ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ひいいっ!!!


29:デュラハンとの戦い

「ぐっ……、あ、あれは!デュラハン!!!」

 

倒れたノースが、咳き込みながらもそいつを見て叫んだ。

 

なるほど、首無騎士(デュラハン)ね。

 

闇色のフルプレートに身を包み、邪悪のオーラが迸るツーハンデッドソードを構える、首を含まない身長で8feetほどの騎士。

 

片手に自分の頭を抱えて、右腕で大剣を構えている。

 

「アデリーン、ノースを連れて退がれ」

 

「駄目よ!デュラハンは危険度等級にして三級なのよ?!一人じゃ危険……、いえ、そうでもないわね、あなたなら」

 

なんか納得された。

 

「退がってノースに手当てしといてくれ」

 

「ええ、分かったわ。但し、油断はしちゃ駄目よ!」

 

はいはい。

 

「ヴィクトリア、授業開始だ」

 

「えっ?!」

 

「良いから、よく見ておけ」

 

「は、はいっ!」

 

さて、デュラハンね。

 

どんなもんかね?

 

『話ハ終ワリカ……?』

 

へー、喋れるんだ。

 

「おう、待たせたか?」

 

『今生ノ別レダ、邪魔ハセン……』

 

ふーん、そんな口の利き方しちゃう?へー?

 

「まあ、精々教材になってくれや」

 

『参ル……!』

 

はい、授業開始。

 

凄まじい膂力からの袈裟斬りが飛んでくるが、俺の方が腕力が高いので、真正面から弾く。

 

『ヌウッ?!!』

 

デュラハン自慢の腕力を、更に上回る剛力で弾かれて、デュラハンに大きな隙ができる。

 

「はい、まず、こうして力で弾くのは、相手より腕力があるならこうして隙を作れるってのは分かるな?」

 

「は、はい!」

 

ヴィクトリアが返事をする。

 

「だが、お前にはできない。お前のSTR……、あー、筋力は、数値で表すと『14』ってところだ。一方で、このデュラハンは『22』はあるだろうからな。だからお前は」

 

『舐メルナ!』

 

「こうしていなすんだ」

 

俺は、デュラハンが放ってきた唐竹割りを弾くのではなくいなす。

 

「良いか、横からいなせよ。強い力ってのは、横からの力に弱いんだ。真正面から受け止めず、いなしてズラす」

 

「はい!」

 

『オオオオッ!!!』

 

「あとな、アンデッドっつっても人体だからな、人体で剣を振るとなると……、ほら、デュラハンの足見とけ!」

 

重心移動。

 

デュラハンは、前足に重さを込めて、そこを基点にして、腰の回転で横薙ぎに剣を振るった。そして、後ろ足は、回転のバランスを取るために重さを込めず、開くようにして、少し回していた。

 

足運びから横薙ぎの剣戟が来ることが分かっていたので、俺はしゃがんで避けた。

 

「分かったか?重心の移動と足運びから、次に来る斬撃の方向を読め」

 

「で、できません」

 

『貴様!』

 

「んー?じゃあまあ、少なくとも、足に力と重さが込められた瞬間には何か来るんだなーって思うようにしろ。今はそれで良いよ」

 

「はい!」

 

「因みに、こういう相手の動きの始まりを『起こり』ってんだが、達人はこれを読んでくるぞー。お前もそこまで至ったら、起こりの消し方とか学べよー」

 

「はい!」

 

俺が喋っている間は、適当に打ち込んで防御に専念させ、黙らせる。

 

『アアアッ!』

 

「ほら、肩よく見とけ……、動いたからホイ!」

 

デュラハンが振りかぶろうとする動作を見せた時、すぐに手を押さえて、行動を制限させた。

 

「な?起こりが見えれば、そこを押さえられる。すると、打ち込まれる前に対処できるって訳だ。これは何も人間だけじゃないぞ、獣にも起こりはある。足運び、肩の動き、目線、呼吸……、全てに気をつけて、気をつけ過ぎるな」

 

「はい!」

 

『……ウオオオッ!!!』

 

デュラハンは、裂帛の気合いの篭る掛け声を発して、体当たりを仕掛けようとして、重心を後ろに持っていく。

 

なので、俺はそれに合わせて前蹴りをしてやると、重みが後ろに回っているデュラハンは仰向けに倒れた。

 

「ほら、良くあるだろ?剣の心得がある奴と、達人とが勝負した時、そいつは何もできないで降参した!とかさ。アレは、達人側が『起こり』を読んで、何かする前に確実に潰されるから、何もできなくて降参した……、ってことなんだよ」

 

「な、なるほど!」

 

「まあ、このデュラハンは、所詮はアンデッドだからその辺関係なく殴りかかってくるけどな」

 

『アアアアアッ!!!』

 

「で、フルプレートな。相手はフルプレートだから、こうしてちょっと斬っても意味ないよな?」

 

俺はそう言いつつ、ショートソードの腹でデュラハンの尻を引っ叩く。

 

「はい!」

 

「こんな感じで生半可な攻撃をすると」

 

俺が、わざと反撃されるように、逆袈裟に打ち込むと。

 

『甘イ!』

 

大剣の根本で俺の逆袈裟斬りを受けると同時に、大剣の先端で俺の頬を斬ってきたデュラハン。

 

流石にやるわー。

 

まあ、俺は素で装甲点が10点くらいあるし、アダマースの護りの鎧もあるから、ノーダメージなんですけどね。

 

「こうして返されるから。上手いやつはこんな感じで攻防一体の攻撃を返してカウンターしてくるから、中途半端な攻撃ならしないで良いぞ。隙を窺え」

 

「は、はいっ!」

 

『馬鹿ナ……?!斬ッタ筈ダゾ?!!』

 

「で、だ。フルプレートは、表面を斬っても意味がない。メイスで殴れ。それが無理ならこんな感じで……」

 

俺は、斬りかかろうとして接近してきたデュラハンの、踏み込みの前足を引っ掛ける。

 

『オオオオッ?!!』

 

「組み打ちの技で転がしちまえ。フルプレートは、膝裏の装甲は薄いから、ここを突いちまえ」

 

「はい!」

 

裏側から膝を破壊されたデュラハンは、よろよろと立ち上がる。

 

「あとは脇も弱いぞ、こうして剣を振り上げたところで、脇を突いちまえ」

 

『グウウッ!!』

 

「人間なら、脇には大きな動脈があるから、大量出血で死ぬぞー」

 

こいつはアンデッドだから死なないけど。

 

「はい!」

 

「フルプレートの場合、基本は組み打ちの技で取り付いて、投げて倒して、鎧の薄い部分とか可動部を突く感じかなー」

 

『ウオオオオッ!!!』

 

「はい!」

 

そんな感じで授業を繰り返して、小一時間くらいデュラハンで遊んでたら、街の人々が段々と集まってきた。

 

闇の波動を感じ取った地母神神殿の神官達、要請を受けた冒険者達、野次馬達……。

 

人々の目にはどう写るだろうか?

 

弟子への授業と称して、三級冒険者が命がけで事に当たらないと対処不能なデュラハンという化け物を、子供扱いして転がしている俺を、どう見るだろうか?

 

さあ、一通り授業も終わったし、野次馬も充分に集まった。

 

終わらせよう。

 

「ま、こんなもんだ。よく覚えとけよ」

 

「ありがとうございました!」

 

『ヌウウオオオッ!!!』

 

「あ、お前はもう死んで良いぞ」

 

そう言って俺は、デュラハンの漆黒のフルプレートの上から斬撃を放ち、袈裟斬りに両断した。

 

今までの授業何だったの?って感じ。

 

「あ、俺は鎧の上からでも斬れるけど、お前はできないから真似すんなよ?」

 

「分かってますよ!」

 

『コ、コンナトコロデエエエッ……、ギャアアアーーーッ!!!!』

 

デュラハンは灰になった。

 

「「「「「「うおおおおおおっ!!!!」」」」」」

 

俺は、歓声を浴びながら、宿へと帰っていった……。

 

クエストクリアだ。

 




ラーメンがうますぎる。



あああもう駄目だ!

面白くない!こんなのは駄目だ!

マンネリ!

まあ、いきなり風味を変えると、いつもの俺の作品を読みたかった人が悲しむのはあるわね。

結局、その人のマンネリが一番ウケるのかもね。

実際、毎回奇を衒ってくる龍が如くとか、シリーズが進むごとにつまんなくなっていったもんなあ……。
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