ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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取り敢えず1話。


5話 おフランス

「次どこ?」

 

「……次の移動教室を尋ねるが如く気軽に聞かれたけど、人類史がかかっているからね?フランスだよ」

 

「ほーん、じゃ、フランス艦連れてくわ」

 

「え?何人かな?」

 

「二人」

 

「い、いやいや!艦娘はもっと沢山いるじゃないか!余裕を持って十人、いや二十人くらい連れて行ってくれた方が!」

 

チッ、チッ、チッ、チッ。

 

違うんだよなあ、ドクターロマン。

 

「ロマン、これは俺の勘だが、このグランドオーダー事変は人為的なものだ」

 

「なんだって?、……いや、そうか。レフ・ライノールの件からして、そう考えるのは自然なことだけど……、いやでも、いったい誰がこんなことを」

 

「それはまだ分からん。でも兎に角、人為的なものだってのはお前にも分かるよな?」

 

「あ、ああ、恐らくはそうだね」

 

「じゃあさ、次の特異点……、いや、全ての特異点を観測しているんじゃないか?その、黒幕ってやつは」

 

「……その可能性は、十分にあるね」

 

「そこにいきなり最大戦力を出したら対策されない?」

 

「……うーん、あり得るかもだ。もしもの仮定の話ばかりだけれども、切り捨てるにはあまりに大きなリスクがあるね」

 

「戦力足りなきゃ次元転移で連れてこりゃ良い。まずは戦力の総数を隠すべきだろ。敵さんもまさかこっちが百人体制でいるとは思わんだろ?」

 

「うん、そうしよう」

 

そういうことになった。

 

 

 

次の特異点の攻略に向けて話し合いをした後、訓練期間を挟んだ。

 

訓練期間の最中に、サーヴァントをより強くできないかなど、色々と調べた。

 

白露型や財団などの調査の結果、サーヴァントには霊基再臨というパワーアップがあるそうだ。

 

なんか、強くなるんだって。

 

黒井鎮守府の魔力炉心からとれる魔力の塊……、通称「種火」を、サーヴァントに流し込むことにより強化、一定ラインまで強化されたら、霊的なアイテムを混ぜ込み、限界突破して強くなる、みたいなシステム。

 

その、種火の流し込み方だけど、白露型は外科手術とか注射とか粉のまま吸引とかにする気でいたみたいだけど、それは絵面がヤバイので、急遽俺が、割った種火入りの石から魔力が漏れ出て、割った人の体内に入るという優しい形式に変更。

 

召喚されたサーヴァントさん達はパリンパリンと種火石?種火クリスタル?を割っている。

 

つーか仕事が忙しい。

 

何故か知らないが、俺が全体指揮執らなきゃならないっぽい。

 

そうじゃないとまとまりがつかない。

 

アベンジャーズにやらせると一部が反発してまとまらないし、財団にやらせると非人道的なことやるから批判が来る。

 

かといって悪の組織にやらせる訳にもいかないし、グラップラーは基本脳筋。リーダーシップがある奴は多いが、リーダーシップと指揮能力はまた別。

 

カリスマやリーダーシップがある人は人に言うことを聞かせられるだろうよ、けど、その指示が間違ってたらどうする?

 

この陣営は善悪、混沌と秩序、全てがごった煮。

 

つまり、中立中庸の俺がやるしかない。

 

まあ、仕事の多くは有能な部下(主に大淀)がやってくれるので、俺の負担はそうそうないが。

 

それでも、働かなきゃならないのは辛い。

 

俺は週七で休みたい。

 

オルガマリーがポンコツ気味なのも良くないよ?

 

ロマンも頼りにならないし。

 

あの二人、知識はあるんだけどカリスマもリーダーシップもまるでないからね。

 

つまり俺は二人に代わってカルデアの指揮も執らなきゃならないのよ。

 

いや、一応重要書類とかには目を通してもらってるけど、基本は俺がやる。

 

だって、たったの七徹も無理って言うし、速読速記、並列思考もできないとのことで。

 

人並の事務能力しかないからねえ。

 

 

 

一方で立香はしっかりと色々な訓練を積んでいるそうだ。

 

オルガマリーが基礎的な魔術を教えクー・フーリンニキと頼光が基礎的な武術を教え、俺が暇な時にサバイバル術とか応急手当とかを教える。

 

「ほら立香、応急手当教えるよ。まずこんな風に矢が刺さった時の話だけど」

 

「ぎゃーーー!!!旅人さんーーー?!!!何考えてるんですか、自分のお腹に矢なんて刺して?!!!」

 

順調だ。

 

 

 

そしてハイ、やってきましたレイシフト当日。

 

「はい、まーね、前回の特異点はね、チュートリアルみたいなもんだったからね。今回から本番だよ、本番。皆さん、気合い入れていくように」

 

俺がみんなの前で宣言。

 

「旅人の言う通り、今回のレイシフトは、前回よりももっと困難なものになると思われるわ。覚悟はいい、立香!マシュ!」

 

オルガマリーが檄を飛ばして。

 

「「はいっ!」」

 

さあやりますか人理修復。

 

 

 

 

 

「この時代の戦争は……」

 

「へーえ」

 

百年戦争の最中のフランスらしい。

 

ほーん。

 

マシュが立香に解説しつつ、マタ・ハリ、クー・フーリン、源頼光、俺、コマンダン・テスト、リシュリューの布陣。

 

戦闘能力的には、俺、マシュ、立香、マタ・ハリはまあ、怪しい感じだが、クー・フーリンニキと頼光さん、テストとリシュリューはアタッカーとして優秀だ。

 

俺とマシュでタンクやりつつ、攻めてもらえば割といけるんじゃないかな。

 

サーヴァントの皆さんには、種火を割ってもらったし、うちの備蓄……、色んなマジックアイテムで霊基再臨を何度かしてもらったし。

 

ホムンクルスの幼体とかうちで余裕で作れるんだよなあ。

 

「あっ、皆さん、あれを見て下さい!フランスの兵隊さんです!話しかけてみましょう!」

 

とマシュ。

 

「駄目だ!」

 

「え?ええ?な、なんでですか?取り敢えず、この特異点で何が起きているかを知るためにも」

 

「いや、頭ごなしに駄目だと言った訳じゃない。でもね、マシュ。君は自分を客観的に見れないのかな?」

 

「はい?」

 

脇!臍!太腿!全部出てる!そして大楯!

 

「そんな格好で出て行ったら警戒されるよね?ねえ?」

 

「は、はい」

 

「マルガレータ」

 

「はあい」

 

あ、マタ・ハリ……、マルガレータとの仲は良いよ。

 

さて、俺も着替えて、と。

 

「マルガレータ、君は旅芸人一座の踊り子。俺はバイオリン弾きで一座の団長。おけ?」

 

「オッケーよ。そう言う設定でいくのね」

 

『成る程、考えたね!その設定なら怪しまれずに接触できる!』

 

『確かに、青タイツの男とか、和風鎧の女とか、怪しいものね……』

 

カルデアのロマンとオルガマリーが言う。

 

さて、現地人と接触してみようか。

 

「兵隊さん、ちょっと良いかな?」

 

「む?何だ……?旅芸人か何かか?」

 

「そうなんですよ!ですが、ちょっと困ってまして」

 

「どうしたんだ?」

 

「実はですね、私達には何人か仲間がいるんです。でも、そいつらは、ちょっとおかしな格好をしていまして。もしかしたら、兵隊さんを驚かせてしまうかと思い、あらかじめまともな見た目の私とこの踊り子が挨拶をしに来たのです」

 

「そうか」

 

「ですから、おかしな格好をした集団がこちらに来るのですが、兵隊の皆さんは、どうか驚いて武器を向けるようなことが無いようにして欲しいのです」

 

「……うむ、分かった。その代わり、もし良ければ、うちの兵士達に何か見せてくれ。気晴らしでもなければやってられないぞ……、うう……」

 

ふーん?

 

何かあったのかね?

 

まあ、詳しく聞くのは後だ。

 

みんなを呼ぼう。

 

 

 

立香達を呼んで、砦の方に来たが、砦はボロボロだった。

 

「おかしいですね、この頃は休戦していたはずなのに……」

 

訝しむマシュを他所に、俺は約束通り、兵士の気晴らしをしてやった。

 

立香は見習いと言うことにしたが。

 

「さあさあこの青い男!世界一の投げ槍の名手だ!このように的を投げれば!」

 

「お、おお、的当てか?」

 

「ご覧のように全てど真ん中!こちらの異国の女は弓の名手!的当てならば!」

 

「え?こ、こうかしら?」

 

「百発百中!こちらの女は怪力自慢!巨大な盾を持ち上げております!」

 

「か、怪力、ですか?」

 

「さて、最後は、兵隊さん達に、私渾身のバイオリンと、この美しき踊り子マルガレータの踊りを披露!!」

 

「「「「おおお……!!」」」」

 

と、芸を見せて、警戒心を解いたところで、インタビュータイム。

 

「え?!シャルル7世が死んだ?!」

 

「ああ、魔女の炎に焼かれたんだ……。ジャンヌ・ダルク。蘇った竜の魔女にな……!」

 

なにそれこわい。

 

話をまとめると、ジャンヌ・ダルクが復活して、フランスを焼いて回っているそうだ。

 

自らを見捨てたフランスに復讐するつもりらしい。

 

ほーん。

 

『っ!?魔力反応だ!』

 

お、敵か。

 

「や、奴らだ!倒せ!!」

 

んじゃ、一丁やりますか。

 




最近忙しくて書けねー。

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