「何なんだよテメェは?!」
俺は、ホームセンターで荷運び用の手押し車を手に入れたので、それにその辺の物資を満載して、凪と一緒に墨田区辺りを移動していた。
すると、頭にいきなりナイフが飛んできて、ざっくりと額が切れた!
かっと熱くなる傷口を押さえて、目の前に現れた男を見遣り、俺はそう叫んだ。
「ハ、テメェ……、見てたぜ。そこのガキを犯してたな?」
男は、酷い人相の、引き締まった肉体をした人間で、武道の道着を着ていた。
腰に斧と刃物をぶら下げて、獣のようにぎらついた視線で俺を射抜く。
どうやら、この見た目で、絶滅危惧種の正義漢という生き物だったようだ。
「聖也さん!」
「凪、盾を構えろ!」
「テメェッ!女を!それもガキを盾にするたぁ、それでも男かっ!!!」
クソが……!
恐らくは、武術の達人ってやつだろう。
俺が、必殺のネイルガンを起動したとして、モーターが充分に加速して、狙いを定めて、引き金を引く。
その最中に、それだけの時間があれば、こいつは俺を殺せるはずだ。
が……、凪には手を出さないようだな。
なら、悪いが、凪には盾になってもらうしかねえな……。
俺は、密かに、ネイルガンの電源を入れる。
「な、なあ、見逃してくれないか?この女も、何も無理矢理やってる訳じゃねえんだよ……」
「そんな訳があるかよ……!!!」
会話だ、会話をして引き伸ばす。
考えろ、考えろ、考えろ……!!
「おいっすー!ティフォン博士の交換所だよー!新顔のサバイバーの諸君は、チュートリアルを受けてくれなー!」
……何だアレ。
いや……、何だ、アレ?
「アッ、何か面白展開だった?!えー!録画するから続けてよー!愚かな人間の潰し合いとか見たーい!」
痩せぎすの、真っ白な白衣を着た長身長髪の男。
こちらに、スマートフォンを向けながら、スナック菓子を食べている。
「テメェ、何モンだ?!!」
俺に襲いかかってきた武道家男がそう叫ぶ。
「やあやあやあ、サバイバーの諸君!お初にお目にかかる!ティフォン博士だ!今は、東京各地を巡回して、サバイバー相手に行商人をやっている!」
「はぁ?訳わかんねぇぞ?!」
「俺は、東京のサバイバー相手に商売をやっているってことだ。取引する品物は全部、物々交換か、お前らの技能を物品に換えるかだ」
「……このご時世に商売だと?お前、イカれてるぜ」
「それが何だ?イカれてない奴はもうみんな死んだと思うのだが?」
「……チッ、それもそうか」
博士は、引き連れた化け物達に指示をして、俺達の目の前に物を運ぶ。
「初回のチュートリアルは、無料でサービスを提供すると決めているんだ。さあ、そっちの怪我してる雄個体、来い」
あ、俺か。
「お、俺は、その」
「良いから来い」
瞬間、博士の腕が伸びる。
俺は、博士の腕に巻き取られて、目の前に吊り上げられた。
「聖也さーん?!!」
凪が駆け寄ってくる。
「はい、まずは傷口の洗浄。あと局部麻酔。そして縫合。組織再生薬を塗り塗り。終わり!」
あ、普通に治療された。
「生体皮膜張っておいたから、剥がすなよ。この皮膜は怪我が治る頃には、カサブタみたいに剥がれるから、なるべくいじらないように」
「お、おう……」
「じゃあ後は、シャワーを浴びてから飯にしよう」
「そ、それが、『チュートリアル』なのか……?」
そんな慈善事業みたいなこと、なんで……?
いや、そうか、そういうことか!
「あ、あのっ!ええと、博士、さん?」
凪が、博士と名乗る存在に話しかける。
「そ、それ、シャワーと食事って、私にも……」
「良いぞ!」
「ほ、本当ですかっ?!」
「ああ、但し……、チュートリアルは初回のみ無料だ」
やはり、か……。
この三ヶ月間、俺達は、ゾンビに怯えながら、人間とも殺し合い、ろくな食事もできずにすり減ってきた……。
そこでいきなり、温かいシャワーとまともな食事を与える理由は、そういうことだ。
雰囲気で分かる、俺が殺してきたサイコパス野郎の中に、こういうやつがいた。
つまり、ゲームだ。
テレビゲームのように、取引とやらをして遊びたいんだ、この男は。
奴は俺達を、奴の世界のNPCにするために、一度だけ『救う』……。
この三ヶ月間、地獄を見てきた俺達に、一度だけ天国を見せる。
そうしたら、後は、再びの天国を求めて駆けずり回る俺達を、高みの見物して楽しもうって魂胆だろう。
もう一度、天国を見るには、奴のゲームに付き合わなきゃならない……、そういう訳だ。
最悪のゲス野郎だ、反吐が出る……。
俺は、凪にそう説明した。
「そ、それは……、でも!優しい人かもしれないじゃないですか!」
凪は、未だにそう言って反論してくる。
この馬鹿女……!
下手に守り続けてやったのが裏目に出たか!
すると、そこに……。
「おう!よく分かってるじゃねえか、傷男!その通りだ!お前達はNPCなんだよ、精々足掻いて、その命の輝きを俺に見せてくれ!」
博士がそう言い放った。
「いやぁ……、やっぱりね、生命なんて全て無価値だけどさあ、生きるために必死で足掻く姿は良いよな!ちっぽけな人間が、命懸けで戦い、誰かを守り、何かを生み出し……。そういう生命の活動こそ、観察のしがいがあるってもんだ!」
「……だから言っただろ、凪。こいつは、『バケモノ』だ」
俺もなあ、プペルとかアムウェイみたいな感じで金儲けしてえよなぁ。
あれ多分、やってる側は最高に気持ちいいと思うんすよね。
昔のヨーロッパで金貸しをしているユダヤ人が嫌われていたのは、「楽して儲けている」と思われていたから、なんて話がありますが、実際に本当に楽して儲けている人達は、我々一般人からすればクソですが、本人はめっちゃ人生楽しいと思いますよ。
俺も後ろ指さされていいんで、捕まってない詐欺師になって儲けてえ……。
そんな薄汚い話はともかく、続きを書かねば。
田舎剣士……、のこれからのプロットってありましたっけ?
ないですよね?
一応次は、冒険者学校編みたいなのを書きたいんですが。
まあ名目上学校編とは言いましたが、半分講師みたいなもん。
えーとまず、リーマンショックなんて目じゃないほどの大大大不景気を迎えた日本の説明と、そこからダンジョンショックで持ち直してきたと提示するでしょ?
で、海外の指導者の悲哀を描く訳だ。
そんな風に海外が大騒ぎしている最中、日本では呑気に食料ダンジョンを攻略して美味いものを食ってる主人公と嫁を対比して楽しむじゃん?
その後、冒険者学校編だよ。
あっ、その前に、どん底から持ち直してきた日本の描写も欲しいですか?それとも、主人公の日常を見たいからそういうのは軽く触れる程度に留めておきます?
で、冒険者学校編ね。ここで書きたいことはそう多くないんだけど、まず学園者のテンプレたる『主人公が有能過ぎて教師になる』みたいなところは第一にあるよね。
あと、『自衛隊との共同攻略……、と言う名目での自衛隊の訓練協力』ね。流石に、民間人に守ってくださいとは言えんもの、共同行動だのなんだのと理由つけてね。主人公は、低ランク素材集めとかの煩わしいことをしたくないので、多少は協力するってことで。主人公の攻略ペースが早過ぎて、素材の解析や研究がまだ終わってないのに、どんどん深い階層の素材を持って来るから、パンク寸前だったんですね。
それと、学校から『クエスト』と言う形で提示される素材集めとか。冒険者学校での新しい取り組みとして、一律素材買取だけでなく、品薄の素材を集めると買取価格にボーナス!査定にプラス!みたいなの。それに伴い、冒険者ランクみたいなのが出てくる。
あとは学校とは関係ないんですけど、『海外との戦い』についても書いていきたいです。ダンジョンに潜れるのは、正規の手段で日本国籍を得た日本人のみなので、外国は全力で媚び入れしてきます。手のひら返しして。で、日本も、色々な事情から鎖国を解くと、色々な奴が一気に押し寄せてきます。
『海外の人々への冒険者仮免』も書きたい。なんだかんだで、外国人にもダンジョンの立ち入りを許可する仮免が配布されるんだけど、この頃にはもう日本には追いつけなくなっています。……これは学園編の後かな?
ああ、それと、愛人希望の『日本の偉い人の孫娘』達が見合い写真を送りつけてきているので、見合いもちょこちょこやる感じでええですか?人間ヒロインはいりませんかね?
で、その後は、『グローバルダンジョン編』行きたいです。
グローバルダンジョン編では、別にダンジョンが海外にできたりはしないんですけど、日本の無人島……まあ八丈島とか?なんか存在しない島をでっち上げたりするかも?そんな無人島にブランチダンジョンを作り、その島を海外に出島のように解放するんですね。
で、海外の人々の動きを書く感じ?かな?
あ、その前に、ダンジョンの恩恵で「火葬戦記ものかな?」くらいに強化された日本が、「世界一位です」になるところとかも書きます?あんまりそういう国士様的なムーブするとキレる人いるかも……?