ガウェインが強いとか言ったけどバーサーカー三体で殴ったら死んだぞ。
バーサーカーとバーサーカーでバーサーカーがカブってしまった。このカルデアはバーサーカーで十分なんだな。
「ん、んん……?」
「お、おはよう、ミスタードラゴンスレイヤー」
「……ジークフリートだ」
「知ってるけど」
「………………俺を捕らえてどうする気だ?」
「ファヴニール、だったか?あれって、アンタが退治したんだろ?もう一回同じことをやれと言われて、できるか?」
「……難しいな。この傷では……」
「……ふーん、呪いか。これは俺じゃ解除に時間がかかり過ぎるな。複数あるし。あ、一つくらいは解けるわ。えい」
「む……、すまない、大分楽になった」
はい、と言う訳で、ドラゴンスレイヤー、ジークフリート氏をゲッチュ。
話し合いをした結果、協力はするけど、呪いが解けないと戦えないよ、みたいなことを言われる。
そっかあ。
で、聖女マルタが敵側で呼ばれたなら、呪いが解けるような聖人がこっち側にも呼ばれてんじゃね?って話になった。
うん?
そう、なのかな?
よく分からんけど。
さて、その後は二手に分かれてフランスの中で聖人探し。
マリーさんとジャンヌ、マルガレータとニキと頼光さんはあっち側、マシュ、立香、俺、モーツァルト、艦娘二人とジークフリートはこっち側と別れた。
あっち側には通信機と当分の間の食料を渡しておいた。
さあて、聖人、探そうか。
とは言え、見つけるのは楽だろう。
俺はその気になれば半径数十キロは見回せる。
割と簡単に見つかると思うよ。
もちろん移動はバス。
取り敢えず、近くのティエールって街を目指す。
すると、街から炎が。
「……碌でもない予感がして震えが止まらないんだが」
と、モーツァルト。
「でも行かない訳にはいかない訳でしょ」
と、俺がハンドルを切った。
そこでは……、うむ。
エリザベートと清姫、だそうだ。
ほーん。
敵ではないっぽいな。
「ぐうう、耳が死ぬ……、このクソ共が……、あ、いや、いけないいけない」
キレるモーツァルト。
あたふたするマシュ。
『話の途中で悪いがワイバーンの群れだ!』
湧いて出る敵。
あー、もう。
「やっちまえ、テスト!リシュリュー!」
「「了解」」
敵は全滅、二人のサーヴァントは沈黙。
丸く収まったな!
やっぱりね、暴力は手っ取り早い解決方法だよね。
俺としては穏便な方法で事を納めたかったけどね、完全に頭がヒットしちゃってると話が通じない!通じにくい!
リシュリューが叩きのめした清姫さんが、ゲオルギウスと会ったって言ってた。
ゲオルギウスはマリーさん側にいるっぽいね。
あ、通信。
『こちら側にもう一人の私が攻めてきました!今、マリーと、クー・フーリンさん、マタ・ハリさん、頼光さんで応戦しています!』
あー。
「取り敢えず俺は転移してサポートしに行くわ。みんなはここで待ってて」
「旅人さん?!」
「じゃ」
転移先で暴れるジャンヌオルタを見る。
美人だなあ、俺は殴れないや。
さて、俺は分身して避難の手伝いと敵の妨害を繰り返す。
「クソ!この!!」
「あれあれー?こっちに余所見しちゃって大丈夫なのかなー?ニキィ!!やっちまえ!!」
「おうよ、そりゃあ!!!」
「ぐ、こ、の、三流サーヴァント風情が……!!!」
「にしてもオルタちゃん可愛いお尻してるねえ。ジャンヌ本体にセクハラするのは良くないから君にちょっかい出すわ。はいスカートぺろーん胸元ぺろーん」
「やっ、やめなさい!!あっ!このっ!ゴミクズがあっ!!!」
「今だニキやっちまえ!!!」
「そりゃあ!!!」
「うあああああああ!!!」
マジギレ発狂状態のジャンヌオルタを更に挑発して、街から引き離す。
「ほーら、こっちこっち!あんよが上手あんよが上手ー!」
「殺すっああああ!!!ぶち殺すぅぅぅ!!!!」
「ヤメルンダ!憎しみに飲まれてはならない!フォースを信じるのじゃ!」
「うるっさいわよ!!!ただじゃおかないわ!!!」
「いやー、さっき下着破っといたから胸が走る度に震えてええわー。あ、これ録画してるからね、一生残るよ。人理修復の暁にはエックス◯デオズに投稿するね。フゥー、おっぱいぷるんぷるーん!!!」
「あああああああ!!!!」
おー、怖。
逃げよ。
「ただいまー」
「あ、旅人さん!大丈夫だったの?!」
「散々煽ったあと転移で逃げたからすっげー怒ってると思うよ」
「え、あ、そうなんだ」
「まあ、怒らせたところで何ができる訳でもないしね、いーのいーの」
まあ、全員生還って感じで。
感想?
シャルル=アンリ・サンソンがキモかったなー、って感じ。男のヤンデレとか誰得?
てな訳で、ジークフリートの呪いをジャンヌとゲオルギウスが解いた。
俺も別に聖人じゃないけど、術式関係を弄ってちょっとサポートしたかなー、って感じ。
「これで戦えるな……、ありがとう、マスター。これからは力を貸そう」
「ありがとう、ジークフリート!」
さて。
「じゃあ、早速オルレアンに向かおうか。近くの森で野営して、朝に攻める感じでどうかな?」
と、俺が提案。
「良いと思います、それでいきましょう」
とジャンヌ。
「立香、それで良い?」
「うん、大丈夫」
はい、決定。
「「……え?私達は?」」
エリザベートと清姫。
「あ、帰って良いよ」
「な、何よそれ!酷くない?!」
「だってもうこの前、バートリー・エリザベートを倒しちゃったしなあ」
「えっ」
「君、やることないよ」
「そ、そんなあ!」
「清姫ちゃんも、ここには安珍はいないよ」
「安珍様が、いらっしゃらない?」
「そうだね。まあ、付いて来たいなら来ても良いと思うよ」
「「行く!!」」
あ、そう。
オルレアンの前の森で最後の野営。
「うっし、今夜は美味いもの食ってゆっくり休んで、明日の戦いに備えよう!」
俺が野営と料理の準備を始める。
「じゃあ、私達は周囲の敵を掃討して、野営に備えますね」
と、ジャンヌが気を利かせて敵を潰して来てくれる。
「あ、ちょっと待って、これ」
「……これは?」
「松明」
「見ればわかります。けれど、松明なのに熱くありませんし、火も燃え移らず、燃え尽きないだなんて、何ですかこれは?」
「松明」
「で、ですから、物理的にあり得ないかと」
「そんなもんよ。これを等間隔に周りに置いておくと、モンスターが湧かなくなるから。これを湧き潰しと言います、主にトラップタワーを作る時とかに使うテクニックね、覚えておこう」
「はぁ……。兎に角、これを置いて回れば良いんですね?」
「そう、お願いね」
「はい、では行ってきます」
そんじゃあ俺は木を伐採して家建てて、バッテリー、ウォーターサーバー、コンロにベッドと。仮設トイレも置いとこう。
良し。
作るか。
「あらあら、いつにも増して豪勢ねえ」
マルガレータがそう言って笑う。
「おう、明日は決戦だからな、腹一杯食べなきゃ駄目よ」
「帰ったら宴会だー、って、また豪勢にして騒ぐじゃない」
「まあその辺はね、多少はね?」
許してくれ、性分なんだ。
「……勝てるかしら」
「さあ?」
「さあ、って」
「どうにかなるし、どうにでもなるさ。俺はこの程度の危機、幾らでも乗り越えてきた」
「……そうね、なるようになる、わよね」
「ああ。やることは変わらない。死力を尽くすだけのことさ」
「おお!豪勢だな!」
「おー、槍ニキ。豪勢だとも!勝ったら宴会でまた騒ぐぞー!」
さあ、オルレアン攻略。
行くか。
次は楽しいオルレアン攻略編。