ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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(*^○^*)


2話 能力の確認

唖然としているクラスメイトを放置して、俺はリンドと二人で城を出る。

 

国外追放らしく、三日以内にこの国から出ないと、見つけ次第殺すと言われた。

 

「お前を殺す」

 

「デデン!」

 

そんな話をしながら、二人で街を歩く。

 

街並みは……。

 

「「ナーロッパやんけ」」

 

中世風ファンタジー。

 

どんな街並みかを具体的に説明するのは怠いのでやらない。

 

詳しく知りたければなろう発のアニメでも見てくれ。大体そんな感じだ。

 

うーん、困ったぞ。

 

我々は陰キャオタクなので、人に話しかけられない。

 

他人が怖いよー他人が怖いよー。

 

はい、じゃあ早速、その辺の人にこの辺の地理を聞こうか。

 

「すいませーん」

 

「はい?」

 

果物屋のババアに話しかけた。

 

「この国を出たいんですが、あー……、そう!他国行きの乗合馬車とかありますか?」

 

「ああ、それならあっちにあるよ」

 

「ありがとうございます」

 

これでよし、と。

 

「ねえ」

 

ん?どうしたリンド?

 

「乗合馬車、運賃いるんじゃない?」

 

………………。

 

そりゃそうだな。

 

 

 

町外れに来た。

 

運賃の問題があるので、金を稼がなきゃならんことに気がついた俺達。

 

とりあえず、スキルについての話をする。

 

「俺は『天魔料理長』で、スキルは『屋台召喚』だ。リンド、お前は?」

 

「私は『黒十字軍団長(コマンダーオブブラッククルセイダー)』で、スキルは『黒の軍勢』だよ」

 

おほー。

 

「厨二乙!」

 

「はー?天魔料理長に言われたくないんですけどー?」

 

さて、とりま、スキルを使ってみるか。

 

まずは、リンドがスキルを発動する。

 

「えい」

 

すると、黒い魔法陣から、六人の騎士が現れた。

 

騎士は、ロングソードとホイールロックピストルを二丁腰に帯び、黒い鎧を着込み、黒い馬に乗った姿で現れた。

 

これは……、Schwarze Reiter(黒騎兵)ってやつか。

 

俺も、かつての厨二病の頃に色々と調べたもんだ。

 

「クルセイダーなのに十字軍要素が欠片もなくて草生えますよ」

 

「笑うなーっ!」

 

「金色やめーや」

 

そんな話をしてふざけ合っていると……。

 

「主よ……」

 

「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」」

 

とりあえず発狂しておく。

 

この騎士、喋れるのか。

 

「ほら、お宅の社員でしょ?ちゃんと挨拶しなさいとしあき」

 

「誰がとしあきよ!」

 

「あ、あの……」

 

騎士がおろおろしてる。

 

「ん?何よ?」

 

リンドが聞いてあげた。

 

「召喚してくださり、ありがとうございます。私はマルコです」

 

ほー?

 

個人名とかあるんだ。

 

「私は、この第一班の隊長です。今後ともよろしくお願いします、主よ」

 

ほへー。

 

 

 

リンドがマルコに聞き取りをしている間、俺は俺でスキルを使っておく。

 

「ほらよ」

 

おっと……?

 

何かこう、赤黒い魔法陣から、漫画でよく見るような、昭和のラーメン屋の屋台くらいの大きさの屋台が出たぞ。

 

まあ、屋台っぽいものは一通りあるな。

 

寸胴鍋、中華鍋、コンロ、包丁にまな板のような調理器具。

 

お?屋台の上にマニュアルが置いてある。

 

マニュアルは……。

 

白地に青い縁があり、表紙に赤色でVと描かれている。

 

うーん!V作戦!

 

読んでみる。

 

えー……、はい。

 

簡単に言えば、天魔料理長の仕様だな。

 

まず、天魔料理長は、自らの手で天魔を狩り食材にし、ついでに食材を生み出して調理するための身体能力と技能があるそうだ。

 

それと、料理に必要なものなら何でも出せるみたいだな。

 

あとは、作った料理には特殊な効果が付くとか?要するにアレだ、モンスターをハントするゲーム。

 

具体的に言えば。

 

・食材たるモンスターを狩れるだけの身体能力

・食材無限生成

・調理器具無限生成

・調理によって生成された料理は、食べると特殊スキルが付与される

・屋台の周りは絶対無敵バリアが張られる

・狩りもしくは調理したものが誰かに食べられるとレベルアップ

・レベルが上がればより良い調理施設や人員が生えてくる

 

そんな話をリンドにすると……。

 

「剣永はオトモ猫だった……?」

 

と言われた。

 

「ねこです。」

 

「申し訳ないが認識災害はNG」

 

「もしかしたらCVジョージのネコかもしれない」

 

「「うぉううぉ!うぉううぉ!うぉうおいぇいいぇい!」」

 

さて、それは良いとして……。

 

「で?お前は?」

 

「私はね、こんな感じかな」

 

黒の軍勢の仕様は。

 

・兵士の召喚。兵士は、餓えず、眠らず、裏切らず、命令には必ず従い、その上で人間並みの知能と兵士として必要な知識を持つ

・弾薬、兵装の無限生成

・自身か召喚した兵士が経験を積むとレベルアップ

・レベルが上がれば、より多く、より高性能な兵士、兵器を召喚できる

・兵士は、死んでも二十四時間後に再召喚すれば蘇る

 

「おっ、死の河か?」

 

「ロンギヌスランゼテスタメントの方かもしれない」

 

「獣殿かな?」

 

「まあ、まだクソザコナメクジだけどね」

 

「王者?王者王者?」

 

「まだよわい」

 

「ユニコーンのOP流すか?」

 

「νのOPが一番すこ」

 

と、そんな話をしていると……。

 

「あの……」

 

例の、召喚騎士マルコが話しかけてきた。

 

「何?」

 

「この町外れで話し込むのは、無用心では?」

 

うむ、正論のセイロンティーだな。

 

「マルコ、貴方達は周りを警戒してて」

 

とリンドが指示。

 

「はっ!」

 

マルコは、馬から降りてロングソードを抜き、周囲を見張った。

 

ふむ。

 

じゃあ、これからどうするかを決めるか。

 

「とりあえず、路銀集めに街で屋台とかやろうぜ」

 

「おk……、でも、営業許可とかあるの?」

 

「いらんだろ。街並み見た感じ、ナーロッパじゃん」

 

「せやかて工藤」

 

「ま、あらかじめ屋台やってる人に聞いてみりゃ良いだろ」

 

「セヤナー」

 




Twitterで、スーパーロボットものの主人公は自分は傷つかないで一方的に他人を攻撃したいクズ!とか言ってるおじさん湧いてて草。

そいつがロボアニメ界の雷十太呼ばわりされてて更に草。

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