「Hello〜!何のお話ですの?」
現れたのは、金髪の髪を編み込みにしている美女、サリアだ。
モデルのようなすらっと長い足で、胸を揺らしながら出てくる。
「よう、サリア。実は、市民体育館の方にスカウトしたい人材がいてな」
「へえ、あそこに?何人か人がいるのは把握していると報告がありましたが……」
「スポーツジムのインストラクターだそうだ」
「へえ……、アリですわね。ですが、男性ですか?」
「ああ、そうだ」
「うーーーん……」
眉間に皺を寄せるサリア。
男子禁制(俺以外)のこの女子校で、に男を入れるのはキツいか……?
「……いえ!世の中には、環介さんのようなちゃんとした大人もいるはずですわ!流石に、こちらの切り札である銃器を持たせたりはできませんが、それでも、誰かを勧誘したいと思います!」
おお、柔軟だ。
「わたくし達がここで間違った選択をして、わたくし達の子孫が困るのは、不本意ですからね」
「子孫、ねえ」
「もちろん、わたくし達と環介さんの子供ですわよ♡」
みんなこう言うんだな……。
まあ、うん。
そこまで言われるなら、仕方がない。
前向きに考えるとしよう。
確かに、このまま老いていけば、一番早く動けなくなるのは俺だもんな。
なるべく早く、次の世代となる若者を集めて、俺達が作ったインフラ基盤を受け継ぐ権利の代わりに、俺達の老後の面倒を見てもらわなきゃならない。
「だが、まだその時じゃないな。今は忙しい」
「ええ、それには同意しますわ。けれど……」
「けれど?」
「……殿方の事はよく存じ上げないのですが、おちんちんって何歳くらいまで勃起なさるのですか?」
おっふぇ。
何言ってんだこの子。
「死活問題ですわよ?!わたくし達はまだまだ若いのですが、環介さんのおちんちんはいつまでお若いのですか?!!」
うわあ……、ガチで孕む気なんだな。
「まあ、しばらくは保つよ。男の人は、女の人と違って、閉経とかないからな」
それに、存在階位が上がるにつれて、俺は若々しくなってきている。
体感だが、今の肉体は二十代半ばくらいのコンディション。
精力もかなり高まっており、制御するのが困難なほど。
その辺の心配は不要だろう。
「では早速確認の方を……、ぐへへ……」
そう言って下半身を弄ってくるサリア。
「普通にセクハラだからやめようね」
「え?殿方は、洋モノの美女に触られると嬉しいのでは?」
「まあそれはそうだが。あくまで、一般論の話だよ」
あと洋モノって言うな。
「……確かに、そうですわね。すみませんわ」
物分かりは良いんだよな、この子。
そんなサリアは、警備隊用のプロテインをがぶ飲みしながら、俺にこう言ってきた。
「ですが、環介さん。子供を作るのは本気ですわよ?」
「……ああ、それは理解している」
「お嫌かもしれませんが、飲み込んでくださいな。どれもこれも、国のためですの」
「国?」
愛国心とか、あるのか?
「ええ!これから作る、わたくし達の帝国ですわ!」
えぇ……。
「あら?おかしいですか?」
「帝国?ってのは?」
「貴方とわたくし達の国ですわ」
す、凄いなこの子。
大それた野望だ。
「ぶっちゃけた話、もうこの世界に国家と言えるほどのコミュニティはないのでは?」
「まあ、そうだろうな」
それは認めざるを得ないな。
もう、パラダイムシフトから半年以上が過ぎたが、自衛隊やら警察官やら、海外のレスキュー隊やら、そう言う存在とは終ぞ会えなかった。
ここは埼玉で、東京にも電車で行けるそこそこの都会。
ここに救助が半年も来ないなら、もう滅んでいるとしか思えない。
「と言うかもう、これからは、小集団が都市を作って、そこが古代ギリシアのポリスのように、都市国家になっていく感じではありませんか?」
「そうなのか」
「いや実際、南東にある霧島大学は、『ネオジャパン』を名乗って建国しましたわよ」
「笑って良いやつかそれは?」
何だそれ面白いな。
「まあ、日本を再興しようという気概は認めても良いですが、実際はカス以下のゴミですわね」
口が悪いなあ。
「どうダメなんだ?」
「うちの周囲をコソコソ嗅ぎ回って、畑から作物を盗もうとしたりしてますわね」
「何だ、つまりは害獣じゃないか」
農家の中では、畑を荒らす奴=殺して良い存在、だからな。
うちの畑にきた野生動物はもれなくぶち殺しているし、果物を盗みにきたアジア人は顔面が変形するくらい殴ってやったっけ。
一般的なお店屋さんから商品を持ち逃げしたら窃盗罪だと分かるのに、農家の育てている作物はちょっとくらい盗んでも大丈夫!みたいな価値観はどこからくるんだか……。
「話し合いにならないですものねえ。ええと、何だったかしら……?世界再興の為に徴発する?とか言ってましたわよ。環介さんはこういうの、殺したくなるでしょう?」
「なるな」
「ですから、こう言う連中の対処はこちらでやりますわ。適材適所……、環介さんには、生産と医療に集中していただきたいと思いますの」
「それは助かるな」
情けない話だが、キチガイの応対は、もう俺にはできない。
最近は色々とタガが外れてきて、「気に食わない奴は殺せば良いか」みたいな思考になっているからな。
だがまあ、躊躇いなく人殺しができる破綻者ではあるが、積極的に他者に加害したいとは思わない。
そんな訳で、100%暴力沙汰になることが分かっているので、外部の人間との交渉は任せられないって訳だ。
外部の人間との交渉もそうだが、身の回りのこととか、食事とかの面倒も見てもらい、仕事だけに打ち込めば良い今の状況は、端的に言って天国だな。
「私は警備隊なので詳しくはないのですが……、他にもいくつか、コミュニティができているという報告を受けておりますわ。これからは、それらのコミュニティが協力したり敵対したりして、世界が回っていくとわたくしは考えてますの」
ふむ、そうかもな。
「そんな中、最大のコミュニティを築いて、確固たる立場を得ることが当面の目標となると思いますわ。どうか、ご協力を」
「もちろんだとも」
「まあっ!嬉しいですわ!お礼に、おっぱいを押し付けてあげますわー!」
「はいはい」
新作、なんだかんだでもう21話も書けちゃった。
もうこれ、次からこれで良いですか?
内容は最近言ってる、ガチ中世クラス転移生物兵器変身能力ものなんですが。