ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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寒い!寒いぞ?!

更新遅れてすまない。


39:もしかして帰る必要ない系……?

夏。

 

一番怖いのは蚊だ。

 

この辺の蚊はマラリアを持っている。

 

そんな訳で除虫菊を探してきたんだが……。

 

「え?蚊取り線香?あるよ?」

 

と、『栄養剤(ピルクリエイト)』の霧衣に言われた。

 

「は?」

 

「ぼくの能力でピレスロイド(殺虫成分)の薬剤を作って、これを『混成(ブレンダー)』の智海君に協力してもらい、乾燥した杉の葉と混ぜてできた線香を、村の各所で焚いている」

 

はえー。

 

「マジすか?」

 

「ああ。ぼくらも、君に会う前は、マラリアで倒れる子が何人かいたからね。治療薬はぼくが作れるとは言え、大変だったよ」

 

なるほどね?

 

「もう俺要らないんじゃないかな?」

 

「そ、そんなことはないっ!君は必要だ!」

 

「ほんとかなぁ?」

 

「本当だ!ぼく個人も、君のことは嫌いじゃない……、いや、好きだよ。いなくなるなんて、冗談でも言わないでおくれよ」

 

あら?

 

「突然の愛の告白?」

 

「と言うより、君を嫌ってる人間はこの村にいないぞ」

 

そうなんだ。

 

「まあとにかく、除虫菊っぽいのをとってきたから、どこに植えれば良いか教えてくれよ」

 

「分かった」

 

 

 

んー、まあね。

 

もう俺がやることが殆どない。

 

大まかな指示を出せば、周りが何とかする。

 

前みたいに、俺が駆けずり回る必要はないのだ。

 

そして俺は、社会で生きる生き物じゃない。

 

野山を駆け巡り生きる野人でしかない。

 

なので、この村という社会をより良くすることは俺にはできないのだ。

 

……そもそも、良くしてやる必要はないが。

 

まあ、可愛い女達が喜ぶだろうから、そこそこに働いてやろう。

 

まず、睦を呼び出す。

 

「何ですの?」

 

「なんかやりたい」

 

「……?」

 

「なんかすごいことやってお前らにもてはやされたい」

 

「そ、そうですか……。仕事はちゃんとありますわよ?」

 

え?そうなの?

 

「俺の仕事とは?」

 

「調停役ですわ」

 

そうして、俺は、ロングハウスの玉座に連れて行かれて……。

 

二人の男女が前に来た。

 

隣に控える睦に聞く。

 

「何これ?」

 

と。

 

「まずはお二人の話をお聞きになってくださいませ」

 

とのことなので聞く。

 

「じゃあお前」

 

と、俺は女……、警備部隊の輝夜だな。輝夜に話しかける。

 

「はい、村長。私は、警備部隊四番隊隊長の感信輝夜です」

 

「なんなの?」

 

「実は、こちらの男が、警備任務中の四番隊の隊員に、酒を飲ませて酔い潰してしまったのです」

 

「いやそれは……!」

 

男の方がなんか言おうとしたが、俺はとりあえず手で制した。

 

「黙れ、お前の言い分は次に聞く」

 

「は、はい」

 

「で、輝夜。お前はそれを止めなかったのか?」

 

「止めようにも、私が見ていないところで行われたのですから止めようがありません。それなのに私は、総隊長の正那さんに管理責任を問われて叱られてしまいました!私の信用が傷付いたのです!」

 

「なるほどね」

 

ふむ……。

 

じゃあ、次だ。

 

「で?お前は?」

 

男の方に目を向ける。

 

「はい!俺は、料理班の細微生斗(さいびいきと)です。能力は『菌類操作(ファンガスコントロール)』で、酒造をやっています」

 

なるほど、菌類操作と酒造は相性が良さそうだな。

 

「それで?」

 

「四番隊に酒を飲ませたとは言いますが、俺は料理班の班長の双夢さんに、みんなに試作した酒を飲ませて感想を聞いて欲しいと言われてたんですよ!」

 

なるほど。

 

「それに、四番隊の人達は、勤務中だとは言わなかった!だから、飲ませてもいいのかなって思ったんです!」

 

ふむふむ。

 

「それについて輝夜は知っていたか?」

 

俺が輝夜に訊ねる。

 

「いえ……、初耳です!あいつら……、叩き直してやるっ!」

 

なるほど、なるほど。

 

「じゃあ、話は決まったな。今回は、四番隊の隊員の怠慢だ。そいつらは罰として一週間の断酒と掃除手伝いでもやらせておけ。輝夜と生斗も、今後は気をつけるように」

 

「「はいっ!」」

 

こんなもんか。

 

で……。

 

「これが俺の仕事なのか?」

 

と睦に訊ねる。

 

「ええ、そうですわよ」

 

そうなのか……。

 

「貴方は、この村の長として、争い事の調停と、論功行賞をする必要がありますわ」

 

「上位者として、って事か?」

 

「そうなりますわね」

 

「良いのか?俺がやっても」

 

「もちろんですわ。貴方にはそれがふさわしいですもの」

 

「地球に帰るまでに人格が歪みそうだ」

 

「……帰れれば、ですが」

 

おや?

 

「帰らないつもりか?」

 

「帰ってもFB学園送りですから、ここで皆で生きていく方がマシ言う方もおりますわね」

 

なるほど……。

 

「だがまあ、何年かかるかは分からんが、帰る方法は探すぞ」

 

「ええ、もちろんです」

 




マジで何にもしないでスローライフする系の主人公、プロットを書いているのだが結局師匠キャラになったぞ!

やっぱり、隠棲する師匠キャラをモデルに書いてるからなあ……。

どんな感じか?

山に篭って生活して、そこにやってきた女の子達が勝手に弟子になり(主人公的には、家の軒先に野良猫が屯してるなあ、くらいの感覚)、勝手に主人公のことを観察して、勝手にそこから何かを学び、勝手に覚醒して強くなり、そして山を降りた時に勝手に「師匠はすごい!」とか言いふらす感じの話になりそう。



あと、ゴールデンカムイ読んでます。

くっそおもしれえ……。

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