ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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要望があったので更新。


10話 ローマ!

「次はどこかなどこかなー?」

 

「え、あ、ロ、ローマだけど……?」

 

「ローマ!」

 

俺は艦娘のローマを抱き上げた。

 

「あ、あの、提督?」

 

「ローマ〜!!!ローマイエー!!!」

 

「ど、どうしたんだい、旅人君?!」

 

「とは言え、カルタゴ滅ぶべし……ッ!!!」

 

ローマを下ろして呟いた俺。

 

「えぇ……」

 

困惑するロマン。

 

「いつ頃のローマ?」

 

「い、一世紀頃の、ネロ・クラウディウスの時代だね」

 

「ah……、oh Yes……」

 

ちょっと踊って……。

 

「今回の艦娘はァん!ローマ!ポーラ!リベッチオ!で行くYOH!」

 

「えっあっはい」

 

ドン引きするロマン。

 

笑える。

 

 

 

サーヴァントはめっちゃ戦う羽目になりそうなので、マルガレータはお留守番。

 

クーフーリンニキ、頼光さん、ジャンヌで行く。

 

あとマシュ。

 

……ところでそこのフォウとか言うガチヤバ生物、持ち歩いて大丈夫なの?

 

まあ良いや、行こう。

 

ローマへレイシフト!

 

 

 

『あ、あれ?おかしいな……?』

 

「ここは都市じゃありませんね……?」

 

なんか、ローマの都市部に送り出したはずなのに、丘の上に来ちゃったから、変だねー、って話になってる。

 

何でだろうね、おかしいね。

 

「ねえ、そんなことは良いんだけどさ、なんか戦ってるみたいだよ?」

 

俺の『瞳』に映る遠くの光景。

 

誰かが戦っている。

 

『なんだって?おかしいな、この頃に大規模な戦闘なんて……』

 

ロマンは訝しんだ。

 

「またどうせあれでしょ?歴史は変わってしまった!タイムパラドックスだ!って展開でしょ?」

 

『まあ、そうだろうね。取り敢えず、調査してみてくれ』

 

てな訳で見に行く。

 

 

 

「旅人さん、どうしよう?」

 

「うーん、立香はどうしたい?」

 

「ええと……、その、見た限りじゃ、あっちの数が少ない方の女の人、多分、都市を守るようにして戦ってるよね?だから……」

 

ふむ。

 

「守る方に加勢したい、と?」

 

「うん」

 

「じゃあ、そうしようか」

 

「えっ、その、旅人さんの意見は?」

 

うーん?

 

「あの女の人……、あれは、ネロ皇帝だ」

 

「「えっ」」

 

立香とマシュが驚く。

 

「あの……、私のスキル、『真名看破』でも、あちらの彼女がネロ皇帝だと出ています」

 

ジャンヌも言う。

 

「じゃあ、これは……、皇帝様を助けた方が良いね」

 

「ワイトもそう思います」

 

 

 

俺は艦娘を、立香はサーヴァントを指揮して、敵の兵隊を死なない程度に殴る。

 

人とサーヴァントの差は大きい、ちょっとした兵隊の数の差なんてすぐにひっくり返る。

 

「よし!余の勝利である!」

 

ネロ皇帝が勝鬨を上げる。

 

女だが、その姿は様になっていて、皇帝であると言う説得力がある。

 

良いねえ、俺、お金持ちの女の子も好きだよ。

 

「貴公達は……、うーむ、どう見ても援軍には見えぬが……、まあ良い!事実、余に手を貸してくれたからな!褒美を……、ああ、いや、それは首都ローマへ戻ってからのことだな」

 

と言う訳で、ローマに案内されることに。

 

「援軍じゃないけど……、まあ、助けるよ!」

 

立香は元気よく答えた。

 

「ふむ?貴公達は、援軍ではないとしたら何者なのだ?」

 

「未来から来ました」

 

「ふむふむ……、さっきの戦闘で頭でも打ったのか?」

 

哀れみの表情を向けるネロ。

 

まあそうだよな、未来から来ましたなんつったら普通、ドン引きだ。

 

「っと、サーヴァントが来た。敵だ。名前は……、おお!カリギュラだ!」

 

俺が声を上げると。

 

「何……ッ!!」

 

驚くネロ皇帝。

 

「捧げよ、その、命……!!」

 

微妙に話が通じないカリギュラとネロ皇帝がなんかごちゃごちゃ言ってる。

 

カリギュラが襲いかかる、その瞬間。

 

「ポーラ」

 

「はぁい」

 

ポーラに背後から撃たせた。

 

「ぐあっ?!!」

 

「……え?ズルくない?」

 

立香が呟く。

 

「いやあ、バックアタックは基本じゃん?」

 

あ、カリギュラは霊体化して逃げたってよ。

 

「すみませ〜ん、仕留めきれませんでした〜。さーばんと?は硬いですねえ〜」

 

「いや、よく頑張ったよ、よしよし」

 

ポーラを撫でる。

 

「む、むう……、なんだか釈然とせぬが……、まあ良い!助かったぞ!貴公は何者だ?」

 

「俺は通りすがりの旅人です。彼女は魔術師の弟子で、俺の連れですね。それと、こちらを魔法で見ている魔術師も一人います」

 

「成る程……、旅人と従者、魔術師か。その割には随分と強いな」

 

「まあ、今回は世界を救う旅をしてますからね」

 

「なんと!世界を?」

 

「ええ、その為に、まずは今、危機に陥っているローマの救援をしようと思い、こちらへやって参りました」

 

「ほう!それはありがたいことだな!」

 

俺はネロ皇帝の思考を勝手に読む。

 

多少は良いだろう。

 

「今回は何でも、連合ローマ帝国なる狼藉者が湧いているとか」

 

「む、分かるのか?」

 

「ええ、旅人は大体知ってます」

 

「(え?初耳だよ私?!)」

 

立香を無視して交渉を進める。

 

「そして……、我々は此度の連合ローマ帝国なる者達の力の源を、聖杯と見ています」

 

「聖杯、とな?」

 

「ええ……、その聖杯は大きな魔力を秘めた道具で、それを使えば、先ほどのように、亡くなったはずのカリギュラ様のような人間を一時的に呼び出すことも可能なのです」

 

「なんと……!その聖杯、と言うものが、伯父上を呼び出し、狂わせたのか?!」

 

「恐らくは……」

 

「そうか……、では、その聖杯、なるものをどうにかせねばなるまい」

 

「聖杯を見つければ、我々の手で厳重に封印することを約束しましょう。……そこで、陛下。このような事を邪推するのは無礼かと存じますが、敢えて言いましょう。今のローマには、戦力が少ない、ですね?」

 

「うむ……、その通りだ」

 

「よろしければ、我々を客将として使っていただけませんか?我々が望むのは聖杯の封印のみ、それ以外には多くを望みません」

 

「む……、よし!分かった!それは寧ろこちらから頼みたいくらいのことであったぞ!旅人とその従者よ、暫く、余にその力を貸してくれ!」

 

「喜んで!」

 

「(……旅人さん、口が上手いよね)」

 

「(ですが、おかげでネロ皇帝を守り、聖杯を得られ、尚且つ、ある程度自由に動ける客将と言うポジションをゲットできました……。その手腕は素晴らしいと思います)」

 

やりました。

 

 

 

その後、ネロ皇帝が宴をしたいと言い始めたが、俺は『瞳』で敵の進行を見ていたので、防衛をしに行く。

 

まあ、特に語ることないよね。

 

俺だって、一般人と戦えば相手が百人いたってどうにかなる。

 

そして、艦娘やサーヴァントは正に一騎当千。

 

簡単にぶっとばせる。

 

手足を失った兵隊達が泣きながら撤退していく。

 

まあ、相手が正気の兵隊なら、殺さない程度に痛めつけた方が効果的だからな。

 

殺さない程度に痛めつければ、敵は負傷兵という足手まといとともに撤退する。

 

殺しまくって、死兵となって襲いかかって来られる方が困るんだよな。

 

実際、俺が殺しをやらないのは、好きじゃないからってのと、殺さない方が理にかなっているから、ってのもある。

 

 

 

まあ、普通に勝ったよ。

 

特にドラマもなく。

 

やっぱ強いね、サーヴァント。

 




モバマスは待って……。

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