ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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今マスターキートン読んでるんだけど、これめちゃくちゃ面白いな……。

いや……、すっげえ面白い。

好みの内容だ。


28話 ムカデの手工業

六月。

 

ゾンビウイルスの調査、ゾンビの生態調査、武器弾薬の生成、サバイバルアイテムの生成、全てが大体完了した。

 

デイモスらしい、クソつまらないウイルスだったな。ロマンも遊び心もカッコよさも可愛さもない、ガチガチでキツキツのつまらない凡作だ。

 

そんな訳なんで、半日もあれば完全解析できたよ。

 

とは言え、ウイルスの性質上、こうなってしまっては最早蔓延を防ぐことは不可能だ。

 

分かっていても防げない形式にしたのは、俺を意識して、ということかね?

 

うへー、キモいキモい。あのおっさんなんなの?ストーカー?俺のこと意識し過ぎやろ。

 

東洋人の若造がどうこう?とか言って散々見下した挙句、あっさり俺に成果で負けて、生物兵器開発部部長を解任されて……、それ以降俺を恨み続けてたとか、もう意味分からんね。

 

それに……。

 

「しかもこの構成、俺の研究のパクリじゃん」

 

それに、このゾンビウイルス……、正式名称を『メタヒューマンウイルス』だったか?

 

これ、どう見たって俺の研究をパクってるんだよな。

 

俺が学生時代に学会に提出した『急速進化変態因子ξ010』の理論の丸パクリ。

 

俺を見下した挙げ句負けて、実は俺の研究成果をパクってドヤ顔してて、俺のことを暗殺して有耶無耶にしたって訳ね。

 

はは、笑えるくらい最低だ。

 

研究者としてのプライドがねーのかよ?

 

まあこんなカスどうでもいいや。

 

ウイルスについてだ。

 

この、メタヒューマンウイルス。

 

その名の通りに、超人を作り出すためのウイルスのようだな。

 

万分の一くらいの確率で、ウイルスに適合した生物がメタヒューマン……、『超人』になれるって寸法よ。

 

だがまあ、「遊び心」はないが、かなり「遊び」がある設計のようで、ちゃんと調整すれば自由自在に『超人』を作り出せる筈だ。

 

通常のゾンビは、超人になれなかった大多数の凡人、変異体は超人に成り損ねた秀才、万分の一の選ばれし優等のみが超人へと至れる……。

 

そういや、デイモスはドイツ人だったか?

 

要するに、優生学を拗らせてるのか。

 

選ばれし優等遺伝子を持った人間を尊ぶアイツと、全ての生命を無価値と断じ、己の創り出した超越種のみを愛する俺……。

 

どちらがよりヤバイ気狂いなのやら。

 

 

 

「いやぁ、にしても、アホみたいに物資ができたなあ」

 

暇してる人間共に、物資を幾らか渡すのを条件に、保存食などの物資の生産を手伝わせたら、めっちゃいっぱい来たんだよね。

 

この自衛隊員には、八千人くらいの人間がいるらしい。

 

その中で、料理ができる個体は、率先して手伝いに来た。

 

「はい、できましたよ」

 

「あのさ、このお肉、もらっていい?」

 

気がつけば、見たことがある個体がいる。

 

率先して料理の指揮を執るのは、ショッピングモールに籠城していた医者の高年雄個体。それの番いの高年雌個体……、確か、料理本を何本も出している栄養士だったか?

 

そして、俺の目の前に立ち、燻製されたサラミ肉を持っているのは、三滝高校とやらに籠城する、生意気な弓使いの雌個体だったな。

 

「お前、この肉を何本作った?」

 

「三本作ったわ」

 

「じゃあ一本くらいなら持ってって良いよ」

 

「ありがと」

 

肉なんざいくらでも創り出せる俺からすれば、いくらくれてやっても問題ないのだが、タダでやるのはムカつくので、労働させる。

 

「あのさ」

 

おや、ええと、真弓?だっけ?

 

「私、あんたの事、誤解してたかも」

 

「は?」

 

「実はあの後、食料がなくなってさ。みんな、喧嘩ばっかりしてた。この自衛隊基地に来てから、久しぶりにお腹いっぱい食べられて、幸せだった」

 

ふむ。

 

「あんたのおかげなんでしょ?あの、よく分かんない植物とか、すぐに育つ家畜とか」

 

「そうだぞ」

 

「確かにあんたは、生き物に酷いことをする奴なのかもしれない。けど、すごい生き物を作って、たくさんの人を救った。……だからその、ごめん。悪者扱いして……」

 

はあ。

 

「いや、悪者だぞ?」

 

「でも、この物資も、東京の人に届けてくれるんでしょ?」

 

うーん?

 

「そういう話になってるのか?俺はただ、最近はまったゾンビゲームで、その辺にアイテムが落ちてるのを見て、東京でもそんな感じでその辺にアイテム落ちてると面白いかなーって思っただけだぞ?」

 

「そ、そう……。まあ、それでたくさんの人が救われるんだし、良いんじゃないの……?」

 

ふーん、そうなの?

 

まあその辺はどうでも良いよね。

 

そんな訳で、自衛隊基地の事務所一杯に、数百トンもの保存食を押し込んだ。

 

堅焼きクッキー、干し肉、サラミ、ピクルス瓶、ゼリー、おかき、羊羹、干し魚、燻製チーズ、卵のオイル漬け、ナッツ、シロップ漬けの果実、ジャム……。

 

どれも、数ヶ月は保管できるように加工された食品だ。

 

保存料(ヒューちゃん特製配合薬)も混ぜ込んであるので、下手すれば年単位で保つだろう。

 

これを、東京の各所に隠してくる。

 

それと、食料の隠し場所を掲示するためのペンキも大量に用意した。

 

ほら、やっぱりさ、ポストアポカリプスといえば、焼け落ちた看板の残骸に、ペンキで落書きされてる感じじゃない?

 

あとはアチーブメントも用意したくて、駅に物資満載の大きな金庫を置いて、駅の地図に印をつけて、その印の地点に行くと、建物にパスワードが書いてあり、駅の金庫にパスワードを入力すると、金庫が開く!とかやりたい。

 

ふふ、こんなもんかな……?

 

 

 

ところで、今更ながら、横須賀の自衛隊基地の構成についてだが……。

 

基地と言っても、一か所にどでかい建物がドン!と置いてある訳じゃない。

 

司令部、警備部、造修補給部などのそれぞれの本部が、横須賀南北の海岸線にある感じだ。

 

ほら、海軍だから臨海部に施設がなきゃ駄目な感じらしくてさ。

 

陸自みたいに、だだっ広い陸地に施設を置くとかはできないっぽいんだよね。

 

今なんでそんな話をしたかって?

 

まず、俺が作らせた大量の物資は、自衛隊の『潜水隊基地』に保管している。

 

何故か?

 

自衛隊の船舶は、漁などに使われているが、潜水艦は今のところなんの役にも立たないからだ。

 

なので、空き地となっている潜水隊基地の建物を倉庫代わりにしてるんだね。

 

実際、自衛隊の倉庫は、軽く改装して避難民の部屋になってるよ。

 

あー、それで、だ。

 

潜水隊基地だが……、すぐ隣に、米軍基地があるんだよ。

 

物資を山ほど集めているのを見た米軍は……。

 

「物資の供出、ねえ……」

 

ちょいと、舐めたことを言ってきたようだ。

 

 




最近、パスファインダーキングメーカーのプレイ動画を見たので、TRPGものの続きが書きたい気持ちになっている。
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