ホームセンター、カインドハウス。
海堂一家の元に、二十人ほどの避難民を引き渡した。
「って、うええっ?!山岸の姐さんじゃないっすか!」
海堂一家の父親、龍斗が変な声を出す。
山岸と呼ばれたのは、赤毛の大型の雌個体だ。
ほらあの、俺が殺した不遜な中年をぶん殴った人。
「お、お前は、海堂?!」
知り合いっぽいな。
「海堂父、知り合いか?」
「うっす。山岸の姐さんは、高校ん頃の先輩なんすよ」
あはーん?
「アレですか?ゾッキーってやつ?」
「うす。姐さんは、愛那金堕(アナコンダ)ってグループの頭でしたっす」
うわあ……。
こんなテンプレ的なゾッキー、まだいるんだ……。
「まあ、何でもいいよ。結局、リーダーは海堂父の方で良いのか?」
「えっと……」
「良いよ。アタシがやるより、男が頭張った方が良いだろ」
そう?
女リーダーもそれはそれで好きだけどな俺は。
女リーダー最近多いでしょ。
ほら、ポリコレってえのかな?なんかよく分からんけど、カッコいい女を出さなきゃいけないノルマがあるんだかなんだかで、なにかとイケメン女リーダー出るじゃん。
いや、俺は好きだよ?不自然に活躍する黒人とか。いっつも優しい上司ポジションの黒人とか。
「で?リーダー、どうするんだ?」
俺は、ニヤつきながら海堂父に訊ねる。
狼狽えながらも、海堂父は俺に答えた。
「とりあえず、装備を整えてから、避難してる人を集めるっす……、かね?」
あからさまに自信なさげなその態度は、俺に気を遣っているのだろう。
どう考えても俺の方が賢いし、立場的にも能力的にも上だからな。
まあ、その辺はやっぱりね、この海堂龍斗という男も、伊達に社会人やってないよそりゃ。
聞けば、大工だっけか?
そりゃ、色んな奴がいただろうよ。
頭でっかちで学歴が上だからと居丈高になる奴、頭カチコチの年寄り職人、頭空っぽの現役DQNや後輩……。
その色んな奴相手にしっかり仕事してきた訳だから、波風を立てないように対応してるってことなんだろう。
だが……。
「俺に聞くなよ、リーダーはお前だろうが」
俺は、突き放すかのようにそう返した。
「えっ、そっすか?」
「そうだろうよ。俺はお前らなんて知らん。気に食わない奴はぶっ殺して、好き勝手やって生きるだけだ」
「お、あ……、うっす!あの、殺しとかはマジヤベェんで、その……」
「ああ、いや、そりゃあいきなり殺したりは……、あんまりしないぞ」
「あんまり?!」
ツッコミを無視して俺は言葉を続ける。
「基本的に、俺には善意で何かしてやろうとは思わないが、真摯に頼まれたり、嫁にお願いされたりすれば多少は手を貸すし、対価を渡してもらえるなら、その分の仕事は引き受けるぞ」
「あー……、まあ、人として当たり前の態度で話せば良いってことっすか?」
「そりゃそうだろ。俺はもはや、自らが人間であるという認識はほぼないが、知的生命体であると自認してるからな」
「うあ……、ちょっちムズイっすね……。えーっと?」
「そうだな、人間ではないが、人間くらいの知能はあるつもりだってことだ。つまりは、宇宙人を相手にしているとでも思っておけ」
「ウチュージン……?!な、なるほど?」
まあほら……、高卒の大工にそんな知識はないから……。
もちろん、知識がないからと言って馬鹿にしようとは思わんよ?言っちゃ悪いが、学問も才能の世界だからね、どんなに頑張っても馬鹿は馬鹿だもん。
この海堂父は、勉強はできないんだろうが、大工として食っていけてるだけの技能はある訳だからね?じゃあ何も問題ないよね、ってこと。
さて、それで、と。
リーダー様の答えは?
「じゃあ、人を集めたいっすね。女子供優先で助けてやりてえっす」
ほーん?
正義感ってやつ?よく分かんないけどカッコいいんじゃない?
「やっぱ、俺も人の親なんで。ガキが死ぬのは、キツいっすわ……」
その言葉は、このチームに共感されたようだ。何せ、よく見れば、家族連れの男が多い。
そんな訳で、人助けのために遠征をすることになったらしい。
まず、服装は、特殊繊維を使っているらしい作業着。それと、鉄板入りブーツに軍手。
ぶっちゃけ、ゾンビの咬合力って、人の肉くらいなら噛み千切れるけど、流石に鉄は噛みきれないくらいなんだよね。つまりは、人並みに過ぎないってことだな。
だから、作業着とかの厚手の服を上に着れば直接接触しないので、感染リスクを抑えられるし、鉄板とか仕込めばダメージはほぼゼロに抑えられる。
ついでに言えば、鉄板入りの靴は、建物の残骸を踏んで怪我しないようにもなるし、いいんじゃないの?
そして武器は消火斧と金属バットだ。
ゾンビは、弱点である脳を破壊しない限り活動を止めない。
ちっちゃい刃物や非殺傷の刺又とかは効果が低いってことだな。
頭をかち割って殺す必要がある訳だ。
さて、一方で、俺の愛しいフィアンセ達は。
「キーチャン、スーチャン」
「「ヒューチャン!」」
感動の再会だ。
「ヨカッタア、ミンナ、ドコカニ行ッチャウンダモン!」
「ゴメンネ……、ジットシテラレナカッタ……」
「ウン……、デモ、コレカラハ、ミンナ一緒ダヨッ!」
「ウンッ……!」
あら〜!
かわヨ……。
このように、俺の作った芸術品のうち、連番の子達は、『兄弟姉妹』という認識をお互いに抱いているが故、かなり親密な関係になっている。
いや、もちろん、知能の高いタイプのみの話だけどね?
一応、上からも、仲間割れで殺し合いとかしないようにしろって言われたから、じゃあ同じような遺伝子プールを使って、兄弟姉妹ってことにしちゃおうと思って。
ほら、姉妹丼ってよくない?ハーレムルートで姉妹丼って絶対やるでしょ。
まあそんな感じで、仲良しなので仲間割れとかはしません。ご了承ください。
あー……、で、だ。
「みんな、どうしたい?」
俺は、愛しいフィアンセ達に意見を聞いた。
俺としては、このままこのホームセンターにベースキャンプを作って、そこでしばらくぶりの休暇を楽しめば良いかなって感じ。
一応、管理職だった訳だからね俺は。まとまった休暇がなかなか取れなくてさあ……。
だから、しばらくは休暇を楽しみたい感じなのよね。
とは言え、俺はこう見えて陰キャのヒッキーって感じではないんだよ。
もちろん、部屋にこもって、漫画!アニメ!ゲーム!エロゲ!プラモ!フィギュア!そういうのも当然好きだよ?
けど、アウトドアなんかも嫌いじゃないのだ。
生物を探しに山や川、海なんかに出向いて、野生の生物を観察しつつ、可食生物を捕らえて口にしたりするのも割と好き。人はそれをキャンプとかバーベキューとか言うらしいな。
まあつまり、そんな訳で、長期休暇を楽しみたい訳だ。
遊べれば何でもいいので、嫁の意見を聞いておきたい。
「トリアエズ、パイチャント、デルチャンヲ探サナイト……」
キーちゃんが思案顔になってそう言った。
もちろん、嫁を探すのは第一目標だ。それは変わりない。
だが……。
「でも、手がかりがないよね」
そう、最早手がかりがないのだ。
どこかに潜むパイちゃんと、無茶苦茶に移動するデルちゃん。
探しようがない。
「パイチャンハ、『潜入型』ダシ、人間ノコミュニティニ潜伏シテルンジャナイカナ?」
んー……。
「その可能性は高いだろうね」
パイちゃんは、潜入活動や暗殺が得意なタイプだから、人間の群れの中に潜伏して、俺のことを探している可能性が高いんだよな。
「今マデ見ツケタコミュニティニマタ行ッテミテ、パイチャンヲ探シテミルトカドウカナア?」
うーん……。
パイちゃんの感知能力は高い方だから、俺達がコミュニティに近づいた時点で気付いて名乗り出てくるとは思うんだけどなあ……。
いや、もしかして、ということもあるだろうし、確認の意味を込めてもう一度回ってみるか。
よーし!
プログラマ転生、書けてます。
ヒロイン!ヒロインどんな感じ?
一人目
幼馴染系ヒロイン。同じ村で生まれた。平民、パン屋の娘。
パツキンをイギリス巻きにした柔らかな印象の美少女。
主人公に教わった、四大属性外のプラズマの魔法を操る。
通称デク人形(主人公が自分で使うと危険な魔法を開発した時の実験台にしていた)
二人目
ツンデレロリ。名門貴族の侯爵家の娘。
赤髪ツインテでチビのツルペタ。
土属性の使い手で、鋼鉄を生み出して射出する魔法が得意。攻城戦の華。
ツンデレとは言ったが主人公が上手過ぎてツンツンする隙がない。
三人目
サムライ女。外国人傭兵を祖とする男爵の娘。
黒髪ポニテ。真面目ちゃん。
風属性の使い手で、魔導師なのに剣技も使える。
強い男が好き。
四人目
聖女的なアレ。
青髪ショートのスレンダー。
水属性の回復魔法の使い手。
聖書の教えに対して斬新な解釈をする主人公に懐く。
こんなもん。
まあなんかあればぽこじゃかヒロインを増やして良いとする。
なろうだからな!