「んで、お前んちどこよ?」
「こちらですわ、ついてきてくださいまし」
助けた銀髪の女と道を歩く。
銀髪をロールしたなんかいかにもお嬢様っぽいお嬢様だ。
逆に、お嬢様のテンプレそのままで埋没個性って感じ。
バーチャルユウチューバーみたいな見た目をなさっている。
まあ仮にバーチャルユウチューバーだとしたら、かなりファンは多そうだな。
それだけのカリスマというか、人を惹きつける魅力がある。
貴族にしても、相当立場が高い子であろうことは容易に理解できる。
「まだかよ、ドリルちゃん」
「ド、ドリルちゃん?ええと、もう少しですわ」
ドリルちゃん(仮称)に手を引かれ、貴族街を練り歩く……。
そして。
「ここですわ」
たどり着いたのは……。
「あはーん?」
王都の中心、『王城ビルトリア』だった……。
まあ、ここまで来たら大体わかる。
ドリルちゃんは、この国のお姫様って訳だ。
なら、王様とやらから金をもらえばそれで解決。
そういや昼飯食ってなかったな、何食うかな……。
俺は、即座に玉座の前に通された。
跪けとか何だとか小うるさく言われてるけど、自分より弱くて無能な奴に、俺に非がある訳でもないのに頭を下げるとか嫌なんで。
社会人をやめて、社会人の守るべき規範の数々から解放された俺を、止めることはできないと言っておこう。
俺は、ホットドッグを齧りながら、コーラ瓶片手に謁見する……。
「き、貴様あ!無礼にも程があるだろうが!」
王様……の隣のおっさんがブチギレてる。
宰相的なアレだろう。
まあ、おっさんに興味はない。
衛生的な美少女にしか興味はないのだ。
今後の目標は、フランちゃん、ユキ、グレイスをよーく洗って衛生観念を叩き込み、その後に抱くことだ。
この世界のきったねぇ女じゃ勃たねえからなあ……。
ん、ホットドッグうんめー。
チリビーンズソースにしたのは正解だったな……。
今日はこう、なんていうか、もったりしたものが食いたかった。
カロリーが脳髄に染み渡るぅ〜……。
「ガハハハハ!面白いガキだ!」
銀髪の巨漢……、王様とやらは、そうやって破顔する。
何こいつ?
そして王は、大きな……、それこそ漫画のようなレベルの特大剣を背負い、こう言った。
「よっし!とりあえず手合わせだ!」
と。
はあ〜?
意味わかんねー。
アホなのかこいつ?
「嫌だね。とっとと、姫様を助けてやった分の報酬を出せ」
金を出せ金を。
「いやあ、それがな?お前は、裏口入学したズル野郎って噂じゃねーか。裏口入学した奴が、どうして、攫われた俺の娘を助けられたんだ?」
あー?
「だとしても、俺がその女をここに持ってきたのは事実だろうが」
「いやいや!娘も騙されているかもしれねーからな!実力を見ておかなきゃダメだろ!」
そう言って、「ワクワクしてます!」という表情をする王。
うっざ……。
まあ、武断派!とか言えばカッコよく聞こえるが、一国の王がこれじゃダメだろ。
いや、こんなのが王をやっているから、この国はクソなのか。あーはいはい、納得したよ。
ま、俺は、相手が王様だろうと何だろうと、こんな風に舐めた態度をしてくるアホに芋引くとかありえんので……。
「よーし!じゃあいくぞ!俺の魔法と剣技を受けてみろや!」
こういうアホは……。
『《マジックアロー》 ラン』
「ぐ、ぐああああーーーっ!!!!」
殺してやるに限るな!
っと?だが、ギリギリで身体を捻って致命傷は避けたか?
流石は武断派!の王様だ、よく動く。
次は避けられるかなー、っと?
「そ、そこまでです!これ以上やっては、お父様が死んでしまいます!」
と、ドリルちゃん……、あー、姫様が出てきた。
んー?死んでしまう?
「剣を向けてきておいて、いざ自分が死にそうになると『死んじゃうのでやめてくだちゃーい!』だ?んなもん通るかよ」
って話だ。
「ですが、王を殺すなど大逆で」
「ああ、そうなんだ。で、それが何か問題?」
「なっ……?!!」
驚くほどのことかね?
ってか、普段からつまらん戦争をやりまくって、「強い奴は偉いです!カッコいいです!」と言ってきたんだから、王より強い俺のことも持て囃してもらえんか?
「……お話は分かりました。ですがやはり、貴方に王殺しの罪は負わせたくありませんわ」
ふむ?
「それは何故だ?何のメリットがある?」
「貴方と会えなくなるなんて、嫌ですもの」
ふーん?
「わたくしは、貴方のファンなのですわ。ゲームギアは楽しませてもらっておりますし、学園での破天荒な活動の数々も見ていて飽きません。それどころか、素敵なお顔は、何をしていても様になりますわ」
へえ、こりゃいいな。プラス五点。
「恐ろしくハンサムで、国一番に強くて、商売にも明るい……。そんな貴方は、この国に必要な方ですわ」
「で?」
「前の呼び出しには応じていただけませんでしたが、あの時も、『ゲームギア発売により、王都に富をもたらした褒美の授与』をするつもりだったのですよ?」
あ、そうなんだ。
そりゃ、行った方が良かったかもな。
エグザス反省。
「少しだけで良いのです、我々王族の顔も、立ててはいただけませんか……?」
ふむふむ。
殊勝な態度の美少女。
悪くない。
「いいだろう、今回はお前らの顔を立てておいてやる。次、舐めた真似したら、王都ごと消し飛ばすからな」
幸せはー、歩いてこないので、三歩進んで二歩下がると見せかけて三歩目で必殺パンチ放つべきなんだよな(?)。
要するに、現実世界は切り捨てて、ネットで面白い小説を書けばええんや。
っあー!それはそれとして、プログラマ転生が64話まで書けた!
一区切り一区切り。
さあ、そうなってくるとやはり……、新作が書ける訳ですね。
レベル五十くらいある隠し職業の最強マンが、ワードナの魔除けを常に持ち歩いているみたいなクソゲー感を感じてください。
普段は、冒険者の酒場で飲んだくれ鑑定人(ウィザードリィではアイテム鑑定ができる司教のジョブの冒険者をアイテム鑑定人として酒場に放置するプレイングがある)をしていて、頼むとダンジョン案内人兼運び人をやってくれる謎の男。
しかし、アーティファクトを引き換えにすれば、大きな力や情報を与えてくれる賢者でもある。
そういうプレイングを描きたい。
上級冒険者「今回のダンジョン攻略は必ず成功させたいからパーティに一時加入してくれ」
主人公さん「えー?俺はしがない運び人なんだけどなあ?」
上級冒険者「(懐からレリックアイテムを取り出す)」
主人公さん「(受け取る)いつ出発する?私も同行しよう」
こんな感じ。