうね。
「……でも問題は、一番役に立つあんたが暴れまわってることよ!!!」
ほーん?
「ぬかしおる」
笑ってごまかそう。
俺が読んだことのある漫画でも、「笑ってごまかすさあ!」と言っている宇宙海賊がいたし。
「良い加減にしなさい!あんたが死んだら、ここにいる全員が露頭に迷うのよ!」
そうなのか?
まあ、そうなんだろうな。
一緒に生活して二ヶ月が過ぎたけれど、ほぼ全員が文明の利器で甘やかされきっていることが分かった。
俺のサポートなしには、全員生きていけないだろう。
だが……。
「俺は常に勝てる戦いしかしないんだなあ」
ゲームならまだしも、現実で負ける勝負をする訳ないんだよな。
俺はぶっちゃけ、どんな能力者でもどんな兵器でも、『この次元』の存在になら必ず勝てるから。
『分解』は、何故かは分からんけど能力者にも効くし。
『分解』が無理でも、物理で殺せるし。
何も怖いもんとかねーよ。
でも黙っとこう。
「俺は不死身なんだよね」
とでも言っておけば良いだろう。
アンデーッド!
「そんな訳ないでしょ!あんたは前に出るな!後ろでどっしり構えてなさい!!!」
はあ、そうですか。
「え?!啞零の後ろで?!」
え?!同じ値段でステーキを?!みたいな感じの作画になる俺。
啞零の後ろ?啞零のバック?啞零をバックからガンガン突く?!!!
啞零の後ろに回って胸を揉む。
ああ〜、モチモチなんじゃ〜。
「ああ、もう!やめなさいってば!真面目な話なの!」
啞零も慣れてきたな。
嫌がってるフリはするが、もう別にそこまで殴ってきたりはしない。
これはいけるか……?
「股間はやめなさい……!!」
おっと、あかんかったか。
顔面にグーパンが飛んできたわ。
まあ、それは良いや。
とにかく、一つ聞いておこう。
「で?女子供の後ろに隠れる男に、お前は惚れてくれるのか?」
はい、ここで強めの一撃。
実際さ、この状況で女を守れない男に価値ってあるか?って話なんだよな。
獣だってなんだって、自分のことを守ってくれる存在に懐くのは当然だよなあ?
「それは……、そうだけど……」
口籠る啞零。
「お前が惚れたのは強くてカッコよくて、サイコーに頼りになる『俺』だろうが。なら、俺はそれを曲げる訳にはいかねーな」
俺はそう言ってやった。
やっべえな、今の俺、超カッコよくねぇか?
モテモテだなこれは。
ハーアーブーの香りー、神薙創壱ー。モテモテ過ぎてー、困っちゃーうーなー。
「そ、それは、そうだけど……!あんたが死んだら全部終わりなのは自覚してよ!」
『惚れている』については否定なさらないのですかしら啞零すわーん?
ほーん!へー!ふーん!
なるほどなるほどぉ!
「もちろんだ、嫁さんを置いて死んじまったらいかんからなあ」
「そうよ!……って、私はまだあんたの嫁じゃないんだけど!!」
ほー?
『まだ』嫁じゃない?
ではいずれ嫁になるって認識でよろしいか????
それに……。
「んー?おかしーなー?俺は、啞零が嫁とは言ってないんだがなー?ひょっとして啞零さん、俺のことを意識しちゃってるんですかぁー?」
何で『誰』とは言ってないのに嫁ヅラしてるんですかねぇ?
おかしーぞー?なんでかなー?
「ん、んなっ?!そ、それは……、もうっ!うるさいわよこのアホ!黙ってなさい!」
あらまー!
ツンデレですわぞー!
仕留めた熊は、肉は毒で駄目になっているし、大体にして熊肉なんぞ美味くはないから、解体して皮だけ頂戴した。
皮はラグにでもしようかな。
面白いssが書きたい。
最近の俺は劣化している……。
昔のノリと書くスピードの速さを維持したまま、より面白いものを書かなくては……。