この国に帰属意識が1ミリもないので忘れがちだが、この国の名前は『ビルトリア王国』だ。
このビルトリア王国と接する国はなんと七つ。
北東部、アドン魔導国。
北西部、ウェイブ機甲国。
西部、レジス公国。
東部、ドメイニア帝国。
南東、バイナル連邦。
南部、ソーズ教国。
そして南西部、プロキシア共和国……。
その中でもビルトリア王国は、ドメイニア帝国とバイナル連邦と戦争中(いつもやってる)で、アドン魔導国とウェイブ機甲国とは文化等の違いから極めて険悪。
レジス公国はイタリアか戦国時代のクソ国人かみたいなムーブばっかりしてる害悪で……。
ソーズ教国は、この辺り人々が信仰する『聖教』の総本山なので、世俗の争いには関わらない(と言うことに名目上はなっている)ので一定の関係がどこともあり。
そして、重商主義の、商人達が議会で支配するプロキシア共和国には……。
この国、ビルトリア王国に猪武者が多いことを利用され、凄い勢いで食い物にされている……。
「〜という訳でして、こちらの『ゲームギア』の販売ですが、我が国に委託する気はございませんか?」
なので、なんかこっちにも来ちゃったんだよね。
プロキシア共和国。
このクソ中世世界で唯一、近世への第一歩である重商主義の萌芽が見える、商人達の国だ。
この国は、商取引や契約によって、ビルトリア王国から国富を掠め取っている。
ビルトリア王国は、大陸の覇権を目指して、定期的に戦争をしまくっており、戦費調達に商業面の権利の多くをプロキシア共和国に売ってしまっていた。
港の権利売ったって聞いた時にはたまげたね。頭おかしいんじゃねえの?
でも仕方ない、この国では貴族は、華々しく戦って誉(笑)を得ることの方が大事、という価値観だから。
まあ世の中には「太っている殿方の方が裕福そうでステキ!」とか、「飲酒運転したらその場で車没収な!」とか、そんな国があるんだ。この世界のこの国はそんなもんだと思っておこう。
まあだからと言ってドン引きなのには変わりないがな!
で、その、プロキシア共和国。
そこから、商人を名乗る男がうちに来ていた。
自称人を見る目があるマンさんは、こいつを見れば「一見愛想よく笑っているが、目の奥は笑ってない」と表現できるんじゃないか?
そんな感じに、遜るような姿勢を見せてはいるが、その実、遜り過ぎていてこちらを馬鹿にしているかのように思える、そんな印象の男だ。
ナマズのような二本髭を生やした、恵比寿顔と言うのかね、丸く下ぶくれした顔の。
ふくよかで、赤いベストを着た男。
名を、プロキシア共和国下院議員のピエトロと言っていた……。
「我が国にお任せしていただければ、このゲームギアは世界の全てに届けられ、巨万の富を齎すでしょう!」
ほーん。
「おお、良いぞ。銀貨二枚で俺から買って、銀貨二枚で売れよ」
「いえいえ、それには及びません!実は、製法の方の買い取りをして、そのまま我が国で売り、その利益をエグザス様に分配すると言うことをこちらでは考えておりまして……」
おっ、良いねえ!
いきなりそうやって舐めてかかってきてくれると、こちらも全力で煽れるじゃん!
「ははは、無理だって。お前らはアホだから、16ビットのゲーム機の中身を開いても何も分からんだろ?」
「なっ……?!」
「ってか、中身開いてもなんも分からんから聞きに来たんでしょ?技術力では勝てないけど、口先では丸め込めるとか言ってたもんな、議会で」
「な、な、何を……?!」
あ、はい。
この世界に存在する国の殆どに、魔法的な探査機を飛ばして会話を盗み聞きしてまーす。
世界の座標を指定して、その位置から音を拾うだけの魔法だからそんなに難しくない。
いやまあ、一度音声信号を魔力波動に変調してから、届いた魔力波動を音声信号に復調する手順は少し面倒だったが、その辺のナレッジはゲームギアを作っている時に得ているので……。
「アレだろ?ゲームギアは初回起動時に『このゲーム機は銀貨二枚で発売中です!ソフトは銀貨一枚!』ってアナウンスが出るようにプログラムしてあるのが気に食わねーってんだろ?で、それを解除しようにも、解析しようと分解したらすぐに壊れるんだろ?知ってる知ってる」
「な、なんの、ことだか、分かりません、な。で、ですが!事実として、ゲームギアの流通は滞っていますぞ!」
「ああ、あんたらが邪魔するように仕組んでいるもんな」
不自然に盗賊に襲われると、ゲームギアを卸しているビークス商会から報告が来ている。
「じ、事実無根だ!証拠はあるのですか?!」
「あれ?この国でも盗撮や盗聴は証拠にならないみたいな法律があるんだっけ?……まあその辺はどうでも良いとして、別に流通が滞るのはどうでも良いんだよね」
「……は?」
俺は、創造の魔法、ジェネーレトマジックを起動する。
「北の生魚」
「南国のフルーツ」
「真珠のネックレス」
「夏の野菜」
「猫」
「ミスリルの宝剣」
宣言しながらどんどん生成。
一つ出すごとに、共和国の商人の顔色が土気色になってゆく。
「別にさあ、お前らみたいなのと違って、欲しいものはなんでも手に入るから。セコセコ働いて、金をかき集める必要とかないんだよね」
「じゃ、じゃあ、何故……?」
「お前らみたいなセコセコ働いてるバカ共に、俺の技術力と豊かさを見せつけて笑いたかったから!どうだ?ゲームギアを解析できなくて悔しかったか?大商人を名乗っているのに、俺より貧乏で悔しいか?ははははははははははははは!!!!!」
うん!
煽りたくってやってるんだよなー!
これがやりたかった!
共和国の商人は、思いっきり顔を歪めて、何も言わずに退室した……。
その後、なんか暗殺者的なのが来たが、うちのホムンクルスメイドに三秒で捕まってて笑ったわ。
捕まえた暗殺者は拷問して殺して、その時の映像を胸に埋め込んでやった液晶画面からループ再生するように設定して、雇い主である共和国商人の屋敷に送りつけてやった。
死ぬほどビビってた。
笑える。
カクヨム転載についてのアドバイスかなんかあれば、活動報告の方に投げていただけると助かる……。
個人的には、まあタイトル変更はするとして、50話以上あるやつをポンとそのまま転載する感じかなあ。
モン娘傭兵とかは古くて文がアレなので、今必死こいてリメイクしてます。傭兵が魔王になってから、モルモット勇者ちゃんを虐め殺すところまででとりあえず100話くらいにまとめて、一旦完結作として出したい気持ちです。