高原戦士(ハイランダー)の男ヒューマン、オリバー。
野伏(レンジャー)の女ハーフリング、チャコ。
神官戦士(クレリック)の男ドワーフ、ゴルム。
どこからどう見ても面白いので、俺はこいつらに声をかけた。
「俺をパーティに入れてみないか?」
「何ができる?」
オリバーが問いかけてくる。
何でも、と言いたいところだが……、少し抑えようか。
「剣と魔法を嗜む程度に」
「……そうか」
オリバーの額の皺が、更に深まる。
俺の言葉を全く信じていないようだ。
まあそうだろうな、ある程度の実力があれば、相手の力量をなんとなく察せる。
その点、俺は自分の力を隠すような素振りはしていないからな。
見る人が見れば分かるだろうよ。
「……魔法で変身した『古代龍(エンシェント・ドラゴン)』かのう?」
「……神族かもしれない」
ゴルムとオリバーがコソコソ相談しているが、その辺はちょっとよく分からないです。ストーリーの深読みをして楽しむのはプレイヤーの自由なので……。
俺の強さは何となく察せても、まさか一般通過邪神とは夢にも思うまい。
恐らくは、人に化けた龍種か何かだろうと予測した彼らは、「俺の機嫌を損ねないため」という意味合いも込めて、笑顔で俺を受け入れた。
なんかちょっと辛いな?
とりあえず、連携の確認などの意味も込めて、軽い依頼を受けることになった。
「これなんて良いんじゃない?」
チャコがクエストボードから引き剥がしたのは、ありふれた蛮族退治の依頼。
フガス村に現れた『豚頭鬼(オーク)』の集団を退治する、みたいなものだ。
皆、手頃な依頼だと認識したらしく、満場一致でこれを受けることに。
しかし、疑問だな。
「王都の近くなのに、蛮族が湧くのか?」
俺は訊ねる。
普通、モンスターを野生動物と捉えるなら、田舎の方が数が多くて強いはずだ。
王都の方がモンスターが多くて強いだなんて、ゲームじゃあるまいし……。
「ああ、そりゃね、やっぱり王都の方が豊かだから。略奪しようとして、蛮族が集まるでしょ?」
チャコはそう一言言って、また言葉を紡ぐ。
「で、蛮族って大抵、モンスターを手懐けてるじゃん?ゴブリンならウルフを飼ってるし、コボルトならリザードやスネーク、デモンピグミーならジャイアント・センチピードやジャイアント・スパイダーを使役してる」
「ふむ?」
「そんな蛮族共が連れて来た家畜であるモンスターは、主人である蛮族達がやられた後も放置されていてさ。結果として、王都周辺には何だかんだでモンスターが多いんだよね」
その分、アタシらみたいなのの飯の種になってくれる訳だから、モンスター様々だけどね!と笑う辺り、このハーフリングの女も中々に混沌側のアライメントだな。
「じゃあ、オークは何を使役しているんだ?」
チャコの知識判定……。
「オークはね、ハイエナとかハゲタカとかを使役してる感じかな。自分達の殺した相手の腐肉を食わせてるらしいよ?」
成功。
なるほど、そう言うタイプか。
「特にハゲタカは厄介なんだよねえ、空飛んでるのは私しか対処できないからさ。……そうだ!旦那って魔法使えるんでしょ?遠距離まで届く術ってある?」
「マジック・ミサイル(みたいなの)程度は使えると思ってくれて良い」
「良いね!低級の呪文だと思うけど、そういう小回りが利く呪文の方が組織的に動く時には助かるんだよねー」
確かに。
俺のこの肉体のビルドは、ハナから単騎で探索戦闘全部やろうってもの。
必然的に、使える呪文なんかは無差別範囲攻撃なんかが多い。そもそも、こっちの世界の魔法は、俺の世界の魔法と規格が違うようで、仕組みが異なるんだよね。
分かりやすく言えばシステムが違う。こっちの世界は初版のファンタジーTRPGの判定で、あっちの世界の呪文は最新版の探索系TRPGの判定。
具体的には、この世界では、呪文は『セービングスロー』によって回避したり軽減したりするのに対して、あっちの世界の呪文は『MND値やVIT値』などで直接対抗し、基本的に『必中』だ。
『必中』である為、基本的には、呪文から身を守るには護符や対抗呪文なんかを常に張っておかなきゃならない。しかも、威力も割と洒落にならないからな。
その辺は、キャラを育てることに面白味を見出すファンタジーTRPGと、事件そのものに主題がある探索系TRPGの違いだな。どちらが上か?って話ではない。
まあそんな感じなので、俺はまだこちらの世界の呪文はあまり分かっていないので、他人の前では俺の世界の呪文をそれっぽく偽装して使っている訳なんだよ。
先ほどのマジック・ミサイルが使えます!と言うのも嘘で、マジック・ミサイルっぽいような呪文が使えるだけだ。
……そう言われると、チームプレイは意外と良い縛りになるかもな。
周りのプレイヤーを壊さないように、上手くプレイするのは中々に面白そうだ。
おっと、それはそれとして、こいつらの話も聞いておかないとな。
見ただけでキャラクターシートが脳内に浮かんでくる俺は、わざわざ相手のスペックを聞く必要なんてないが、冒険者としてその辺の話を全くしないようでは疑われてしまう。
「よし、じゃあちゃんと打ち合わせするか」
「うん」
「とりあえず、俺は魔法と剣を使う。剣技は対人寄り、魔法は破壊と足止め、それと無差別な範囲破壊を嗜む程度に」
「アタシは斥候だね。短弓を中心に剣鉈を少し。魔法は使えないけど、鍵開けは自信あるよ!」
「俺は元兵士だ。高原の兵士達が扱うクレイモアの技術に習熟している。オーク程度なら、上手く当てれば正面から頭を叩き割れる自信はある」
「儂は神官戦士じゃな。呪文の枠(スロット)を近接戦闘のための補助魔法に割り振っている部分が多いため、回復系の術は五回が限度じゃ。だが、前に出て戦うことも得意じゃぞ」
なるほどね。
バランスは良いな。
「では俺は中衛として立ち回り、魔法による補助や攻撃に専念するとしよう。もちろん、近づいてきた敵は倒すから、ある程度は後列に通してもらって構わない。……これで良いか?」
「うん」「ああ」「うむ」
そうして俺達は、準備をしてから、フガス村へ向かった……。
書き溜めがもうないので、新作を投げることになります。
アンケートよろしく。
それはそれとして、なんかこう……、某メガテン二次創作みたいなの書きたい。
中近世くらいの地球のようなファンタジー世界に、日本人の「俺ら」が五万人くらい転生!
「俺ら」は、それぞれがチート能力を持っていて、そのチート能力は自分の子孫に受け継がれる!このチートは、このファンタジー世界で言う「魔法」で、神子の証とかそんなん。
天皇陛下の俺らの指揮の下、征夷大将軍の俺らや武士俺ら、陰陽師俺らが一体になったりならなかったりして巨大帝国を作り上げていく!みたいな。
掲示板方式で話を進めて、最初の10話もしないうちに三十年間くらい一気に時を飛ばします。
その後は、現地人の視点から神子である「俺ら」がどんな感じなのかを見ていく、みたいな。
基本的に世界観は、年代は江戸時代くらいで、世界には「怪異」というものが出てきて人を殺しまくる設定。ヨーロッパ的な国では人狼やら吸血鬼が出るし、日本では妖怪が出て人を食う。
ごく少数ながらも、「怪異」に対抗できる人がいて、それは「陰陽師」や「魔女」や「祓魔師」とかいう奴ら。とは言え、こいつらも中級上級レベルのちょい強怪異と出会えば手も足も出ずに殺される。
俺らこと「神子」は、生まれながらにして「魔法」を行使できる存在で、その血の一滴すら神がかり的な退魔素材となり、神子の子供にも才能が受け継がれるので、現地人はみんな胤ほしい。最大宗教「十字教」も、創始者は「神の子」だったらしい。
俺らはソシャゲで言うSSRが基本で最低でもSR才能の能力を持つが、現地人の九割はノーマルでたまにレアがいるくらい。
完成した「俺らの国」は、高度に発展し過ぎてサイバーパンクかな?みたいになっていて、転移魔法ポータルゲートがそこら辺にあり、単純労働はゴーレムがやってくれて、「俺ら」はやりたいことを好きなようにやって生きてる。
簡単に言えば、複数転生者が作り上げた「ぼくのかんがえたさいきょうの日本」を、国内の一般人や外国人、外国の戦禍から逃げてきた難民なんかが、どんな風に見ているか?どんな風に救われているのか?を延々と見るだけの山もオチもない話。
でも見たいでしょ?
海外の戦禍で手足を失った女の子が、「俺らの国」であっさり治療され、その辺の農園で雇われて幸せに暮らすところとか。
リアルシムシティがしたい「俺ら」が、「整地に邪魔なんだよなあ」とか言いながら現地人が必死に封印してた「呪われた地」をプチっと潰してジャスコ建てたりとか。
海外からは「文明の遅れた東洋の猿」扱いだったのが、ほんの数十年で「俺ら」が国を改革して、海外の全てを追い越して「千年先の技術を持つ大国」にしたりとか。
秘境の民「獣人族」を大規模に受け入れたりとか。
可哀想な難民の皆さん視点で、エキゾチックな謎の国「俺らの国」と力がある癖によく分からん行動ばっかやってる「俺ら」を見ていくとか。
主人公らしい主人公はいないオムニバス形式、色んな視点から世界の推移を見守る感じでね?