ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あええー。


45話 ゲームと社会

順風満帆。

 

順風満帆である。

 

ゲームギアは信じられないほどの売り上げを見せて、発売から一週間で貴族を含めて街中の人間が持っていた。

 

何度も言うが、娯楽に乏しいこの世界でゲーム機を売ると言うのは犯罪的に儲かる。

 

よく考えてみてほしい。

 

俺の生まれ育った寒村はどうだった?

 

周りの子供達は何をやっても遊んでいた?

 

男の子は基本的に、「騎士ごっこ」といって棒切れを振り回すか、石を投げ合う「石投げ合戦」など、野蛮極まりない遊びをしている。

 

女の子は、木製の人形で「おままごと」か?

 

それと、かくれんぼや鬼ごっこくらいか。

 

大人と言えば、夜に酒場に行けば必ず「サイコロ賭博」をやっている。

 

貴族なら戦略性のある「バックギャモン」や、高貴なる趣味「狩猟」とか。

 

そんな世界に、ピカピカ色とりどりに光る画面で、さまざまなキャラクターを自由に操作できる「テレビゲーム」を持ち込んだらどうなるか?

 

そんなもの、火を見るより明らかだ。

 

ごっこ遊びなどしなくても、ゲームの中では騎士になれるのだ。

 

おままごとなどしなくても、ゲームの中では親になれるのだ。

 

これにハマらない人間はいなかった。

 

 

 

「ただいま」

 

「あ、お帰りなさい」

 

久々に帰宅……、いや、帰宅と言っても居候先のフランシスの別荘なんだが、とにかく帰宅した。

 

一週間ぶりに会ったフランちゃんは……。

 

「くっ、この、うりゃ!」

 

延々とゲームをやっていた……。

 

今回、俺が売り出したゲームギアは携帯ゲーム機。

 

プリセットで落ちものパズルゲームであるテトロスが入っているが、ソフトも何種類か発売してある。

 

まず第一に、2Dドットアクションゲームの名作『ラックマン』をベースに作ったゲーム、『魔導騎士アーサーの冒険』だ。

 

ラックマンは皆ご存じ、片腕がエネルギー砲になった人型ロボットが、悪のロボットを退治する……、みたいなアクションゲームだな。

 

しかし、もちろん、ロボットどころか真空管すらないこの世界でそれは通じない。

 

なので、ゲームシステムをそのままでキャラチップやストーリーを変更して、イケメン魔導師が悪の大魔王を倒すために旅に出る!みたいな形に改変させてもらった。

 

金髪にロングソードと杖を持ったアーサーというキャラクターが、九つのステージを突破し、九体のボスを倒せばクリアという、ごく簡単なゲームである。

 

アーサーは、左右移動、ジャンプ、スライディング、剣攻撃と魔法(火の玉)攻撃ができるのだが、ボスを倒す度に技が追加されるのが特徴か。

 

フランシスはこれにどハマりして、延々とプレイしている……。

 

「くっ、この!あー!駄目だった……。ねえ、エグザス?これ、『暗黒騎士サリバーン』ってどうすれば倒せるの?」

 

「サリバーンは先に『エルダーリッチ』を倒して、火の秘術『プロミネンスエッジ』を覚えると良いぞ」

 

「そうなんだ!友達にも教えて良い?!」

 

「良いぞ、好きにしろ」

 

「わーい!」

 

とまあ、こんな感じ。

 

だがしかし、フランシスのように分別のある遊び方をしている奴は稀だ。

 

中には、仕事を休んだり、徹夜したりしてまでゲームで遊ぶ「ゲーム中毒者」も出始まっているらしい。

 

もちろん、俺は知らん。

 

責任なんてないもんよ。

 

ゲーム中毒になるのは本人が悪いんでしょ?

 

むしろ、中毒になってゲーム関連の作品を買い漁ってくれる方が俺は助かる。

 

今後はメディアミックスとか関連書籍とか書きたいしなあ。

 

 

 

学校に行ってみた。

 

「おお、エグザスか」

 

気安く話しかけてきたのは、ゼス・ハウル。

 

武辺者が多いと名高いハウル伯爵家の跡継ぎ息子様だな。

 

この前に魔法学の授業で俺の作った新魔法を発表したのだが、それを覚えると、使えると判断したらしく、それ以降俺にやたらと話しかけてくる。

 

見た目は三白眼で大柄な強面なのだが、見た目に反して鷹揚な男だ。

 

そして、こいつの手にもゲームギアがあった。

 

プレイしているソフトは『ドラゴンエンブレム』だな。

 

これは、俺が作った某有名ファンタジーストラテジーゲームのパクリだ。

 

もちろん、ストーリーは全てオリジナルだぞ?ゲームシステムが似ているだけだ。

 

ファンタジー世界であるこの世界でもファンタジーゲームは通用するらしい。

 

そして何より、ストラテジーゲームは、貴族達の関心を大いに買った。

 

知的遊戯だと思われた訳だな。

 

ストーリーもまあ、俺が書いたんだが、結構シリアスめにまとめているからなあ。

 

幼少期にこの世界の神話やら伝説やらを、家庭教師のマーガレット先生から聞き出して、それをモデルに使ったのがウケた理由の一つかもしれない。

 

基本的に、俺のような現代日本人から見れば、テンプレ極まりない退屈なストーリーなのだが……。

 

「素晴らしい物語だな……!『老騎士ボードウィン』が、『王子シャルル』を身を挺して庇い、敵から逃すところなど……、俺は感動したぞ」

 

と、高評価だった。

 

それもそうだ、この世界には、物語のテンプレができるほどにメジャーな物語がない。

 

製紙すらまともにできていないこの社会では、本などそうそう出版できない訳でな……。

 

基本的に、本は、学術書と聖書が殆どで、物語が書かれた本なんて伝説について記されたものくらいじゃないか?

 

印刷技術も当然存在していないから、その伝説すら知らない人は多い。

 

口伝も各家によって形が変化して原型が分からなくなってしまっているし……。

 

つまりは、物語のテンプレは、これから俺が作るしかない訳だ。

 

いやもう、現に作っちゃった訳だな。

 

例えば、『地面に刺さった選ばれし者だけが抜ける聖剣』とか、『ベテラン老兵が若い主人公を庇って死ぬ』とか、『魔王軍四天王』とか……。

 

『倒したはずの四天王が終盤で復活する』とか、『闇堕ちした親を倒す』とか、なんかそう言う類の物語のテンプレをな……。

 

ああ、因みに、このゲームのストーリーは、なんだかんだで滅んだ王国の王子が、悪の大帝国を倒して王国を復興する感じだな。

 

 

 

折角学校に来たので、学園長の婆さんに会いに行った。

 

「おや、エグザスの坊やかい」

 

「うわ」

 

この婆さんも持ってるのかよ……。

 

「ちょうど良いさね、少し、これの話を聞かせておくれよ」

 

あ、仕組みの方か。

 

婆さんは、何種類かのパズルゲームをやっているみたいだが、それよりもゲームギアの構造の方が気になるらしい。

 

まあ、真似はできないだろうから、概要までなら話して良いかな……。

 

「これはまず、魔力のオンオフによって二進数が〜……」

 

「なるほど……、それじゃあ、ここの部分は……」

 

「ああ、そこは乱数と言って〜……」

 

「よく考えたもんだねえ、つまりここが〜……」

 

「まあ大体そうかな?厳密にはここがこうなっていて〜……」

 

うん、頭が良い人と会話をするのは、楽しいし為になるなあ。

 




ウィザードリィみたいな話を書きたい。

ダンまちみたいに一つの街をメインにして、ダンジョンのあるその街での出来事がメインで。あんまり旅とかしない話。

冒険の話にしたい。

無限に広がるダンジョン、稼ぎに来た万を超える冒険者!

ウィザードリィ風の世界なので、呪文は連発できないし、考えて使わないとダメ。更に言えば魔法使いはめっっっちゃ貴重で、トップランク冒険者のパーティにも一人二人いれば良い方。数万の冒険者の内、魔法使いは千人もいない。

主人公は神話級の大魔導師だが、真面目に働くのが嫌なのでポーター(運び人)とかソロでやってる。

「俺は冒険がしたい訳じゃなくて、ファンタジーの雰囲気が味わいたいだけなんだ!」とか抜かすサイコパス。

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