最悪ですね。
母上との再会も辛いものだったのですが、これはあまりにも……。
「うおーっ!ハーフリングだ!あんたは子供なのか?大人なのか?」
「ひゃい?!わ、わたわた、私、今年で三十四歳ですけど……?」
「はっはっは!嘘を吐くな!お前のように若々しい三十代がいるか!俺は二十八だぜ?!」
「はいはい、やめなよ坊ちゃん。女の子に絡まないの」
「むっ!何だ、中年男!俺は騎士たるものとして紳士的騎士道を貫いているが、中年男は騎士の守る対象じゃないぞ!」
「何言ってんの君?騎士様なら、無辜の民を守ってこそでしょ?」
「何を!」
「ひぃぅ〜!喧嘩はやめてください〜!」
こんなのを率いるのですか、私は……?
はぁ……、仕方がないですね。
こんな私と組んでくれるだけありがたいというものです。
なんとか、まとめてみましょう……。
「皆さん、よろしいでしょうか?」
「ああっ?!何だよ?!」
「パトリシオさん」
「だから、何だよ?!!」
「パトリシオさん」
「な、何だよ……?!」
「落ち着いてください、貴方は素晴らしい騎士です。無辜の民を相手に喧嘩騒ぎなど、騎士には相応しくないかと存じます」
「……う、分かったよ。謝罪するよ」
「貴方もですよ、レッドラムさん。他人を追い詰めるような詰問は避けてくださいますと助かります」
「お、おう」
……ふむ。
なるほど。
あのお方……、シバさんはやはり流石ですね。
破落戸ではなく、諭せば話を聞いてくれる人々をパーティメンバーとして選んでくださったのでしょう。
こうして、説得をすれば聞いてくれる……。
案外、私にぴったりのパーティメンバーなのかもしれません。
私は口が上手いそうですので。
では早速、打ち合わせをしましょうか。
私はそう提案しました。
幸いにも、「このまま依頼を受けて敵地に突っ込むぞ!」という蛮勇の持ち主は居ないようですね。助かります。
あまりにも詳らかに話すことはよくありませんが、「何ができて何ができないか?」くらいはお互いに事前に表明しておきたいものです。
「まず、私から。私は軽戦士(フェンサー)としてある程度の剣技と、魔術師(メイジ)の呪文を補助程度に使えます。ご覧の通りにハーフエルフでして、直接的な耐久力や筋力は人並み程度です」
「へえ、剣は細剣か?」
パトリシオさんが、そう私に訊ねられました。
「ええ。貴族の決闘などによく用いられる細剣ですね。それとマンゴーシュを使っています。対モンスター用に少し型を変えておりますが、原型はそれですね」
「ああ、決闘剣術か。蛮族にはよく効くんだよなあれ」
確かに、パトリシオさんが言う通りですね。
決闘剣術は、人型の生命体である蛮族に対しては効果覿面です。
人体を効率的に破壊することと、自身が受けるダメージを最小限にすることを目的とした決闘剣術……。
大鬼(オーガ)などの、あまりにも大きく強靭なものでもなければ、大抵の蛮族はあしらえます。蛮族は、戦いに技術を用いないので。
「使える呪文は『輝く粉塵(グリッター・ダスト)』や『転び油沼(タンブル・グリース)』などの低級の召喚術と、『魔力硬化(ハーディング)』や『敏捷強化(アジリティ・アップ)』などの変性術を嗜む程度に可能です」
「破壊術は?」
「『魔法擲弾(マジック・ミサイル)』や『焦熱光線(スコーチング・レイ)』くらいまでなら」
「それだけできれば上出来だな」
……まあ、奥の手はいくつかありますが、ね。
「じゃあ次は俺だな。俺は騎士だ、鎧と剣、そして盾で戦うぜ」
確かに。
豪奢な鎧と……、あの盾の紋章。
赤色の盾に黄色のフェニックス……。
あれは確か、軍人貴族のノートン家のものだったはず。
生憎、私の貴族としての知識はそこそこ止まりなので詳しくは分かりませんが、彼がノートン家の分家の家系にあることくらいは分かりますね。
所作の華麗さは中々隠せるものではありませんし……、立場としては分家の三男以降辺りでしょうか?
スペアのスペアの、そのまたスペアの……と、立場は低いのでしょうが、家柄から躾はしっかりと受けていると言う印象。
歩き方も武人らしい確かなもので、信頼ができそうです。
「俺の家系は代々軍人で、俺も六歳の頃から十年間、騎士としての訓練をしてきた!だから、馬や陸蜥蜴なんかを操れるし、体力もあるぜ!」
なるほど。
騎乗ができるというのは、実は中々冒険者には居ないのです。
馬は高価ですからね。
それに、馬に乗って戦えるのは更に少数ですから……。
何で冒険者やってるんでしょうか、この人?
「次は俺だな。俺は、まあ、ちょっとした斥候だ。戦闘じゃあナイフを使った援護程度しかできんが、身軽さには自信がある」
「他は?」
「ん、まあ……、走れば襲歩の馬くらいは速度が出せるぞ。飛べば、この建物の二階の窓に飛び付ける」
「そりゃ凄いな!あんた、結構な凄腕じゃないか!」
確かに……。
パトリシオさんの言う通りですね。
冒険者でも、熟達した斥候ならば、馬並みの速さで走れてもおかしくはないのですが……、それはあくまでも本当に「熟達した」者のみです。
ほんの数分だとしても、馬並みの速度で走れるのは凄まじい技能で、そしてそれを持つのは相当の熟練者の証であるという訳です。
私も素早さには自信がありますが、流石に馬よりは遅いですしね。
「あとは鍵開けや罠を見つけるのはまあ、人並みにはできるつもりだ」
ふむ……。
確かに、自分でナイフで切っているのであろう髪はボサボサで、無精髭の汚らしい感じですが、嫌な匂いはしませんね。
臭いを消すのは、斥候としての基礎ですから、信頼できます。
装備も、使いやすい革箱詰めの鍵開け道具と、上等なロングナイフを腰に帯びています。
手指のうち人差し指、中指、親指のみが露出した手袋も、指先の感覚を損なわないための賢い工夫……。
特に、足回りをしっかりと意識して、ちょうど良いサイズのブーツを履いているのも素晴らしいです。
装備を見れば、その人間の実力も察せられるというもの。
彼、レッドラムは、服装そのものはだらしないですが……、それすらも恐らくは擬態。
勝手な予測ではありますが、元は密偵か、暗殺者か……と言ったところでしょう。
「わ、私は、商業神様に仕える司祭です。物品の鑑定が得意で、特に宝飾品や魔導具には詳しいつもりです」
そして最後に、ハーフリングのリリーさん。
彼女もまた、実力者ですね。
ハーフリングらしい小さな背丈ですが、神官戦士としての修行はしっかりと積んでいるらしく、重心がどっしりと安定しています。
チェインメイルを着て、盾とメイスも持てている辺り、筋力はハーフリング離れしていると言えますね。
「魔法はどれくらい使える?」
パトリシオさんが訊ねます。
「重要な『重傷治癒(キュア・シリアスウーンズ)』を日に五回くらいしか使えませんけど……、その代わり、商業神神官として『修復(リペアレーション)』や『聖餐の要求(サクラメント・リクエスト)』みたいな、少し変わった術を使えます」
「……何だそれ?聞いたことないぞ?」
「えっと、『修復(リペアレーション)』は、壊れた物品を応急処置する術です。ちゃんと専門家に見せるのには劣りますけど、ちょっとした刃の欠けなんかはすぐに直せます。そして『聖餐の要求(サクラメント・リクエスト)』は、四人分のパンとワインを出す術ですね。味はそんなに良くないんですけど、お腹は満たせます」
「へえ……!そんな魔法があるのか!知らなかったぜ!」
私も驚きました……。
そんな術が世の中にはあるのですね。
とにかく、このメンバーは信用できそうです。
早速、仕事をしてみましょう……。
だみだあ、ダンジョン配信もの、8話で手が止まる。
やっぱりインプットがないとダメだな、もっと読まなきゃ。
一方で全然関係ない異世界転移召喚士ものが20話書けた。今は金の力と戦闘能力で頭角を表して、金を援助してもらう代わりに爵位をあげますって感じの貴族女を娶って成り上がり!みたいなところを書いてる。クズが主人公だとスイスイ書けちゃうね!思考回路が似通っているので。
MODつきTESパワー持ち転生ものも書きてえー……。
えっちなエルフのおねーちゃんとか、吸血鬼ロリガキとか、美少女嫁NPC侍らせながら真面目にやってるストラテジー系ファンタジー世界を踏み荒らして蹂躙する話書きたいよー。なんかアンチものっぽい内容だけど、原作なしのアンチなら怒られないので多分安心!