はい!
そんなこんなで石垣を積んでバリスタとカタパルトを設置します!
……とは言え、『鉱物生成』の紫衣が用意したクソデカ岩を、俺が『分解』で切り分けて、それを啞零が『念力』で積み上げりゃ良いだけなんだよな。
二週間かけて、村の周りをぐるりと囲む、高さ四メートル前後の壁ができた。
それに、量産した木製のバリスタとカタパルトを備え付ける。
また、弩弓も作って警備部隊に配布。
「なんで使いやすいクロスボウを早く配布してくれんかったんや?!」と言われたが、「弩弓は連射できんから、この人数で戦闘で撃つなら弓の方がアドある」と言っておいた。
いや、マジな話、クロスボウは連射できねーのよ。
遠距離武器ってのは大抵外れるから、連射できる方がアドあるんだよな。
ってかもう最終的に……。
「こいつが最強よォ……!!!」
と、火炎瓶を見せつける。
え?アルコール?
うちの翔琉君が『時間操作』で発酵させたジャガイモから作ってくれました。
後は蒸留してどうにかした。
クソ、ハーフリングネキがいれば、大砲やら蒸気機関やらが使えるんだがなあ。
あいつさえいれば……。
とは言え、無い物ねだりしてもしょーがねー。
仮に、モンスターや他の派閥が攻めてきてもブッ殺せるように、できることをやろう。
まず、警備部隊。
三十人のうちの村の警備隊、六十人の能力者連合の警備隊、三十人の能力者連合の偵察隊を統合して、百二十の警備隊とする。
警備隊は、三十人ずつの四班に分かれて、それぞれに腕の立つやつを班長に据える。
その結果、『身体強化』の帯流と、『発火』の劉生、『瞬間移動』の千紗、それと、『感覚操作(センスブースト)』の感信輝夜(かんしんかぐや)とか言う女が班長になった。
総リーダーは正那として、帯流が全員を訓練する。
全員に防具を着込ませて、竹刀でどつき合い、弓矢の訓練や、乗馬の訓練。対人戦の訓練もする。
それ以外の元能力者連合のメンバーは、バラバラに割り振って、各部門に飛ばす。
インテリ部門は、睦の下につけて、帳簿管理をやらせる。
調達部や調合部はそのままそっくり内職担当とする。
そろそろ夏だな。
夏の間は訓練期間としようか。
俺はもう特にやることがないので、獣の解体と調理を担当している。その他にも、空いている時間に人を集めて、サバイバル術の講義をやってる。
だがまあ、基本的には暇なので、村の見回りをしていることがほとんどだ。
つまりは……、これからはしばらく、サブストーリーの消化をしますってことだな!
では早速、警備隊の視察をしに行こうか。
おーおー、バチバチやってますねえ。
竹刀でどつき合う訓練をやってるみたいだが、相当気合入ってんぜー?
まあ、やっぱり、一番強いのは帯流だな。
『天元刀辺流』とか言う古武術の免許皆伝を持っている帯流が一番強い……、と言いたいところだが、他にもちらほらとクソ強いマンがいるんだな。
能力者連合の勧誘の時に、護衛として連れて行った体育会系三人娘も当然強い方だったが、更に強い奴がいる。
まず、総リーダーの正那。
うん、もうね。
正那は、何かされる前に電撃をばら撒けば、どんな奴も大抵殺せるから……。
それに、『神経通電』とか言う技があるらしいんだけど、それは、体内の神経電流を操って、あらゆる事象に超高速反応して、そればかりか、オートで身体を動かすみたいな反則技も使えるらしい。
『神経通電』時の正那は、『身体強化』を不使用時の帯流に匹敵するくらい強いそうだ。
それと、『発火』の劉生もシンプルに強いよ。
『発火』とは言うが、ほぼ火炎放射だしな。
弓矢くらいの速さで30mくらい先に火炎放射できるとか、普通にアドだよね。
本人はまあ、単なるチンピラに過ぎないから、身体能力はそこそこ止まりなんだけど。
それと、驚いたのは四番隊の隊長に抜擢された感信輝夜とか言う女だ。
この女、どうやら、『天然理心流』の達人らしく、刃物を持たせると馬鹿みたいに強い。
能力なしの殺し合いで、帯流に匹敵するレベルの剣豪だ。
本人は日本人形みたいな女の子なんだけどね、刀持たせると無双し始めるのよ。
更に、この輝夜の『感覚操作』ってのが地味にやばい。
そのまんま、文字の通りの能力なんだが、痛みやら何やらのリミッターを解除して、人体が出しちゃいけないパワーを出したり、一時的に全感覚を百倍にして、擬似的な未来予知をしてきたりする。
どれくらいやばいのかって言うと、本人は、「能力を全開にすれば銃弾くらいなら躱せます」とか言ってた。
なにそれ怖……。
但し、負担も大きいらしくて、連続使用は難しいとのこと。
まあ美人だからセクハラはするけどな!
乳揉んだら笑顔で威圧してきたけど、俺はそんなん気にしないんで揉み続けてやった。そしたら、真っ赤になってたぞ。
さて、じゃあ早速、練習中の警備隊にちょっかいかけて遊ぶか!
「よし!次は素振りだ!木刀を持ってこい!」
「「「「はい!」」」」
おー、スパルタ。
走り込みやってたみたいだな。
ポニテのうなじに浮かぶ汗が眩しい。
味もみておこう。
「ペロッ!これは青酸カリ!」
「んひゃあ?!!な、に、を、しているんだ貴様はーーーッ!!!」
げんこつ!
「痛いじゃないか」
「良い加減にしろ馬鹿者!」
俺は帯流に抱きつく。
「良いだろォン?減るもんじゃあるめぇしよぉ」
ケツを揉む。
おほー、ムッチムチの筋肉尻!
ええやん!
「年頃の女子の身体に妄りに触れるとは、なんと破廉恥な!このっ!離れんかっ!」
おっと、素晴らしい膝蹴り。
「ぐわー!やられたー!」
そう言って俺は、帯流の胸に飛び込む。
おほー、もちもちだ。
「やめんか!」
あ、投げ飛ばされちゃった。
痛えや。
はい、超能力サバイバルの書き溜めはここまで!
次は久々の帰還勇者行きます。
帰還勇者は読みたい人いるのかは分からないんですが、完結させる優先度高めっすね。