「性欲が爆発しそう」
捨矢理絵は、いつもの定例会でそうこぼす。
定例会は、毎週日曜に行われる、各部のリーダーが集まる会議だ。
最近はめっきり平和になり、彼女達もしょうもない下ネタが言えるようになったことは、果たして良かったのか悪かったのか……。
「「「「それな」」」」
最近の定例会は、ほぼ、ねっとりとした思春期の性欲話に終始する。
「一緒に筋トレしてたけど、ありゃヤベェわ……。崩壊前からベンチプレス300kg上げられたって話だぜ?たまんねぇぜ、あの筋肉……♡」
伍七嗣葉は、女にしては大き過ぎる身体で、乙女のようにくねくねしている。
「つぐりんが乙女してるー!」
「いやだって、なあ?アタシ、自分より強い男がタイプだし……」
頬を染めながら頬に手を当てる嗣葉。
並の男なら片手で捻り潰すメスゴリラが、一丁前に雌の顔をしていた。
「まあ、普通はいないよねえ……。高校女子レスリング日本大会、三年連続優勝者より強い男の人とか……」
「嗣葉先輩は、世界がこうならなければ、レスリングのプロになるって話でしたものね」
「ココ卒業したら、マルソックとかいう警備会社?にスカウトされてたんだよね?」
「おう!本当なら、オリンピックにも出れたと思うんだけどなあ……」
大きな肩をがっくりと落として落ち込む嗣葉。
世界がこうなっては、オリンピックもクソもない。
「皆川さんは本当に素敵ですわ。余裕のある大人のオトコって感じが最高にグッドですの!」
サリア・エンフィールドは、金色の巻き髪を揺らしながら、恋する乙女の顔でそう言った。
「この前なんて、手が冷たいと言ったら、『大丈夫か?』と私の手を握って温めてくれたんですの!」
「うわー、もうそんなん恋人じゃん!」
「なので私は、その感触を思い出しながら後でマスターベーションさせていただきましたわ!」
「「「「最低!!!」」」」
「最高でしたわ!!!!」
「「「「最悪!!!」」」」
恋する乙女だが、中身はこれである。
「ノン、ノン、ノン!皆川さんをネタにして自慰をしていない者だけが、わたくしに石を投げなさって!」
何故か胸を張ってそう言ったサリア。
「「「「………………」」」」
そう言われた全員が、恥ずかしそうに頬を染めて視線を逸らす。
まあ、そういうことである。
意外なのは、真面目そうな砂鷹光や、不思議ちゃんの伊坂奈凪までもがそのような反応をするところだ。
つまり、彼女達は皆、健康健全な思春期の少女だと言うことだろう。
もちろん、女子校故に男性への免疫がなかっただとか、常に生命の危機が身近にあるが故に繁殖欲求が高まっているだとか、そう言った要素もあるのだが。
「まあ……、あーしもおじピにお願いして、抱っこしてもらったりしたし……」
そう言ったのはピンク髪ギャルの州臣摩子。
「抱っこ(意味深)?!!」
「ち、違うし!フツーに抱っこしてもらったの!」
「普通の抱っことは……?」
「だって、おじピ、マッチョだし……。お、お姫様抱っこできる?って聞いたら、やってくれたの……♡えへへぇ♡」
「えへへぇ♡じゃありませんわ!狡い!わたくしもお姫様抱っこされたいですわ!」
「サリアはトイレで一人エッチしてれば?」
「辛辣ゥッ?!!」
そんな馬鹿話をして……。
「……ところで、皆川さん自体は、性欲とかあるの?」
誰かがそう言った。
「今朝起こしに行った時は、ご立派なモノが更にご立派になってましたよ!」
氏居雪姫が実に最低な発言をする。
「朝勃ちはするんだね。じゃあ、性機能に問題はない、と」
「華の女子高生に囲まれておきながら、何故手を出さないのでしょうか……?」
「あー……、それだけど、子供には手を出さないって言ってた」
伊坂奈凪がそう呟いた。
「子供、ですか」
「うん。私達は、まだ子供」
「そうかなあ……?私、Dカップはあるよ?」
そう言って自分の胸を揉む理絵。
「ぐぬぬ……!おっぱいの大きさが女の子の魅力って訳じゃないもん!」
貧乳のお子様体型である南部緋夏がちょっぴり泣く。
その胸は平坦だった。
いや、正確には、菓子パンの甘食くらいの膨らみはあるが、それは「無」と言っても過言ではない、貧相な胸。
事実、バストサイズは貫禄のAAAカップ……。
トップアンダー差5cm前後の無乳なのだ。
まあその辺りの話をすると、圧倒的バルクの大胸筋でバストサイズ100cm超えの環介が最も巨乳ということになってしまうので、数値の大きさで競うことは無意味なのだが……。
「とにかく、子供だと思われているのはなんか嫌だよね」
「そうそう、ちゃんと女の人として見てほしい!」
「ゆーわくあるのみ」
「でもどうすれば良いんだろう……?」
ああでもない、こうでもないとお喋りが続き……。
「やっぱりおっぱい見せるしかないよ!」
「いや、お尻だ!」
不毛な会議が続き……。
「お腹減ったから会合終わりー」
「おつかれー」
「ご飯食べよー!」
と、会合は終わってしまった。
まあつまり、馬鹿話ができるくらいには余裕が出てきたのだ。
めでたし、めでたしだ。
今日休みなのに全然描けてにゃい……!
ずっとエルデンやってた……。
今、一週目なのにレベル180くらいある。