ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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13話 城攻め

「しかし、敵の本陣の場所が分からねば、勝負はつかないな……」

 

「あ、本陣の場所を探しますか?」

 

「できるのか?」

 

「少し疲れるんですが……、行きますよ……!」

 

俺は『瞳』に力を込める。

 

「な、な、なんだ?!!何をしている!!!」

 

「ちょ、ちょっと!何これ?!」

 

「圧政であるか!!!」

 

「何事だ!」

 

「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎ー!!!」

 

サーヴァント達が、場の揺らぎを感じて反応する。

 

しかし、俺は『瞳』を拡張する。

 

見える。

 

星空、異界、地の果て。

 

「地図で言うとこの辺です」

 

はいどん。

 

「……は?その、見えたのか?」

 

「俺の『瞳』は大抵のことを見透しますからね」

 

千里眼みたいなもんだ。

 

「それはまさか……、千里眼か?魔術の秘儀だと聞くが」

 

「それに近いものですよ」

 

「成る程、旅人は魔術師としても一流のようだな」

 

「お褒めにあずかり恐悦至極でございます、皇帝陛下」

 

「よいよい、肩の力を抜け!ふむ、この位置だな?では、三日後に軍を率いて討ち取りに行くぞ!」

 

 

 

そして、三日後。

 

ネロ皇帝は予定通り全軍で進撃した……。

 

 

 

「くうっ……!小〜中規模の手勢での奇襲の繰り返しか……!さては、こちらの摩耗を狙っているな?」

 

「ほ、報告します!スパルタクス将軍と呂布将軍が敵を追って離脱!更に別働隊によりブーディカ将軍が捕虜に!」

 

「なっ!まさか……!」

 

ネロ皇帝はまんまと分断され、目の前には……。

 

「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎ーーーッ!!!!」

 

「ダレイオス3世……、ペルシャの王か」

 

暴れ回る敵サーヴァント。

 

さて……。

 

ネロ皇帝は普通に行軍していたところ、連合側の奇襲を受ける。

 

ここまでは予定通りだ。

 

敵国に攻めて、道中で邪魔が入らない訳はないよね。

 

そこで、ネロ皇帝は、大国の王として相応しい手腕で以って、軍を指揮して戦ったが……。

 

相手の方が何枚か上手だったようで、見事に分断されてしまっていた。

 

ぶっちゃけ、少し予想はできていたけど、ネロ皇帝の指揮に直々に意見なんて言えないしな。

 

しかし……、となると相手は誰だ?これだけの軍略……?呂布もいるし、諸葛亮とか?周瑜?曹操?兎に角、凄腕の軍師がいるな。

 

そんなことを思いつつ、単騎で現れたダレイオス3世を囲んで殴り倒し、ネロ皇帝は。

 

「ブーディカを助けに行くぞ!」

 

とご決断なさった。

 

どうでも良いが俺は人妻経産婦が敵に捕らわれたと言うのがどうも……、こう……、背徳的だと思う。

 

ブーディカさん、ああ見えて経産婦だからな。

 

それが敵に捕らわれて……、とか、確実にコミックアンリアル的な展開だ。

 

これは良くないな、対魔忍ブーディカの始まりだ。

 

それはまずいので助けよう。

 

そもそも、例え経産婦だろうと、「美人は幸せになるべきだ」ってこと。

 

 

 

「君と話がしたかったんだ、ネロ皇帝」

 

赤髪の利発そうなガキ。

 

これは……、アレキサンダー大王、イスカンダル。その若き頃の姿だ。

 

「余はただ一人の皇帝だ!!!」

 

おーっと、なんかダンガンロンパし始めたぞう。

 

俺ら完全に蚊帳の外ー。

 

まあ、内容的には、アレキサンダー大王が「こっちの味方になった方が楽では?」みたいなことを言ったのに対し、ネロ皇帝が「今現在のローマの王は自分であり、過去の名君であろうとしゃしゃり出てくる権利はない」とした……、みたいな。

 

まあ、どっちも妥当じゃない?

 

どっちが間違ってるとかないよ。

 

結果的に戦うことになったけど……、まあ、ちょろいよね。

 

大人のイスカンダル王だったら、宝具を使われたら勝てなかったかもしれないけど、子供の、成長前のイスカンダル王。

 

それと、大して強くないエルメロイ二世……、諸葛亮。

 

頭脳労働担当が前に出ちゃいかんでしょ?

 

まあ、まず負けないよね。

 

ここでもまた、囲んで殴る。

 

 

 

テンション上がって王宮攻略。

 

ネロ皇帝が兵士を鼓舞する。

 

流石は皇帝陛下、物凄いカリスマだ。

 

やる気ゲージマックスの兵隊達は王宮に攻め入った。

 

そこで……、また一人、サーヴァントがエントリー。

 

「我がローマである!」

 

「そ、そんな、貴方は……!神祖ロムルス!!!」

 

ロムルスのエントリーだ。

 

ロムルス……、ローマを建国した王。軍神マルスの子、狼に育てられた人だね、うん。

 

流石に、ロムルスの登場にはショックを受けた様子のネロ皇帝。

 

その後もそれを引き摺って、兵士の鼓舞にも力が入っていない。

 

一方で、ロムルスに率いられた兵士や市民は皆異常な程に士気が高い。

 

カリスマ合戦においては、ネロ皇帝は負けているだろう。

 

うん……、ほら……、等身大のヒーロー的な……、精一杯頑張ってます感を出すしかないんじゃない?

 

俺の知り合いにも、クモの能力を得た男がいてさ。

 

彼は等身大のヒーローだったよ、正に。

 

ネロ皇帝が言うには……。

 

「連合の元にいる民や兵士を見よ。誰もが笑っていない。いかに完璧な統治であろうと、笑い声のない国があってたまるものか!!」

 

まあ、うん。

 

僕もそう思うニャワン。

 

「立香」

 

「何?」

 

「陛下を慰めて差し上げろ」

 

「アッハイ」

 

立香に任せた。

 

 

 

ネロ皇帝は立香の慰めもあり、立ち直った。

 

ちょろいな、と思ったが口には出さない。

 

女の子だからね、仕方ないね。

 

それに立香のコミュ力もある。

 

立香は凄いなー、憧れちゃうな。

 

カッコいいタル〜。

 

なお、俺は、心の中がマッドマックスなので、火を吹くギターを奏でながら踊っていた。

 

皇帝ともなってくると肝が太いらしく、俺は完全スルーされていた。

 

笑えるね。

 




三話しかねーけどな!

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