ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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寒いね。

まあ、暑いのよりはマシだけどさあ。


11話 弟達はできる子?

七歳になった。

 

アプリケーションの開発は順調の一言だった。

 

まず第一に、削除のための『デリートマジック』と、干渉のための『クラックマジック』を作った。

 

ぶっちゃけこの二つが優秀過ぎて、魔の森のモンスターは最早相手にならなくなってしまった。

 

それと、つい先日、創造のための『ジェネレートマジック』を完成させた。ぶっちゃけCADみたいなもん。

 

この世界がそもそもプログラムみたいなもんなんだし、プログラムの削除と改変と生成ができれば、他に何もいらないっちゃあいらないんだよな。

 

順調順調!

 

週に三回に減ったが、エイダとの魔法勉強会は続いているし、最近はエイダに勉強も教えてやっている。

 

いやあ、充実してるなあ!

 

 

 

「エグザス、お前、パン屋のところの娘と森で遊んでいるそうだな」

 

「はい、そうですが?」

 

「それなら、そこで弟達の面倒も見てやれ」

 

んんんんんんんんんーーー?

 

親父君さぁ……。

 

子供の面倒くらい自分でみたらどうだい?

 

クソクソ迷惑なんだが……。

 

そもそも、「週に三日は自由にして良い」という契約で週四日の訓練に付き合ってやっているのに、なんで一年そこらで約束を反故にするのかな????

 

マジでありえん……。

 

弟、シリウス、五歳。

 

妹、セシリー、四歳。

 

俺にガキの面倒を見ろと?

 

ふざけろ。

 

だがここで、「約束とちゃうやろがい」などと弾劾しても、多分逆ギレしてくるのは想像に難くないよね。

 

なので、ここで頭を使おう。

 

ってか、領地を継ぐ気がないんだから、義理立て程度には俺の身代わりで領主になる弟を鍛えておくのがベストかな?

 

いや、義理立てする必要はないし、俺本人に人情がある訳でもないけど。

 

でもまあ、教育のノウハウの蓄積は、黄金よりも価値があるからね。

 

俺は、エンジニアとして最前線でバリバリ働いていたから、他人に物を教えるってことは全然やったことないんだよ。

 

ここで人に……、それも子供に物を教えるという経験は、後々に派閥を作るときに必ず役に立つはずだ。

 

で、尚且つ、魔法開発活動の邪魔にならないように工夫もしよう。

 

幸い、今まで見てきた限りでは、弟達はそこまでのアホではないようだ。

 

エイダほどまでとは言えないが、歳の割には頭が回るように見受けられる。

 

どれ、軽く躾けてやろうか。

 

 

 

秘密基地には案内しなかった。

 

秘密基地は移転して、村から2kmの位置にあり、暇潰しに養蜂も始めちゃった。養蜂は弟に教えて、この領地の財源にしても良いかな?

 

その代わりに、別の場所に作った勉強場所に、エイダと弟達を集めた。

 

「父上は、貴族は武力が第一だと仰られるけど、それだけではいけないんだ。剣の腕だけで生活できるのは、王都にいると言う『剣聖』様のような方のみ。だから僕は、君達に『生き抜く術』を教えようと思う」

 

と、笑顔の仮面のまま、それっぽいことを言う俺。

 

「「はい!」」

 

威勢のいい返事を返す弟達。

 

まあ、やることと言えば、前世のガキの頃に習ったボーイスカウトやアウトドアの技術を教えるだけなんだけどね!

 

「じゃあまずは、武器の作り方を教えるよ!丈夫な石を探してこようか」

 

「石を?」

 

「石で木を切るんだ」

 

「木?」

 

「木から武器を作るからね」

 

「分かりました!」

 

そして、弟が拾ってきた石で、細い木を切る。

 

この辺の木は繊維質で、皮を剥いで割いていくと、紐のようになるんだよね。

 

子供の頃、ボーイスカウト……あー、つまりは、子供のキャンプとかサバイバルの訓練をする会みたいなのがあるんだが、そこで習ったことを思い出しつつ、弟達に教える。

 

まあほら、ボーイスカウトは悪いもんじゃないからね。

 

金持ちのガキがやってることだ!みたいなのは偏見だよ。

 

……いや、俺も金持ちの家に生まれたガキだったが。

 

「わあっ!木からヒモができましたっ?!」

 

弟達は、ガキらしく何事にも大袈裟に反応する。

 

こういう面白リアクションがあると、俺としても教えるのが楽しくて良いな。

 

「でも、紐はこのままじゃ弱いんだ。だから、紐を編むんだ。教えてあげるから、やってみようね!」

 

捻りつつ、反対方向に捻る。

 

「こうですか、兄上!」

 

「うんうん、シリウスは物覚えが良いね!」

 

「えへへ……」

 

そして、糸を編んで作ったのは、スリングだ。

 

要するに、投石機だな。

 

糸で石を包んで、振り回して、遠心力を利用して石を投げる武器だ。

 

「弓のほうがつよいのではないですか?」

 

「シリウスの力じゃ、まだ弓は引けないよ。でもスリングなら、シリウスも使えるからね」

 

「はい!」

 

「じゃあ、しばらくはスリングの練習をしようね!」

 

「「はい!」」

 

そう言い残して、俺は弟達を一週間放置した。

 

まあ、昨日の今日でスリングを使いこなせるようにはなるまい。

 

しばらく、スリングの練習という名目で放置しよう。

 

 

 

「兄上!よくあたるようになりました!」

 

弟舐めてたわ。

 

頭の出来の方は、まあ普通の子供より結構賢いかなーって程度なんだが、運動能力が高いんだねこいつは。

 

スリングを使いこなし、十発のうち七、八回は目標に当たる感じの使い手になっていた。

 

スリングなんて早々当たらんのに、よくもまあ……。

 

手を見れば、タコができるほどに擦り切れている。

 

どんだけ練習したんだ、このガキ……?

 

妹の方は……、頭は弟と同じようなもんだが、手先が器用だな。

 

繊維質の木から作った糸を量産している。

 

うーん、こりゃ、カリキュラムの見直しが必要だな。

 

どうやら、結構できる子っぽいぞ。

 




ソシャゲ転移は17話まで書けました。褒めてください。

今は田舎剣士書いてます。叱ってください。

個人的にはですね、この前のアンケートで、一番が「サイコパスが悪いことする」だったのはもちろん分かってたんですけど、二番に「世界の流れの変化の描写」とあったのがスゲー嬉しくてですね。

俺個人としては、たった一人のサイコパスのせいで胃を痛める国家首脳とか、そういうシーンを書くのがかなり楽しいんですけど、「読んでる人はつまらんやろなあ」って思ってたんですよ。

でも、ウケてたんだと分かって、凄く嬉しいです。

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