ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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エロ描写はヤングマガジン並なので許される。


9話 グラースの供述

俺は、誇り高きフェンリル族の女、グラース。

 

族長の命令で、見聞を広める為、友人を作る為、そして、婿を探す為旅に出た。

 

幸い、力には自信があった。

 

人間の戦士の数倍の身体能力、高い魔力、族長から譲り受けた魔法の剣「フロストバイト」。

 

それらを活かして、冒険者として活動しながら、各国を巡る。

 

やがて、同じような境遇のモンスター娘達と行動を共にするようになり……、プロとも言えるBランク冒険者になり……、俺は。

 

「しゃぶれよ、雌犬」

 

「はいっ❤︎」

 

素敵なご主人様に出会えた。

 

ふふふ、秒殺だった。

 

一瞬だった。

 

あり得ないくらい強いご主人様に叩きのめされて、犯されて。

 

全部を奪われて、気付いた。

 

俺も所詮、卑しい雌犬でしかないんだって……❤︎

 

今もほら、ご主人様のを舐めているけど、これ、凄く、良い❤︎

 

舐めさせられるなんて屈辱的な筈なのに、俺の身体、馬鹿みたいに熱くなって、悦んでる❤︎

 

「ご主人様っ❤︎すき、すきっ❤︎」

 

「よしよし、上手くなったなグラース。仕込んだ甲斐がある」

 

 

 

そう、それで……、ご主人様の下僕になった後は、訓練だ。

 

厳しいが、基礎的な体力がある分、耐えられている。

 

それに、ご主人様の訓練や勉強は本当に為になる。

 

特に、対人戦のノウハウは世界最高だと思う。

 

その上、この国、ガリア皇国の学院のような、最先端の学問を知っているご主人様。

 

強いだけじゃなく、こんなにも賢いだなんて、惚れ直すなあ。

 

魔法は、マリーというリッチが教えてくれた。

 

私もギリギリ中級上位くらいまでは使えたが、猛特訓により、上級下位まで使えるように。

 

流石に西洋剣術は知らん、とのことで、剣技は教えてもらえなかったが、その代わりに、徹底した近接戦闘の訓練をしてもらった。

 

意外なことに、ご主人様はジパングの剣術が使えた。何でも、昔、部下にジパングの剣術の達人がいたそうだ。

 

ご主人様は剣術も凄いけれど、何より、圧倒的な経験による勘の良さと応用力がある。それで何度も俺を叩きのめした。

 

耐えられると言っても、訓練は本当に厳しい。

 

俺がフェンリル族の里でやっていた訓練よりも、数段上で、スマートな訓練だ。

 

高度に効率化されていて、「カガク」に基づいている。

 

「根性などの精神論は置いておく。そんなものを養おうと無理な訓練をするより、基礎を重視した的確な訓練が重要だ。いや、命に関わる訓練をやらない訳ではないが」

 

とのこと。

 

「それじゃ、実地訓練だな。行くぞ」

 

そう言って、街の外まで移動した俺達は、街から見えない距離まで離れると、車を使って移動する。

 

車、というのは、からくりで動く馬車のことだ。

 

とても速い上に、ガソリン、が尽きない限りは大体動くらしい。

 

仕組みは聞いてもあまりよく分からなかったけど、これは、燃える水を食って動く馬車のようなものと理解した。

 

その中でも、この車は、積載量に優れた、トラック、という種類らしい。

 

二台に分かれて移動する。

 

理由は、ピトーネとウーノが大きくて重いから、普通の車には入らないからだ。

 

俺やブリッツ、八千代なら、ジープという車に乗れるんだけど。

 

そして、馭者はご主人様と八千代だ。

 

俺も一応、車の動かし方は習ったけれど、下手だと言われた。そんなに器用な方じゃないからな、道具を使うなら忍者である八千代の方が上手いだろう。

 

八千代は一週間もしないうちに、車の動かし方を覚えた。こいつは本当にこういうのが得意だ。器用な奴だな。

 

「この車というものは実に面白いからくりでござるなあ」

 

そんなこいつは、後ろにピトーネを、隣にブリッツを乗っけて、道を行く。

 

こっちは、ご主人様が運転するトラックに乗って、ウーノと移動。

 

ダンジョンまでは歩いて三日ほどだけど、車なら二、三時間で着く。

 

俺の全速力よりまあまあ遅いくらいの速さで、息切れせずに二、三時間走れるのは凄いな。

 

そう、そして、ダンジョンの少し前くらいで車から降りる。

 

車の性能は画期的だ。

 

特に賢くはない俺でも、その価値は分かる。

 

これが輸送や兵士を運ぶのに使えれば、どれだけ国が栄えるのやら。

 

まあ、ご主人様は国に従うような人じゃない。

 

技術を寄越せと強要されたら国を滅ぼしに行くくらいは平気でやるだろう。

 

しかし、それはご主人様も望むところではない。まだやらないそうだ。

 

だから、大っぴらに見せつけないんだろう。

 

「っと、ダンジョンに入る前に飯にしよう。ダンジョンの中ではレーションくらいしか食えないからな」

 

いや、レーションも十分に美味いんだけど……。

 

でも、ご主人様の料理は美味い。

 

神懸かり的に美味い。

 

初めて食べた時は、この世にこんな美味いものが存在したのかと驚いたのを覚えている。

 

基本的に、フェンリル族の料理は、肉に塩をかけて焼いただけだからな……。

 

後は山菜とか取ってきて肉と茹でるとか。

 

最近は人間との交流が盛んになって、食卓にパンや野菜が並ぶようになって、マシになったんだが、それでも、ご主人様の料理とは天と地ほどの差がある。

 

さて、人に見えない地点で飯の用意だ。

 

草原の真ん中で、ご主人様の「武器庫」から出されたキッチンと呼ばれる施設。

 

それを使って料理をしてくれるのだ。

 

因みに、俺達は料理が苦手だ。

 

俺とピトーネ、ブリッツはそれぞれの種族の族長の娘、ウーノは出奔した姫君、八千代も良いとこの子だ。要はボンボンだな。

 

八千代はそれなりにできるが、俺達は基本、黒くなるまで焼くか、くたくたになるまで煮るかしかできない。

 

なので、いつもは八千代がやってくれる。

 

だが、ご主人様は八千代の遥か上の腕。

 

全く見たこともない食材で、見たこともない料理を作る。超美味い。

 

 

 

「で、これは何だ?」

 

「?、普通にシェニッツェルだが……、あー、そういや、この世界には揚げ物がないのか。肉を……、あー、油で揚げた……、いや、そうだな、茹でたものだ」

 

油で茹でる?!

 

そんなことしたら油代が高くつくだろうに。

 

「レモンをかけて食え」

 

「この実がレモン、か」

 

レモンを絞って、ナイフを入れる。

 

柔らかい……。

 

「あ、内側は肉だな。なんの肉だ?」

 

「子牛」

 

牛?牛の肉は硬いけど結構美味いんだよな。

 

どれ……。

 

「………………!!!」

 

何だこれ、美味っ。

 

そして、白パン。

 

貴族しか食えないような白いパン。

 

仄かに甘い。

 

やべえな、これ。

 

「これの作り方とかって」

 

「お前は不器用だからな……」

 

そっか……。

 

故郷のみんなにも食わせてやりたいんだが……。

 

「ねえ、ご主人様?これなに?」

 

「オムレツだ」

 

ピトーネは、黄色いふわっとした何かをつつく。

 

「何でできてるの?……あ、この匂い、卵?!」

 

「そうだ」

 

「本当?!ラミア系は卵が大好物なのよ!」

 

そうなんだよな、エキドナ族に限らず、ラミア系モンスター娘は卵が好きだ。

 

だけど、卵は買うと高い。なのでよく、木に登って鳥の卵を取ってくるのを見る。

 

「……?!!な、何よこれ?!砂糖と胡椒が入ってるじゃない!!それに、沢山の卵も使ってるんでしょ……、原材料だけで銀貨持ってかれるわよ!!ああっ、美味しい!!」

 

ピトーネは満足そうだ。

 

「お前はメキシコ……、あー、確かメルキアだったか、この世界では。そっちの方出身なんだろ?辛いものが良いと聞いたからタコスにしたぞ」

 

「あー!トルティアだ!凄い、何年振りだろう!……んん?!故郷のトルティアよりおいひい?!!凄い!!!」

 

ブリッツは香辛料の効いた料理が好きだ。

 

しかし、プロ冒険者になっても、香辛料ってのは馬鹿高い。ブリッツが特に好きなトガーラなんて、20粒で銀貨2枚はする。

 

冒険者の一食は大体銅貨20枚だと考えると、たった20粒でその十倍。

 

気安く買えるものじゃない。

 

……んだが、ブリッツは武器を使わない分、自分の取り分で香辛料を買ったりしている。

 

「ピリ辛!」

 

「いや、かなり辛いはずだが?」

 

「?、ピリ辛!」

 

「……デスソースかけるか?」

 

「……これ凄い!美味しいソース!」

 

「あー、分かったお前、味覚狂ってんな?」

 

知らなかったのだろうか、ご主人様。ブリッツの味覚はおかしいぞ。

 

「お前は分からんから適当にトマトスパゲティ作っといた。あれ?あー、馬だから肉は食えないとか言う?」

 

「う、馬ではありませぬ!誇り高きユニコーン族の」

 

「じゃあ食えるのか」

 

「は、はい。大丈夫です、いただきます……。!!!、こ、これは!美味しい!!な、何が入っているのですか?!」

 

「主にトマト」

 

「とまと?トマト……、トマティアでは?」

 

「あー、この世界ではそう言うらしいな」

 

「成る程……!トマティアのソース!これは素晴らしい!我が国で是非広めたい!」

 

へー、トマティアって、傷みやすいし、生で食べるものだと思ってた。

 

「おおお……!まさか、ここで米が食べられるとは!」

 

「お前はそうだよな、確実に日本人だしな」

 

「にほん?」

 

「ああ、いや、ジパング人だなと」

 

「ええ、この八千代、生粋のジパング人でござるよ」

 

八千代には米。

 

確か、日頃から米が食べたいと言っていたな、八千代は。

 

「それに、このくうりの浅漬けと鮎魚の塩焼き!ジパングでは定番でござるな!」

 

「昔、部下に日本人、あー、ジパング人の料理人がいてな。そこで色々と習ったんだよ」

 

「ほほう、それはそれは。うーむ、拙者の実家の料理人より腕が良いでござるよ、これは!」

 

あれ、じゃあ、ご主人様は何食べるんだろう。

 

「俺は焼きそばにする」

 

……美味しそう。

 

「……少しやるよ」

 

「わーい!」

 




この主人公、元の世界では六十歳くらいまで、様々な経験を積んできたリアルチートです。

元の世界での性能でも、銃口の動きから銃弾を避けたり、一人で戦車を撃破したりなど、スネーク並のスペックがあり、その上料理や雑学もプロ級で、現代兵器を使いこなし電子戦すら可能なチートマンです。

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